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2015年5月 2日 (土)

めいと賞 その10(最終回)

K-「まだら」ですが、大丈夫ですか?
O-大丈夫なわけないやろ。今回はホンマに。
K-しかしこれは解説が必要でしょう。
O-無茶いうたらアカン。コメントするのが精一杯や。
K-いつもコメントくらいしかしていないような、そうでないこともたまにはあるような気がしないでもあるようでないような。
O-「まだら」っこしい、ちゅうねん。
K-………。


田島秀男作「まだら」「詰棋めいと」第29号 長編の部4
受賞:金賞

4462

61馬、27玉、71香成、38玉、39歩、37玉、82馬、27玉、72馬左、37玉、
73馬、27玉、63馬、37玉、64馬、27玉、54馬、37玉、55馬、27玉、
45馬、37玉、46銀、26玉、35馬、27玉、72馬、16玉、34馬、26玉、
35銀、37玉、73馬、27玉、63馬、37玉、64馬、27玉、54馬、37玉、
55馬、27玉、45馬左、37玉、38歩、同玉、56馬、27玉、45馬左、38玉、
39歩、37玉、55馬、27玉、

54馬、37玉、46銀、26玉、35馬、16玉、43馬、27玉、45馬、26玉、
35銀、37玉、55馬、27玉、54馬上、37玉、38歩、同玉、65馬、56歩、
39歩、27玉、54馬左、37玉、55馬、27玉、45馬、37玉、46銀、26玉、
35馬、27玉、54馬、16玉、34馬、26玉、35銀、37玉、55馬、27玉、
45馬左、37玉、38歩、同玉、56馬、27玉、45馬左、38玉
39歩、37玉、55馬、27玉、54馬、37玉、64馬、27玉、
63馬、37玉、46銀、26玉、35馬、16玉、52馬、27玉、45馬、26玉、
35銀、37玉、55馬、27玉、54馬、37玉、64馬、27玉、63馬上、37玉、
38歩、同玉、74馬、65歩、39歩、27玉、63馬左、37玉、64馬、27玉、
54馬、37玉、55馬、27玉、45馬、37玉、46銀、26玉、35馬、27玉、
63馬、16玉、34馬、26玉、35銀、37玉、64馬、27玉

54馬、37玉、46銀、26玉、35馬、16玉、43馬、27玉、45馬、26玉、
35銀、37玉、55馬、27玉、54馬上、37玉、38歩、同玉、65馬、56歩、
39歩、27玉、54馬左、37玉、55馬、27玉、45馬、37玉、46銀、26玉、
35馬、27玉、54馬、16玉、34馬、26玉、35銀、37玉、55馬、27玉、
45馬左、37玉、38歩、同玉、56馬、27玉、45馬左、38玉

39歩、37玉、55馬、27玉、54馬、37玉、64馬、27玉、63馬、37玉、
73馬、27玉、
72馬、37玉、46銀、26玉、35馬、16玉、61馬、27玉、45馬、26玉、
35銀、37玉、55馬、27玉、54馬、37玉、64馬、27玉、63馬、37玉、
73馬、27玉、72馬上、37玉、38歩、同玉、83馬、74歩、39歩、27玉、
72馬左、37玉、73馬、27玉、63馬、37玉、64馬、27玉、54馬、37玉、
55馬、27玉、45馬、37玉、46銀、26玉、35馬、27玉、72馬、16玉、
34馬、26玉、35銀、37玉、73馬、27玉

63馬、37玉、46銀、26玉、35馬、16玉、52馬、27玉、45馬、26玉、
35銀、37玉、55馬、27玉、54馬、37玉、64馬、27玉、63馬上、37玉、
38歩、同玉、74馬、65歩、39歩、27玉、63馬左、37玉、64馬、27玉、
54馬、37玉、55馬、27玉、45馬、37玉、46銀、26玉、35馬、27玉、
63馬、16玉、34馬、26玉、35銀、37玉、64馬、27玉

54馬、37玉、46銀、26玉、35馬、16玉、43馬、27玉、45馬、26玉、
35銀、37玉、55馬、27玉、54馬上、37玉、38歩、同玉、65馬、56歩、
39歩、27玉、54馬左、37玉、55馬、27玉、45馬、37玉、46銀、26玉、
35馬、27玉、54馬、16玉、34馬、26玉、35銀、37玉、55馬、27玉、
45馬左、37玉、38歩、同玉、56馬、27玉、45馬左、38玉

39歩、37玉、55馬、27玉、54馬、37玉、64馬、27玉、63馬、37玉、
73馬、27玉、72馬、37玉、82馬、27玉、81馬、37玉、38歩、同玉、
92馬、83歩、39歩、27玉、81馬、37玉、82馬、27玉、

72馬、37玉、46銀、26玉、35馬、16玉、61馬、27玉、45馬、26玉、
35銀、37玉、55馬、27玉、54馬、37玉、64馬、27玉、63馬、37玉、
73馬、27玉、72馬上、37玉、38歩、同玉、83馬、74歩、39歩、27玉、
72馬左、37玉、73馬、27玉、63馬、37玉、64馬、27玉、54馬、37玉、
55馬、27玉、45馬、37玉、46銀、26玉、35馬、27玉、72馬、16玉、
34馬、26玉、35銀、37玉、73馬、27玉

63馬、37玉、46銀、26玉、35馬、16玉、52馬、27玉、45馬、26玉、
35銀、37玉、55馬、27玉、54馬、37玉、64馬、27玉、63馬上、37玉、
38歩、同玉、74馬、65歩、39歩、27玉、63馬左、37玉、64馬、27玉、
54馬、37玉、55馬、27玉、45馬、37玉、46銀、26玉、35馬、27玉、
63馬、16玉、34馬、26玉、35銀、37玉、64馬、27玉

54馬、37玉、46銀、26玉、35馬、16玉、43馬、27玉、45馬、26玉、
35銀、37玉、55馬、27玉、54馬上、37玉、38歩、同玉、65馬、56歩、
39歩、27玉、54馬左、37玉、55馬、27玉、45馬、37玉、46銀、26玉、
35馬、27玉、54馬、16玉、34馬、26玉、35銀、37玉、55馬、27玉、
45馬左、37玉、38歩、同玉、56馬、27玉、45馬左、38玉

16馬、同成桂、39歩、37玉、46馬、27玉、28馬、36玉、46成桂、25玉、
36成桂、同玉、46馬、27玉、97龍、同金、28歩、17玉、29桂
まで569手詰

久後生歩-二枚の馬を並べて照準を合わせてから歩を取る。取られても取られても延々と歩の合駒が続く。最後に五回目の56歩を取ってようやく収束に入る。気の遠くなるような解図作業だった。よくこんな構想を思いつくものと感嘆。ネーミングは私なら「馬の眼」としたい。

今川健一-傑作! 作者に敬意を表して答案は手抜きせずに全手順を書いて草臥れた。このような作品に出会うと詰将棋に残された世界は広い、創造で人智はコンピュータに優ると思った。

選評
 斜め並び歩の剥がし趣向はこれまでにもいくつもあるが、二枚の馬が玉に近づいたり離れたり、入れ替わっては協力するというのは見たことがない。しかも一つ剥がす毎にまた歩が現れてそれまでの手順を繰り返すことになり、569手の長手数になるのには驚いた。この機構では収束が呆気ないのは仕方あるまい。
 次作も楽しみにしている。

作者
 看寿賞とダブル受賞となり、「天月舞」や「アルカナ」に比べてとても運が良かったと思う。復帰して「やっぱり詰将棋って最高だなあ」と改めて思っている。これからも全力を尽くしたい。
 この場を借りて他の作について一筆。
 発表時、例の問題に全く気付いていなかった「古時計」は、121手目45桂…で早詰があった(山田修司氏の指摘)。
 めいと27号長6の74歩突き捨ての不詰も山田氏の指摘。また、81手目27龍のキズも福村努氏が指摘された通りです。


 「乱」はさっぱり分かりませんが、「まだら」は分かるような気がします。(笑)
 双馬鋸ですが、常に同じ馬が歩を取るのではなく、役割を交代するところが何とも凄い。玉方の歩を支えているのは金なので、双馬が連結していると馬を取れないというしくみですが、92歩を取って龍を世に出すのにこれだけの手数が必要とは……。
 39歩と打ったとき48玉と香を抜かれる変化もあり、鑑賞するだけでも一苦労です。



大塚播州作「孫悟空」「詰棋めいと」第29号 個展5
受賞:銀賞

4463

49飛、58玉、48飛、69玉、89飛、78玉、88飛、69玉、49飛、58玉、
59飛、47玉、48歩、46玉、82馬、36玉、81馬、46玉、47歩、同玉、
49飛、58玉、48飛、69玉、89飛、78玉、79飛、87玉、88歩、96玉、
63馬、86玉、53馬、96玉、63馬、86玉、87歩、同玉、89飛、78玉、
88飛、69玉、49飛、58玉、59飛、47玉、48歩、46玉、64馬、36玉、
54馬、46玉、55馬、36玉、25銀、27玉、16銀、36玉、54馬、46玉、
47歩、同玉、49飛、58玉、48飛、69玉、89飛、78玉、79飛、87玉、
88歩、96玉、63馬、86玉、53馬、96玉、52馬、86玉、42馬、96玉、
41馬、
86玉、87歩、同玉、89飛、78玉、88飛、69玉、49飛、58玉、
59飛、47玉、48銀、36玉、14馬、26玉、15馬、36玉、25馬、同金、
同銀、35玉、36金、44玉、84飛、同と、54金、33玉、45桂、32玉、
43金、31玉、42金、同玉、53香成、31玉、42成香、同玉、43歩、同玉、
44歩、42玉、53飛成、31玉、43桂、32玉、33桂成、同金、31桂成、22玉、
33龍、同玉、43金、23玉、14銀、24玉、25金
まで137手詰

高津義則-二枚飛車による玉位置の変更と馬鋸を絡ませた巧妙な構成。終束も決まっている。

凡骨生-二丁飛車の動きがコミカルで、馬の位置により微妙に局面を変えて行く様は面白い。

今川健一-筋斗雲(二枚の飛車)に乗った孫悟空(馬)が大活躍し、収束は全て消えて大団円。14銀を16に配置換えする狙いの発見が難しかった。傑作。

選評
 二枚飛車による風変わりな往復の送り趣向に馬の変則的な移動を組み合わせた野趣豊かな謎解き力作。今時の洗練された趣向作とは一味違うが、その構想にはオリジナリティがある。
 趣向大作を五局も一度に放出されて復活を宣言されたのには拍手を贈りたい。

作者
 「孫悟空」が銀賞とのこと、うれしいやら、少しこそばゆい気持ちやらです。
 本局は二飛のリレーでV形に往復する飛追い機構に乗って<曲がり馬ノコ>という珍奇なノコと馬跳びで、玉は往復軌道なのに馬が盤の端から端まで放浪します。この種の往復追い趣向は規則的すぎて単調になりがちですが、この<放浪馬>がナゾ解きの珍奇なキイになって、単調さを救っているようです。
 創作前期に発想しながら、技術的には盤が狭く、駒が足りなくて、中期を越えて後期の今頃になって漸く完成したフダ付きの難プロットでした。本局は<曲がり馬ノコ>=<放浪馬>の珍種として記憶して貰えれば満足です。

 玉方は合駒ができない状況ですが、馬鋸を進展させるために飛車を細かく動かすところが面白い。
 かつては無駄合と看做されていた馬鋸の呼び戻しですが、作意より短くならない場合は有効合であるという風潮になってきているように思います。この図でも52歩合と嫌がらせをすると作意より長くなりますが、難しい世の中になってきたものです。



梅本拓男作「詰棋めいと」第29号 中編の部7(改良図)
受賞:銅賞

4464

67飛、57桂、同飛、46玉、47馬、45玉、56馬、36玉、47馬、45玉、
46歩、35玉、25馬、46玉、47馬、35玉、36歩、45玉、56馬、36玉、
48桂、同成桂、37歩、35玉、47桂、同成桂、36歩、同玉、47馬、35玉、
17角、同龍、36歩、45玉、37桂、同龍、56馬、36玉、37飛、同玉、
38飛
まで41手詰

橘圭吾-結構悩んだ。粘るし、見事な構成。

新田道雄-36香と35歩が邪魔駒とは面白い。楽しい作品。

今川健一-邪魔駒消去に始まるが、詰め終わっての感想は駒の入れ替えパズル。

選評
 57桂の中合に始まりパズル的な馬の繰り替えをしているうちに、自然に成桂が剥がされて行く手順には得も言われぬ中編詰将棋の味がある。
 改良図に贈賞するのは、より完成された作品を後世に遺す意味である。

作者
 銅賞、ありがとうございます。本作は旧作で、これまで余詰修正を三回も繰り返しています。そして、今回の改良図で四回目です。
 最近は凝った作品が仲々できず、ネタ切れスランプかも知れません。これを機に、気分一新したいと思います。

 初手は限定打。64からの遁走を押さえる意味です。2手目の桂合は単に46玉なら47馬から46歩と打たれてしまうので、飛を近づけて打歩に誘う意味。香が邪魔なので玉に払わせて35歩も消せば36歩と打てる。ここから桂と歩を入手して収束へという流れ。
 39角は、17とを取るために出番を待っているだけではなく、
45玉なら37桂、35玉、55飛、同歩、57角という詰上りも睨んだ配置です。


めいと賞 おわり

2015年4月 2日 (木)

めいと賞 その9

中野和夫作「詰棋めいと」第28号 長編の部1
受賞:銀賞

4318

47銀、35玉、36銀、同玉、37銀、35玉、13角、24角合、36飛、25玉、
26飛、35玉、24角成、同と、53角、44角合、同角成、同歩、36飛、25玉、
43角、34角合、同角成、同と、26飛、35玉、57角、46角合、同角、同桂、
13角、24角合、同角成、同と、36飛、25玉、43角、34角合、26飛、35玉、
45金、同歩、36飛、25玉、34角成、同と、26飛、35玉、13角、24角合、
同角成、同と、53角、34玉、44角成、23玉、22銀成、13玉、14香、同玉、
16香、15歩、同香、同玉、16飛、25玉、26銀、16玉、17歩、27玉、
37金
まで71手詰

 
55玉は、75飛、65角銀桂香歩合、64角、66玉、55銀、67玉、58金まで。
 
65飛金合は、64角、66玉、57銀、67玉、58金まで。
 
24玉は、21飛、23金合、13銀、同玉、31角、24玉、23飛成、同玉、22角成、24玉、23金まで。
 
24歩合は、36飛、25玉、26飛、35玉、24角成、同と、36飛、25玉、26銀、16玉、17歩以下。この17歩を打たせないための角合。

野口賢治-いきなり銀の打ち換えで意表を衝き、角の攻防で徐々に膠着した局面を打開してゆく手並みの鮮やかさ。長編でこのような好作に出会えたのは幸運。

聖鬼神-51手目
45金が見えにくい。

鈴木芳巳-角打ち角合七回はお見事。大傑作なり。

新田道雄-この好形から楽しい趣向で、不動駒も二枚とは凄い。

松沢成俊-両端の銀がなければ傑作。

 作年12月に亡くなられた中野和夫氏の作品です。
 氏の作品中、最長手数作は「近代将棋」1999年9月の金捨て金合周辺巡り91手詰、次がパソコン通信の会議室で1998年に発表された飛龍追いの85手詰で、本局は三番目に長い手数の作品と思われます。
 作者の言葉にもあるように「近代将棋」に発表された不詰作の修正改良図です。

 まず、なぜ銀を打ち換えるのでしょうか。
 
14角に24桂合(24歩合は37飛、36角合、同飛、25玉、26銀、16玉、17銀、25玉、26飛以下)、37飛、25玉で逃れ。ところが37銀の形なら13角、24桂合、36飛、25玉、26飛、35玉、24角成、同と、36飛、25玉、17桂で詰みます。つまり26飛にヒモをつけるというきわめて簡単な意味付けなのです。
 角打は、角を歩など他の駒に換えるため、角合は角のままで他の駒に換えさせないため。この応酬です。
 玉周りを狭めておいて
45金が局面打開の好手で、同玉なら46銀、56玉、57金まで。これで確かに詰んでいます。同角なら、46銀、26玉、37金、17玉、29桂まで。
 ここから角打角合を再度おこなって、53角と打てば合駒ができない形になります。すべては43歩を45まで吊り上げるための深謀遠慮だったというわけです。
 このようなありふれた素材を使って手順を練り上げ、別世界に誘う手腕は当代一流でした。
 作品集の準備も、7月の全国大会に向けて着々と進んでいるとのことで、楽しみに待ちたいと思います。



原図「近代将棋」1994年8月

86992838

37銀、35玉、13角、24角、36飛、25玉、26飛、35玉、24角成、同と、
53角、44角、同角成、同歩、36飛、25玉、43角、34角、同角成、同と、
26飛、35玉、57角、46角、同角、同桂、13角、24角、同角成、同と、
36飛、25玉、43角、34角、26飛、35玉、45金、同歩、36飛、25玉、
34角成、同と、26飛、35玉、13角、24角、同角成、同と、53角、34玉、
44角成、23玉、22と、13玉、14香、同玉、16香、15歩、同香、同玉、
16飛、25玉、26銀、16玉、17歩、27玉、37金
まで67手詰

 上記が作意ですが、
34玉、44金、23玉、24飛、同玉、42角成、23玉で不詰。

選評
 角打ち角合の反復趣向はもはや珍しくはないが、その順序や繋ぎの手に謎解きの面白さを含み、それを簡潔な駒配置で仕上げたところが見事。銀を繰り替える序奏も洒落ており、完璧な構成の傑作長篇である。

作者
 実は本作は新作ではなく、近代将棋(H6・8)に発表して不完全だったものを修正してアンデパンダンに再投稿したものです。それが編集者のウッカリミス(森田氏ご本人のメール)で長編の部に載ってしまいました。受賞通知を貰って私のアル中ハイマー頭は@状態になりましたが、「編集中なので受賞の言葉を大至急…」との仰せなので、とりあえず(?)何も考えないで有り難く頂くことに致しました。
 私は柏川氏の作品に感動して詰将棋を始めた一人です。一番好きな作家の柏川氏に選ばれて本当に幸せです。有難うございました。


 今回は一局だけでしたので、私が詰パラで解説させていただいた作品を紹介します。

「詰将棋パラダイス」1996年6月 C級順位戦

Para96000468

35桂、同と、22金、24玉、44飛、34角合、同飛、同と、23金、同玉、
12角、24玉、25金、同と、44龍
まで15手詰

 
24玉は、25金、同と、22龍、35玉、45金、26玉、25龍、37玉、27龍まで。
 
34桂合は、23金打、14玉、34飛、同と、26桂まで。

 波崎黒生名義での発表。
 何をやっているか分かりますか?
 盤上の46飛を角に換えているのです。10手目の局面を見れば、盤上では46飛が消えただけ、その代わり持駒に角が加わっています。
 高度な狙いでしたが、地味な動きは順位戦向きではなく、あまり評価は高くありませんでした。分かる人には分かる、というところでしょうか。


 謹んでご冥福をお祈りします。

2015年3月31日 (火)

めいと賞 その8

 第8回受賞作の紹介です。

新ヶ江幸弘作「金鵄」「詰棋めいと」第27号 長編の部5
受賞:金賞

4155

91と、同玉、81歩成、同銀、同桂成、同玉、72銀、同玉、62歩成、同飛、
73金、81玉、83香、91玉、82香成、同飛、同金、同玉、93歩成、同玉、
73飛、84玉、83飛成、95玉、96歩、同玉、87と上、同成銀、同と、同銀生、
同龍、同玉、77と、同玉、78龍、86玉、87銀、85玉、76銀、74玉、
65銀打、同金、同銀、同玉、64金、同玉、63桂成、65玉、56と、同と、
64成桂、同玉、56桂、65玉、66歩、同玉、57銀、65玉、66銀、同玉、
57馬、同玉、58と、56玉、67龍、55玉、46と、同玉、47と、45玉、
56龍、44玉、35と、同玉、36と、34玉、45龍、33玉、24馬、同玉、
25と、23玉、34龍、22玉、13歩成、同玉、14と、12玉、23と、11玉、
12歩、同金、同と、同玉、23金、21玉、31歩成、同金、同龍、同玉、
32金打
まで101手詰

 
87同銀成は、85銀、86玉、94銀、97玉、87龍、同玉、57龍、86玉、77龍、95玉、86銀、94玉、97龍、84玉、85歩、74玉、94龍、73玉、83龍、62玉、43歩成、61玉、81龍まで。同銀生なら85銀、97玉で逃れ。
 
73玉は、64銀、同玉、56桂、同と、65銀、同玉、64金、同玉、63桂成、同玉、53桂成、64玉、54成桂、65玉、56と、同玉、45馬、65玉、64成桂、同玉、54馬まで。
 
54玉は、53桂成、同玉、43歩成、54玉、44と、同玉、64龍、43玉、63龍、53歩合、33香成、同玉、53龍、43歩合、24と、32玉、22香成、同金、同馬、同玉、13歩成以下。

K-煙詰が2局もありますが、大丈夫ですか?
O-大丈夫なわけないやろ。今回はスルーということではアカンか。
K-前回のをコピペするのはやめてください。
O-あー、「金鵄」というのはだな、『日本書紀』に「乃有金色靈鵄、飛來止于皇弓之弭」とあるが、神武天皇が長髄彦(ナガスネヒコ)と戦った折に弓の端にとまった金色のトンビのことだな。普通、トンビは上空でくるりと輪をかくものなんだが。
K-三橋美智也ですか。
O-はいな。で、このトンビはただ金色だっただけじゃなくて、稲光のように光り輝いておったので、長髄彦軍は
目が眩みうろたえて「不復力戰」とある。伏見の清酒に「キンシ正宗」というのがあるんだが、元は「金鵄正宗」やろね。それで…
K-与太話はキンシ。
O-………。

杉山竜生-中盤58とに入るまでに変化読みが多く、難渋したが、その後は趣向的収束が待っていて新ヶ江流煙の華麗さを感じさせられた。

今川健一-序盤の玉を上辺に押し戻す手順も、中盤の玉を斜めに押し上げる趣向も、どちらも多くの変化群を含んでいて難しかった。それだけに詰上げた気分は最高に爽快。煙詰の傑作。

 57馬、同玉、58とから捨て絞り趣向。華麗な収束ですね。
 新ヶ江氏といえば、最短手数全駒煙「伏龍」(79手詰・詰パラ1997/03)が有名ですが、本局は氏にとって3局目の
全駒煙とのことです。

選評
 と金と龍で斜めに追い上げる趣向的な手順を土台にして全駒の煙詰に仕上げた手腕に感心した。そこに至るまでの序・中盤もよく練られており、適度な変化と紛れもあって、数ある煙詰の中でも上位に入る傑作だと思う。

(作者の受賞感想は「銀狼」へ)



新ヶ江幸弘作「銀狼」「詰棋めいと」第27号 長編の部4
受賞:銀賞

4156

81桂成、同玉、72金、91玉、92香成、同飛成、81金打、同龍、同金、同玉、
71飛、同玉、73飛成、61玉、51金、同玉、41香成、61玉、51成香、同玉、
42香成、61玉、52成香、同玉、43金、61玉、52金、同玉、34馬、41玉、
43龍、42飛合、同龍、同玉、52飛、41玉、53桂、同銀、32飛成、同玉、
22桂成、同玉、33銀、13玉、35馬、12玉、11桂成、同玉、22角、21玉、
31角成、同玉、53馬、21玉、31馬、同玉、32銀打
まで57手詰

 
92玉は、56馬、83歩合、同馬、同玉、73飛引成、94玉、54飛成、95玉、84龍寄、96玉、93龍寄まで。
 
42金合は、同龍、同玉、52金、32玉、31桂成、同玉、22桂成以下。

坂東仁市-小駒成駒ない。それだけで秀逸と思う。

天津包子-中盤の銀が残りそうな53桂から32飛成捨てが面白い。収束も良し。

 歩なし煙です。ごちゃごちゃせずスッキリした図ですね。
 短篇の収束のような詰上りですが、作者によれば「煙詰に使われたことはない」そうです。
 「~狼」と命名された作品は案外少なく、田中鵬看「一匹狼」(「近代将棋」1971/04)、添川公司「天狼」(「近代将棋」1986/04)くらいでしょうか。

選評
 煙詰とは思えないような品格が感じられる捌きの手順である。全駒に出来なくて歩なし煙になったのは惜しまれるが、詰上り生銀二枚で、金二枚の「金鵄」の姉妹作として同時発表したので印象がさらに良くなった。

作者
 めいと賞、ありがとうございます。歴代の受賞作に比べて少し見劣りがするような気がしますが、賞は、題名に合わせて一ランク上げて下さったのでしょうか? ともあれ柏川さんに選んでいただき、大変光栄です。
 「銀狼」は解答者にお誉めをいただいた53桂~32飛成の手順が、縦に追いだして全駒煙とする当初の構想を諦める選択と表裏の関係にあり、分かっていたけどやりたくない逆算だったので、お蔵入りさせていたものです。
 「金鵄」も当初、簡単に出来ていると思っていた趣向手順が意外と難しくてお蔵入りさせていたものですが、二枚馬を捨てる手順なら成立するということが確認できてからは一気に完成させることが出来た(ママ)、発表に至りました。
 めいと創刊以来、不完全作が多くてご迷惑をかけ続けていましたが、これで多少の汚名挽回になったでしょうか?
 なお、「彩雲」の修正図を再出題する機会を提供して下さった世話人に、この場を借りてお礼申し上げます。



河内勲作「詰棋めいと」第27号 長編の部2
受賞:銅賞

4157

59金、同玉、68角、同玉、77角成、57玉、67飛、56玉、66馬、45玉、
47飛、54玉、44飛、63玉、62金、53玉、54歩、62玉、42飛成、52歩、
44馬、61玉、52龍、同玉、53歩成、41玉、42歩、32玉、43と、21玉、
32銀、12玉、23銀成、同玉、24歩、14玉、15銀、同玉、26金、14玉、
23銀、13玉、22馬、24玉、33馬、13玉、14銀成、同玉、15金、13玉、
24金、12玉、23金、21玉、22金
まで55手詰

 
62同玉は、42飛成、52歩合、44馬、63玉、43龍、53角合、同馬、同歩、54角、62玉、63銀以下。
 
61玉は、72銀、同玉、52龍、81玉、54馬、91玉、61龍、92玉、81龍以下。


松田己次-
53玉で一ヶ月も悩んだ。これは54歩と打たせて後の54馬を不可能にしている。52龍に気付かず、左辺に追う順ばかり追求していた。

今川健一-この見事な初形で、追い詰ながら綺麗に駒が捌ける。不動駒僅かに五枚の好作で、河内さんの盤面大型曲詰に対する執念を感じる。

 
53玉とよろめくのが面白い受けで、54歩と拠点をつくられて損な感じがしますが、短評にあるように、44馬なら今度は61玉で54歩が邪魔になって逃れるというわけ。

 作者の作品集『おくろう記』第43番です。

選評
 いつも大型の初形曲詰で見事な捌きの手順に感心させられるが、本作も取り残されたかと思った37金まで終盤に動き出したのには唸ってしまった。15手目の62金を取らずに53玉とぐずんで54歩と打たせるのも玉方の不利逃避のような味わいのある手順で面白い。

作者
 この図は、新二千年紀を記念して発表しようとして五年ほど前に作図したものです。実力解答者の皆様からあれほどの解評をいただいて充分に満足感を持たせて貰った上に、柏川さんに選ばれてめいと賞まで受けられるのは本当に幸せです。
 今後もこれまでに作例のない盤面象形を作図しようと思っていますが、アイデア枯渇と実力不足のために捗りません。それでもしばらくはこの路線を続けるつもりです。
 詰将棋の女神に、そして皆様に心からお礼を申し上げます。



梅本拓男作「詰棋めいと」第27号 中編の部11
受賞:銅賞

41582

28飛、
35玉、27桂、25玉、15桂、27桂合、同飛、35玉、36歩、同馬、
47桂、同馬、25飛、同玉、37桂、同馬、16龍、35玉、27桂、同馬、
46銀
まで21手詰
(原図は玉方64とがありましたが、除いています)

 
27桂合は、同飛、35玉、36歩、同馬、47桂、同馬、25飛、同玉、37桂打以下。
 
27歩合は、同飛、35玉、25飛、同玉、26歩以下。

高津義則-ワンクッション置いた桂の中合がいい味。

里見良幸-双方の細かい味の応酬がまことに面白い。

野口賢治-64とは余詰消しと思うが、具体的にはよく判らない。

 桂を惜しんで、
27桂合とせず、攻方に一枚使わせたところで27桂合が皮肉。最初に桂合してしまうと攻方は37桂打と継ぎ桂できますが、作意では桂が余分にないので跳ばなくてはならず、延命できるというしくみです。もう少し手数があって、クドイ方が良かったかなと思います。

選評
 2手目にはなかった27桂中合が6手目に出てくるのが何か奇妙な味がした。以下の桂打ちで馬を翻弄する手順は、難しくはないが心地良い。64とは不要と思うので、除いて評価した。

作者
 受賞の通知を見てビックリ。発表図の64とは、検討の結果、指摘された通り不要でした。にも拘わらず推挙して下さった柏川氏に感謝の気持ちで一杯です。
 最近はどうも解図・検討力が鈍くなり、困ったものです。これを励みにして気を引き締めたいと思っています。



2015年3月29日 (日)

めいと賞 その7

 第7回受賞作です。

田島秀男作「らせん」「詰棋めいと」第26号 長編の部6
受賞:金賞

4022

67龍、54玉、56龍、43玉、45龍、32玉、

「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、43玉、45香、44香合、同龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、54玉、56香、55香合、同龍、43玉、44龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、56玉、46龍、65玉、67香、66香合、同龍、54玉、55龍、43玉、44龍、32玉、」
41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、56玉、46龍、67玉、57龍、76玉、77銀、同と、同龍、65玉、66龍、54玉、55龍、43玉、44龍、32玉、

「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、43玉、45香、44香合、同龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、54玉、56香、55香合、同龍、43玉、44龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、56玉、46龍、65玉、67香、66香合、同龍、54玉、55龍、43玉、44龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、43玉、45香、44香合、同龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、56玉、46龍、67玉、57龍、76玉、78香、77香合、同龍、65玉、66龍、54玉、55龍、43玉、44龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、43玉、45香、44香合、同龍、32玉、」
41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、56玉、46龍、67玉、57龍、78玉、68龍、87玉、88香、同成香、同龍、76玉、77龍、65玉、66龍、54玉、55龍、43玉、44龍、32玉、

「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、43玉、45香、44香合、同龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、54玉、56香、55香合、同龍、43玉、44龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、56玉、46龍、65玉、67香、66香合、同龍、54玉、55龍、43玉、44龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、56玉、46龍、67玉、57龍、76玉、78香、77香合、同龍、65玉、66龍、54玉、55龍、43玉、44龍、32玉、」
「41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、43玉、45香、44香合、同龍、32玉、」
41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、56玉、46龍、67玉、57龍、78玉、68龍、87玉、88香、76玉、85銀、75玉、76歩、同桂、84銀、同桂、64龍
まで277手詰

 
45玉は35龍で一回転分早い。
 
56玉は46龍で一回転分早い。
 
43玉は、53香成、同成桂、44歩、同成桂、同龍、32玉、41龍、23玉、21龍、34玉、24龍、45玉、35龍、56玉、46龍、67玉、57龍、76玉、77銀、同と、同龍、65玉、66龍、54玉、55龍、43玉、35桂、32玉、52龍、42金合、同龍、同玉、43金以下。
 
42玉は、41桂成、同玉、51と、42玉、43歩成、同玉、33角成、54玉、53と、同飛、44馬、63玉、53馬、同玉、52飛、63玉、65龍以下。
 
 32玉は、21桂成、34歩合、43歩成、同玉、45龍、44香合、53と、同玉、44角、42玉、54桂以下。

K-「らせん」ですが、大丈夫ですか?
O-大丈夫なわけないやろ。今回はスルーということではアカンか。
K-短評の引用のみで、そそくさと立ち去ったらどうでしょう。
O-それも考えたんやけどな、一言くらい書かんとな。
K-書くのなら、一言ではすまないでしょう。
O-そんなに困「らせん」なよ。
K-………。

今川健一-確かに螺旋階段。それにしてもよく廻る。途中24龍、43玉のように後戻りするときとしないときの選択が面倒だった。龍追いの傑作誕生です。45香、44香合、同香、54玉、43香成、同玉、45香…は馬鋸と同じように迂回手順でしょうね。

編集子-作意解二人の内のお一人です。元の手順に戻る場合は千日手なので、詰将棋では無効手順。迂回手順は、作意の途中に別の手順が入ってから作意手順に合流するもので、微妙に違います。

金子恒男-途中、冷静に考えればよかったのに、77銀浮かばず。余りにも回されすぎて目の前がくらくら貧血状態。

作者
 基本的には二回転の龍追いですが、各サイクルの帰路に玉方の手数延ばしによる多回転を組込んで計十七回転になりました。その機構は、香打ち香合を入れることによって、78とをはがす一サイクル目にはABCの三回転、89成香をはがす二サイクル目にはABCADAの六回転、収束に入る三サイクル目にはABCDAの五回転の延命を図るという趣向です。

 めいと賞初の金賞受賞作です。
 何か一言書こうと思っていましたが、作者の解説を読んで書くことがなくなりました。香合の位置が44→55→66→77と動いていくのは幻想的な雰囲気すらあります。
 あらかじめこんな構想が立てられるものなんでしょうかね。
 作者は悲運の名作「古時計」(詰パラ1989/06)で俄然注目を集め、本局であらためて鬼才ぶりを発揮して以降、卓絶した作品群を世に送り出しています。

選評
 単純な回転型の龍追いなのに、香打ち香合が繰り返されることによって10・14・18・22手と次第に大きな渦巻きになって行くという前代未聞の趣向手順を生み出した作者に惜しみない拍手を贈りたい。詰方の着手は平易でも、玉方の応手は油断がならず、それによって回転が不規則になるのが本作の生命であろう。

作者(受賞感想)
 私は継続的な努力を殆どして来なかった。なので、柏川氏に選ばれると少し心苦しい。
 今後は、自分がどこまで詰棋に真摯になれるか、確かめたいと思う。
 なお、折角贈って頂いた賞金ですが、めいとへ寄付します。



福田桂士作「馬追唄」「詰棋めいと」第26号 長編の部4
受賞:銅賞

4023

92歩成、同玉、93桂成、同玉、95飛、94桂合、同飛、同玉、61角成、95玉、
51馬、96玉、41馬、97玉、31馬、88玉、22馬、97玉、89桂、96玉、
16飛、同角成、88桂、95玉、77馬、94玉、67馬、93玉、57馬、92玉、
47馬、65歩合、同馬、91玉、83桂、82玉、71桂成、同玉、72歩、61玉、
74馬、63金合、62歩、51玉、41銀成、同玉、63馬、32玉、23歩成、43玉、
42桂成、34玉、45金、25玉、52馬、15玉、16馬、同玉、38角、25玉、
47角、16玉、27と、同玉、18金、同玉、28金、19玉、29金
まで69手詰

 
94他合は、61角成、95玉、62馬、96玉、63馬、97玉、64馬、88玉で合駒を89に打って簡単。
 
52歩合は、同馬、97玉、53馬、88玉、89歩以下。
 
88桂は、95玉、77馬、94玉、67馬、93玉、57馬、92玉、47馬、65歩合、同馬、91玉、83桂、82玉、71桂成、同玉、72歩、61玉、74馬、63歩合で、27角の利きがあるために62桂成、同玉、63馬とできない。

久後生歩-65歩の中合が絶妙。

里見良幸-馬の活躍が物凄く、中合もあって力の籠もった好局。91玉から19玉も花を添えた。

 馬の成育に定評のある作者。馬が直線上を遠ざかっていくのは『将棋無双』第26番(玉方馬の利き外し)やOT松田作「近代将棋」1971年4月(馬の転回)が思い浮かびますが、本局は22桂の質駒狙い。伏線の16飛や65歩合も冴えていて、謎解きの面白さに溢れた作品だと思います。

選評
 馬鋸をはじめとして馬追い手順は多いが、玉と馬が離れていくタイプの作品はあまり見ない。本作はそれを上下で二回行うところが新機軸である。

作者
 馬のZ状の動きで、盤上119199の三角形内の駒配置が制限され、どう収束できるかで九割方時間がかかりましたが、19玉の詰みにつながったのは幸運でした。



谷口均作「詰棋めいと」第26号 中編の部4
受賞:銅賞

4024

32歩、同玉、43銀、22玉、62飛成、52桂合、同龍、同金、34桂、同歩、
33銀、12玉、13銀、同金、22銀成、同玉、31角、同玉、13馬、41玉、
31馬、51玉、52銀成、同玉、53金、61玉、62金打
まで27手詰

 
42銀は、同玉、43歩、32玉で逃れ。
 
41玉は、42銀、同玉、31角、32玉、41銀、同玉、32銀打、42玉、62飛成、52歩合、同銀成、同金、43歩以下。
 
43同玉は、44銀、同玉、26角、55玉、46銀、56玉、57銀、47玉、46馬、38玉、68飛成、27玉、28龍以下。
 
52歩合は、同龍、同金、31角、12玉、13歩、同桂、21銀、同玉、32銀打、12玉、23馬まで。

高津義則-32歩から43銀が難手。本局には苦戦した。

凡骨正-詰むかいな…と思ったが、43銀とその変化を見付けて肩で息をする。

 当たり駒が多い実戦型。43銀の発見がすべてのような気がします。

選評
 さりげない実践(ママ)型から、適度のまぎれと変化を含んだ捌きの好手順が湧き出るのには感心した。主眼手は見当たらないが、この好形そのものが主題であろう。

作者
 本作は十年余り前から残していた原図に序8手を追加して完成したものです。原図のままでは、テーマの細かい綾と収束の大駒を捌く手順のバランスが悪く、泥臭く感じていました。この序奏を加えることでサラリとした形と変化いっぱいの思い切った手順がマッチしたと思います。
 解答者の四割が誤無解でしたが、評価が14.5点と良かったことも嬉しく思っています。その上に、めいと賞まで貰えて大変ありがとうございました。



高津義則作「詰棋めいと」第26号 短編の部4
受賞:銅賞

4025

76銀、84玉、95角、94玉、44飛、84桂合、同飛、95玉、94飛、同玉、
86桂、95玉、84角、同玉、94金
まで15手詰

 
96玉は、78角、86玉、87銀、85玉、96銀、74玉、63角、84玉、83金、94玉、44飛まで2手早い。
 
77玉は、66角、同玉、67金まで。
 
97玉は、79角、88合、96金まで。
 
87合は、同銀で無効。
 
84玉は、83金、74玉、52角、64玉、63角成まで13手。
 
94玉は、44飛、84合、83角、93玉、92金まで13手。
 
95同玉は、83桂成、85合、同飛、同桂、84角以下。
 
84歩合は、85角、同桂、84飛、95玉、85飛以下。

松本光雄-94飛捨てが解らず、時間がかかった。

今川健一-飛車は横ばかりでなく、縦にも使えることをウッカリした。

 ぱらっとして詰めにくい図。2手目96玉で74角、85金合以下変同とされている(作者もそう思っていた)のですが、上記のとおり変同はありません。
 71香は、初手より44飛、74歩合、同飛、同玉、63角、84玉、85歩(83桂成)以下の余詰防止駒です。
 変化も面白く、良くできた作品だと思います。

選評
 3手目の95角が詰棋慣れしたマニアには却って打ちにくい手なので、2手目に変同があっても、初手を加えた効果が生じている。余詰防止の71香が離れ駒なのと、65銀を67銀にするなどの推敲の余地はあるようだが、何故か新鮮味が感じられる手順である。

作者
 めいと賞の連絡を頂き、びっくりしました(本作は2手目からの変同もあり、初手を削ろうかと最後まで迷っていましたので…)。
 創作に臨んでは常に駒数が少なくて形が良く、ちょっとスパイスの効いたものを…と心掛けておりますが、非才のためか、思うに任せません。この度の受賞は大変励みになります。ありがとうございました。



 惜しくも選には漏れました
 が、完全なら受賞級だったと思われる作品を紹介します。

森長宏明作「トリックスター」「詰棋めいと」第26号 長編の部1

3598

53歩、43玉、32銀右生、34玉、25金、同金、35歩、同金、16角、25桂合、
同角、同金、35歩、同金、23銀生、43玉、52歩成、同玉、63歩成、同歩、
53歩、62玉、82飛成、72歩合、52歩成、同玉、72龍、62角合、53歩、43玉、
44歩、53玉、43歩成、同玉、32銀右生、34玉、26桂、同金、35歩、同角、
23銀生、43玉、63龍、53角、32銀右生、34玉、35歩、同角、23銀生
まで49手詰

 
23銀生、43玉、52歩成、同玉、63歩成、同歩、53歩、62玉、72飛成、62香合、53歩、43玉、25角、同金、44歩、53玉、45桂打、52玉、53歩、51玉、42銀成、同香、同角成、同玉、62龍以下。
 
62香合は、53歩、43玉、44歩、53玉、45桂打、同金、同桂、同金、42銀生、44玉、34金、55玉、33角成、44合、75龍、65合、56歩、同金、44馬まで2手早い。
 
63龍は53香合で逃れ。

 本局は取歩駒発生手筋(62角合)ですが、玉方の桂を品切れにしておかないと、62角合でなく62桂合で逃れるのがミソ(余詰順は、桂合させただけで成立。すぐに取らなくても詰んでしまうのでした)。次に、単に63龍と歩を取らず、35歩、同角と呼んで44地点へ利きを残しておくのが肝要で、これは新鮮。
 趣向的な動きも印象に残る秀作でしたが…。




2015年3月21日 (土)

めいと賞 その6

 第6回受賞作です。

山田修司作「お金ができた」「詰棋めいと」第25号 中編の部10
受賞:銅賞

3846

28歩、同金、38角、同金、同馬、36玉、26金、同玉、37金、25玉、
47馬、36桂、26歩、16玉、28桂、同桂成、25馬
まで17手詰

 
49角は、38金、同馬、36玉、26金、同玉、37金、25玉、58角、36桂合で逃れ。

吉松智明-49角…がかなり際どい。

梅本拓男-38角が地味な手。もちろん 49角との対比が見どころ。

秋元節三-38角が絶妙手であるとは49角と打ってみた者のみが知ること。

 本局は、柏川氏の選評にあるように二上作を念頭に置いていると思われます。
 二上作がと金の移動合であるのに対して山田作は金の移動合。これは似たようでも現実の作図上は大違いです。
 第4回打歩詰大賞「優秀賞」も受賞しています。



編集子-世紀の大著『夢の華』を上梓された作者は、その第百番をブランクにして今後も創作活動を続けることを宣言されたとおり、その後は肩肘はらずに楽しみながら軽作を次々に生み出しておられます。本局もその一つですが、さすがに構想派の泰斗らしく、打歩詰誘致の巧妙な紛れとそれを回避する角短打の絶妙手を主題にした中編傑作です。

選評-離し角を打つとと金を只捨てされて打歩詰になるというのは二上先生のが有名だが、それを強力な金で実現されたのには驚いた。この傑作を見て、新構想のネタはまだまだ掘り尽くされていないという思いを強くさせられた。

作者
 電子メールの連絡があってびっくり。前号で打歩詰の賞を頂きましたし、正直それでは申し訳ない気がしています。
 前号に書いた通り、この作はニフティサーブの同報メール「蜜の味グループ」での話題から生まれた作ですが、出題したとき49角と離して打ち、38金寄、同馬、36玉、26金、同玉、37金、24玉、58角、同と、47馬以下の偽作意にだまされた人がいて、グループ内では大いに盛り上がりました。23銀が浮いた感じなので、もう少し形良くまとめた別案も作りましたが、この紛れが面白くなくなるという理由で、みんな否決。このグループはうるさい人が多く、なかなかウンと言ってくれないので困ります(笑)。ご挨拶代わりの裏話です。
 めいと賞は初受賞。大変ありがとうございました。


高津義則作「詰棋めいと」第25号 中編の部4
受賞:銅賞

3847

22歩成、同玉、33歩成、
同銀、42飛、同銀、24龍、31玉、42歩成、同玉、
44龍、51玉、53龍、52金、62銀、41玉、32角成、同玉、24桂、41玉、
33桂、31玉、21桂成、41玉、31成桂、同玉、33龍、41玉、32龍
まで29手詰

 
33同玉、31飛、23玉、32角成、34玉、33馬、25玉、24馬、同玉、44龍、15玉、35龍以下。
 24玉は、44龍、25玉、14馬以下。

 初手はいただけませんが、
の変化が難物。その後は冴えた捌きの手順になります。

今川健一-33歩成、同玉のところで悩み、何度不詰と思ったことか。難解作。

新田道雄-初手61飛成ばかり考えた。
同玉がよく詰むもの。よく捌けて不動駒一枚の気持よい作品。



選評-論理的な山田作とは対照的に心理的難解作。上部に呼び出すような3手目33歩成と同銀と呼んでから打つ5手目42飛の連続捨駒は解いた人の脳裏に焼き付いて忘れられないことだろう。

作者
 めいと賞、ありがとうございます。簡素な形と難解性を評価して頂いたものと思います。金子恒男さんがご指摘のように初手が不満で、逆算の最終にずいぶん時間を使いましたが、思うような手が作れず、残念に思っております。
 今夏、社会参加をリタイヤ。半世紀に亘る詰将棋との付き合いにも時間を充分に取ることが出来るようになりました。この賞を励みに創作に努めたいと思いますので、皆様のご支援をお願いします。


酒井博久作「詰棋めいと」第25号 長編の部2
受賞:銅賞

3848

22銀、同玉、92飛、21玉、23香生、同金、12金、31玉、34香、33香、
同香生、同金、22金、41玉、44香、43香、同香生、同金、32金、51玉、
54香、53香、同香生、同金、42金、61玉、64香、63香、同香生、同金、
52金、71玉、74香、73香、同香生、同金、62飛成、81玉、82香、92玉、
94香、83玉、93香成、74玉、73龍、同玉、64金、72玉、84桂、71玉、
81香成、同玉、92桂成、72玉、82成香
まで55手詰

 
22同金は、同香成、同玉、25香、24歩合、42飛、23玉、32角成、34玉、43馬、12玉、24香、同金、34金、同金、32飛成、13玉、14歩、同玉、34龍以下。

 横型の夏木立趣向です。香打香合と金のズリ押しで玉を動かしていく機構は今田政一作と同じですがスマートに出来ています。

桑原清作-初手、この一手。後は金の守りを外しては押す。

里見良幸-美しい初形で手順も面白い。終盤も綺麗によく捌けて傑作と思う。

佐藤司-詰パラならデパートに持って来いの作。



選評-こんな単純明快な送り趣向がまだ残っていたとは! しかも92飛の遠打ちに始まる序奏と76桂一枚で仕上げた収束も見事で、手順にマッチした完成品の美しさがある。センスに加えて推敲努力の賜であろう。

作者
 拙作をご選出いただき、ありがとうございました。
 趣向自体は二番煎じながら、全体的な完成度が評価されたものと思っています。収束のまとまりについて言及された方が多かったようですが、私自身としては初手が入ったことにも注目してほしいところでした。2手目同金の変化は気に入っています。
 選考者の柏川氏は、私の尊敬する作家の一人です。その意味でも今回の受賞は励みになりました。

つづく

2015年3月16日 (月)

めいと賞 その5

 第4回(23号)は該当なし。
 第5回受賞作です。

駒場和男作「秘宝」「詰棋めいと」第24号 駒場和男新作五題5
受賞:銅賞

3686

76と引、同銀生、56と、同玉、45龍、66玉、46龍、77玉、76龍、88玉、
87と、同金、79金、99玉、96龍、98歩合、89金、同玉、87龍、79玉、
73龍、同金、78金、69玉、67龍、59玉、68龍、49玉、38銀、39玉、
28馬、同玉、37銀、27玉、28龍、16玉、15と、同玉、26龍、14玉、
13と、同玉、12桂成、同玉、13歩、同銀、11桂成、同玉、21龍、同玉、
31香成、11玉、12歩、同玉、23銀、11玉、21成香、同玉、32馬、11玉、
33馬、21玉、43馬、11玉、44馬、21玉、54馬、11玉、55馬、21玉、
65馬、11玉、66馬、21玉、76馬、11玉、77馬、21玉、87馬、11玉、
88馬、21玉、98馬、11玉、88馬、21玉、87馬、11玉、77馬、21玉、
76馬、11玉、66馬、21玉、65馬、11玉、55馬、21玉、54馬、11玉、
44馬、21玉、43馬、11玉、33馬、21玉、32銀生、12玉、34馬、22玉、
23銀生、21玉、12銀生、32玉、33歩、31玉、41金、同玉、52銀生、31玉、
32歩成、同玉、23銀生、31玉、32歩、21玉、22歩、同銀、12銀生、32玉、
43馬、31玉、21銀成
まで133手詰

 77玉は、97龍、78玉、88金、69玉、99龍、58玉、49金、47玉、57と、同玉、59龍、66玉、76と、同玉、56龍、85玉、63馬、74歩合、86銀以下。

 まず、ここが関門。
 14手目99玉の局面です。

36861

 単に
89金だと一歩不足に陥ります。そこで96龍と回り、98歩合と打たせるのが深謀遠慮。

 次にここ。20手目79玉の局面。

36862_3

 78金以下追っていくと、67手目の54馬を同金と取られてしまうので、73龍、同金と動かしておきます。そのチャンスはここしかありません。

解説(湯村光造)
 最後は伏線構想の大作です。導入部でイ77玉…の変化が一寸厄介ですが、合駒がないので詰みます。後は大作の割には変化は殆どありません。本局の狙いは13手目に79金から96龍と回って98歩合をさせるところ。これをしないで直ちにA89金…と進めると最後に一歩足りなくて詰みません。また、21手目に73龍と捨てるのも、馬鋸の道筋を63金が邪魔してるので予め73金と移動させておく伏線手です。(中略)作者は98歩を隠した"秘宝"と見て、これを取りに行く構想を題名にしたものと思われます。

 作者の『ゆめまぼろし百番』(2006年6月27日刊・毎日コミュニケーションズ)第67番に収録されています。

岩田真紀夫-単純に駒を進めて行くと終盤に馬鋸らしき場面が現れる。そこでハタと馬鋸を成立させるための細工、即ち馬鋸の筋に歩を出現させて、邪魔する63金を移動させるカラクリを発見できた。

松澤成俊-作者の思惑通り(?)、二重の伏線の発見に手古摺った。歩を発生させる伏線の方が発見が難しく、気付いたときは嬉しかった。

今川健一-73龍の伏線は簡単に発見できたが、"秘宝"が見当たらず苦心した。久々に詰将棋の面白さを満喫。傑作です。

選評
 馬鋸の質駒を序盤に発生させておき、通り道の63金を移動させるという二つの伏線を秘めた構想は見事で、手順を見ただけでその面白さが分かる。

作者
 24号では個展を開いて貰った上に、賞まで下さると聞いて恐縮しています。
 馬鋸の質駒を序盤に発生させておく手順を煙詰で試みた人がいたことは知っていましたが、本局はそれを伏線にした本格的な構想作です。オリジナリティのないB型作品(※)なので受賞は恥ずかしいのですが、まずますの仕上がりを認められたものと素直に頂戴します。有難うございました。

B型作品
「趣向・構想作品は大別して次の二つに分けられると思います。
A新プロットを世に問う作品
B既存のプロットをアレンジした作品
仮に前者をA型、後者とB型としよう…」
創棋会 詰将棋作品集『白雨』(1982年2月1日刊・全詰連発行)における山本昭一の自作解説より



 作者の感想にある「馬鋸の質駒を序盤に発生させておく手順を煙詰で試みた人」とは近藤真一氏で、「詰棋めいと」第2号(1985年2月)に発表されていますが、不完全作。その後、「詰研会報」に修正図が出たそうですが、それも不完全とのことです。
 「詰棋めいと」の図と作意を掲げておきます。

「完全犯罪」

0302

98歩、同飛成、同と、同玉、99歩、同玉、59飛成、88玉、85飛、97玉、
99龍、98歩、87飛、同玉、77金、同玉、79龍、87玉、96銀、同玉、
76龍、95玉、94と、同玉、96龍、83玉、85龍、92玉、94龍、82玉、
81桂成、同玉、82歩、同玉、73歩成、同と、同桂成、同玉、63香成、同玉、
54角成、62玉、64龍、71玉、61龍、同玉、51歩成、同玉、41歩成、同玉、
42金、同玉、33と、同玉、45桂、23玉、33桂成、同玉、34歩、23玉、
33歩成、同玉、44馬、23玉、33金、12玉、34馬、11玉、12歩、同馬、
同馬、同玉、23角、21玉、31香成、11玉、21成香、同玉、32角成、11玉、
12歩、同玉、23金、11玉、33馬、21玉、43馬、11玉、44馬、21玉、
54馬、11玉、55馬、21玉、65馬、11玉、66馬、21玉、76馬、11玉、
77馬、21玉、87馬、11玉、88馬、21玉、98馬、11玉、88馬、21玉、
87馬、11玉、77馬、21玉、76馬、11玉、66馬、21玉、65馬、11玉、
55馬、21玉、54馬、11玉、44馬、21玉、43馬、11玉、33馬、21玉、
32金、12玉、24桂、同と、22金、同銀、同馬、同玉、33銀、21玉、
22歩、11玉、12歩、同玉、13香、同玉、24金、12玉、13歩、11玉、
21歩成、同玉、32銀生、11玉、12歩成、同玉、23金、11玉、21銀成、同玉、
32香成、11玉、22金
まで163手詰

 
87玉で不詰。
 
87飛、同玉、77金、同玉、79龍、87玉、53桂成、43金、88銀、96玉、99龍、85玉、84と、75玉、86銀、同玉、97龍、75玉、95龍以下。



斎藤吉雄作「詰棋めいと」第24号 中編の部11
受賞:銅賞

3687

27桂、同と、16香、同玉、17歩、15玉、16歩、同玉、27馬、15玉、
16歩、24玉、34角成、14玉、15歩、同玉、33馬、24桂合、34歩、25歩、
同飛、ハ同玉、17桂、14玉、15歩、同玉、35飛、25歩、同飛、14玉、
15飛、同玉、16歩、14玉、36馬、同桂、15歩
まで37手詰

 
同とは、同飛、同玉、47飛、28玉、27馬、19玉、49飛、29銀合、同飛、同玉、46角成以下。
 
24歩合は、34歩、25桂合、同飛、同玉、17桂、15玉、35飛、14玉、26桂まで27手。

 とりあえず、18歩は消しておく一手。先に24桂合として歩合を温存しておきますが、それでも25飛と切ってからは鮮やかな捌き。
 16歩と据えて15歩と突く動きが2回。最後は突歩詰になります。

 コンパクトな棋形なので細かい手順に終始しますが、間然するところのない引き締まった作品ですね。

佐藤次衛-目まぐるしいまでの駒捌き。紛れに陥ってしまいそうな変化手順の巧妙さにも感心。

新田道雄-詰恋会報の21手詰がこうなるんだから。

選評
 おそらく25歩の捨合入り突き歩詰の収束形からの逆算だと思うが、歩突きの開き王手や二歩消去など、徹底して歩の手筋にこだわりつつ推敲を尽くした感が伺える。

作者
 めいと賞、ありがとうございました。
 歩をテーマにした作品の真打ちは打歩詰ですが、二歩禁・突き歩詰・歩の不成なども組合せや繰返しによってもっと面白い作品が出来ると思います。これらの手順がすべて入った作品というのも楽しそうですね。どなたかチャレンジして下さい。



岡本眞一郎作「詰棋めいと」第24号 長編の部2
受賞:銅賞

3688

21歩成、同玉、22金、同玉、33歩成、同玉、24角、43玉、35桂、54玉、
63銀生、同歩、45銀、同玉、57桂、54玉、56飛、同桂、36馬、45桂、
55金、同玉、33角成、54玉、32馬、55玉、22馬、54玉、21馬、55玉、
11馬、54玉、21馬、55玉、22馬、54玉、32馬、55玉、33馬、54玉、
45馬、同香、66桂、同龍、55歩、同龍、43馬
まで47手詰

 詰上り「モ」の字。55に打つ歩を馬鋸で取りに行くというわけですね。

梅本拓男-11歩が残っておかしいなぁと思ったら、馬鋸が入っていた。これは予想外で嬉しい。

久後生歩-あまり悩まなくてもよい長編もありがたい。

選評
 作者名と配置から炙り出しと分かるだけに11歩を残して追うのはやりにくい。それが馬鋸で取れると気付いたときは誰もが快哉を叫ぶはずで、完璧な手順構成だ。

作者
 イロハ詰四十八文字の炙り出しを創作しようと思ったのは平成6年の秋頃で、中倉姉妹の女流棋士誕生を祝って「アキコ」「ヒロミ」を完成させ、近代将棋に発表してからです。
 このモの字はその頃に得た素材で、序が旨く出来ずそのままになっていましたが、今までと発想を変え、文字の外から玉を呼び込む序にして、初形から馬鋸を連想しにくくしたのが良かったのかも知れません。ありがとうございました。
 イロハ四十八文字は殆ど出来ましたが、発表時の不完全作の修正や見直しをし、もう少し時間をかけて完成させたいと思っています。



本間晨一作「粟津の晴嵐」「詰棋めいと」第24号 長編の部4
受賞:銅賞

3689

73桂成、
同玉、74歩、同玉、65龍、73玉、74歩、84玉、87飛、93玉、
94歩、同玉、97飛、84玉、95龍、74玉、77飛、64玉、75龍、54玉、
53桂成、同玉、54歩、44玉、47飛、54玉、57飛、44玉、55龍、34玉、
33桂成、同玉、34歩、24玉、27飛、13玉、14歩、同玉、17飛、24玉、
15龍、34玉、37飛、44玉、35龍、53玉、54歩、64玉、67飛、73玉、
74歩、84玉、87飛、93玉、94歩、同玉、97飛、84玉、85歩、74玉、
77飛、64玉、65歩、54玉、57飛
まで65手詰

 
73同金は、65龍、84玉、87飛以下作意になり57手。

 一往復余りの飛龍追い。何度も歩を叩くところがアクセントになっています。

今川健一-龍と飛で玉を追いかけるのだが、結構面倒くさい。

金子恒男-玉の逃げ方を間違えそうで、歩の消化よりも神経を使うエネルギーの消化。

選評
 龍と飛による横追い往復趣向はこれまでにもありそうだが、この手順は見た覚えがない。歩の叩きを取ったり躱わしたりする不規則な応手も面白い。

作者
 「近江八景」シリーズの「粟津の晴嵐」は玉の逃げ方に神経を使う軽趣向作品でしたので、解答される方にどう受け止められるか気にかかっていました。結果評によると、桂の成り捨てと歩の叩きという攻方の手の軽さにもかかわらず、玉の不規則な逃げ方に面白さを感じて頂けた方が多かったようで、幸いでした。
 その上に、思いもかけぬ受賞の報に接してビックリしています。解答を寄せられた皆様には感謝の気持ちで一杯です。どうもありがとうございました。
 近江八景シリーズの創作も、残るところ「三井の晩鐘」のみになりましたが、いつの日か完成させたいと思っています。


つづく

2015年3月 8日 (日)

めいと賞 その4

 第3回受賞作です。

駒三十九作「詰棋めいと」第22号 短編の部2
受賞:銅賞
3137

48角、37桂合、同角、16玉、28桂、17玉、46角、18玉、27銀、17玉、
38銀、26玉、27龍、15玉、24角、同馬、16龍まで17手詰

 
37歩合は、同角、16玉、17歩、同玉、48角、18玉、27龍、18玉、37角まで。
 48角は限定で、59角は28玉で逃れ。
 
73角成は18玉、27龍、29玉、16桂、39玉、28馬、48玉で逃れ。
 
27銀、17玉で逃れ。
 
19玉は、36桂、28合、同角、同玉、38龍以下同手数駒余り。

 
駒三十九こと、酒井克彦作。46角が35への脱出を止める限定移動で、銀を繰り替えたうえで、角を再活用。作意で46角、変化で48角と一路ずつ動くのも渋いです。

佐藤善起-歩合変化の方が48角の限定引きが気付きにくく難解。

天津包子-36銀が移動するとは思わなかった。

秋元節三-単純なハズはないと思ったけど、こんなに好手順とは予想外。



駒三十九作「詰棋めいと」第22号 中編の部5

受賞:銅賞
3146

14桂、
同銀、21桂成、同玉、54角、43桂合、同角成、11玉、44馬、33桂合、
同馬、22桂合、同馬、同玉、34桂、21玉、33桂、11玉、23桂、同銀、
21桂成、同玉、23飛成、同金、12銀、31玉、42銀成まで27手詰

14同金は、31角、同玉、21桂成、41玉、31成桂、同玉、33飛成以下。
43歩合は、同角成、11玉、44馬、33合、12歩、同金、同桂成、同玉、22金、同玉、33龍以下。
33合が銀なら、同馬、22歩合、12歩、同金、同桂成、同玉、21銀、同玉、32金以下。
33歩合は、同馬、22歩合、同馬、同玉、34桂、21玉、22歩、31玉、42銀成まで。
22歩合は、同馬、『同玉、34桂、21玉、22歩以下。
23同金は、21桂成、同玉、23飛成以下。

 合駒で得た不自由な桂をやりくりして23龍の収束にもっていく狙い。19手目の23桂のとき、四桂が矩形に並ぶのが印象的です。中合や捨合は作者の十八番でした。
 なお35角は、17手目33桂のところ、32桂成、同玉、42銀成、21玉、31成銀、12玉、24桂以下の余詰防止駒です。
 前局は作者の作品集『からくり箱』(2013年7月1日刊、編集発行・角建逸)第93番、本局は同書第94番に収録されています。

梅本拓男-桂合が粘りのある応手で、四桂で攻めるとは思わなかった。

竹内久祐-桂合ばかりさせ、全部使い切る構想はさすが。

作者
 拙作が二つもお誉めに与かり、恐縮しております。
 短2の方は投稿時にもコメントしたように、簡潔にできたことが何よりで、短評で佐藤善起氏が言っておられましたが、2手目37歩合の変化では48角引とする対比が気に入っています。
 中5は飛車の利きを拒む再度の中合で何とか作品に出来そうと考え、試行錯誤の末本図に落ちつきましたが、収束に若干の不満と余詰消しだけの35角が残念なところです。それでも、こうして受賞させて戴くと嬉しいもので、二作とも思い出の作品となりそうです。
 ありがとうございました。


つづく

2015年3月 7日 (土)

めいと賞 その3

 第2回受賞作です。

河内勲作「大樹」「詰棋めいと」第21号 個展第7番
受賞:銀賞
3295

49飛、58玉、67角、68玉、78金、57玉、58歩、66玉、77金、65玉、
56角、同玉、76飛、65玉、66金、54玉、55金、43玉、35桂、53玉、
43桂成、同成桂、同飛成、同玉、44歩、53玉、45桂、63玉、53桂成、同玉、
73飛成、63歩合、43歩成、同玉、63龍、42玉、33香成、31玉、61龍、41歩合、
32歩、21玉、41龍、12玉、13歩、同玉、11龍、12飛合、同龍、同玉、
13歩、11玉、12飛、21玉、22飛成
まで55手詰

 
68玉は、69銀、57玉、67金、46玉、76飛、45玉、55桂、同玉、66金、64玉、74飛、63玉、71飛成以下。
 
45玉は、35金、54玉、44金上、64玉、69飛、65歩合、同飛、同玉、66金、54玉、55金、63玉、54金上、62玉、53金直以下。
 
42玉は、72飛成、52香合、54桂、41玉、32香成、同玉、52龍、33玉、43歩成以下。

 作者は「盤面曲詰の第一人者」(門脇芳雄)と呼ばれる人。
 盤面曲詰の作図はあぶり出し曲詰の「十倍くらい難しい」(森田銀杏)らしいのですが、門外漢なのでよく分かりません。
 「名局リバイバル」によれば「戦後飛躍的に発展を遂げた『曲詰』の芽生えの年」は昭和26年とのことですが、その頃の主流は盤面曲詰だったそうです。
 せっかく整っている字形(象形)を崩すので、割に合わない気もするのですが。

 さて、これは単発の曲詰ではなく、「萌芽」「双葉」に始まり、「大樹」「巨樹」に至る8局の連作という個展のアイデアが秀逸。本局は作者の初形象形作品集『おくろう記』(2003年10月15日
・全詰連書籍部)第95番に収録されています。

久後生歩-この形で、これだけの手数で、収束まで弛みないことに驚きを覚える。

高木優嘉-序の手順前後は惜しい。

 これは21手目、43桂成のところ43飛成でも良いことを指していますが、「駒取りの際の捨てる順序ですから、全く気になりませんが…」と編集子の言。

作者
 「詰将棋のお手紙ョ」と家内から封筒を渡され、余詰連絡かと思って気落ちしながら封を切りました。ところが何と、21号めいと賞の連絡だったのです。
 「大樹」はツキに恵まれた図です。余詰修正に取り組む気力や命名のアイデアを森田世話人から授かって生まれています。
 息子たちや娘にもタップリ自慢したら、「次はその上が目標だね」と冷やかされました。シリーズ作に解答を寄せられた皆様にも心からお礼を申し上げます。



古関三雄作「詰棋めいと」第21号 短編の部11
受賞:銅賞
3296

66飛、47玉、46飛、同玉、48香、同と、38桂、同と、57銀、同桂成、
35角、36玉、45龍、同桂、25角
まで15手詰

 
同歩成は、35銀打、47玉、65角、36玉、56龍まで13手。

 26銀を外されたらダメということが分かれば案外易しいかも知れません。48香、同とで前方を塞がれた玉方が、38桂にも同とで開け返すあたりが面白いところですね。

広瀬行夫-詰上りが仲々見えず、悩まされた。

平井康雄-収束まで弛みのない手の連続。

佐藤次衛-ややこしい形だが、狙いが明確なので好感が持てる。

作者
 一見して判る逆算ものです。炙り出しと同じで、密度の濃い作品を創ろうと思えばこうなります。96年の彩棋会で山田修司氏に見せたところ、ノートパソコンで大アナ発見。ガッカリして2手短縮かと覚悟したら、目の前で間もなく修正。さすが山修さんです。諸氏の短評も手応え十分でした。
 この入賞を機に、作品はあるのに投稿が大儀だなどというナマクラを解消したいものです。
 写真は運転免許用のもの。実物はもう少し良い?



小沢正夫作「詰棋めいと」第21号 中編の部2 修正図
受賞:銅賞
3297

52歩、同玉、61銀打、53玉、55飛、44玉、15飛、53玉、52銀成、同龍、
55飛、42玉、32金、51玉、52飛成、同玉、51飛、同玉、33角成、52玉、
42馬まで21手詰

 
52同龍は、31飛成、41香合、33角成、42香打、61金、同龍、42馬まで。
 
54合は、同飛、同玉、55金、53玉、75角まで。
 
52同玉は、12飛成、42銀合、同龍、同玉、32飛、53玉、64銀、同玉、62飛成、74玉、75金まで同手数駒余り。

 55飛~15飛~55飛のスイッチバック。15飛は12龍を睨んだ限定移動です。うまく出来ています。

岩田茂-15飛…52銀成は仰天の構想。そこに至るまでの変化も難しく、纏めも鮮やか。

流田義夫-7手目35金…の紛れに入ってしまった。パズル的な所もあり、好作。

 本局は、66角が66馬、73歩無しが発表図で、初手61金、41玉、32銀、52玉、43銀成、同玉、33飛成、52玉、62金、41玉、42歩、同龍、同龍、同玉、43歩、同玉、33飛、42玉、52金、同玉、63銀成、42玉、53成銀以下の余詰を生じました。馬を角に変えたため73歩が必要になったのは残念。

作者
 不完全作での受賞は妙な気持ですが、私にとって本作は、後半の<夢の手順>の部分を何とか実現したいと思っていた作品なので、その夢の部分が柏川さんに評価されたものと感謝しています。
 「森田将棋97」がこの修正図を解くのに614分もかかったのには驚きました。但し、「詰将棋道場」や「脊尾詰」のようなスタイルのソフトでは正解が出ません。これも不思議です。
 今後もコンピュータを活用しながら、創作を続けます。


 余談ですが、私の環境では柿木将棋8で5秒、脊尾詰レベル7で1分(ただし変別)、脊尾弐レベル7で2秒(これも変別)でした。

つづく

2015年3月 5日 (木)

めいと賞 その2

 では第1回受賞作から。

斎藤吉雄作「詰棋めいと」第20号 中編の部3
受賞:銀賞
3170

33馬、24桂合、同馬、同玉、21飛、14玉、26桂、15玉、35飛、16玉、
11飛生、26玉、15飛成、27玉、24龍、26角成、28歩、16玉、15飛、同馬、
27龍まで21手詰

 作者十八番の打歩物。

 初手17飛で何とかなりそうです。16歩合なら33馬、26玉、23飛、36玉、25飛成、45玉、34龍、36玉、25銀、26玉、15馬で詰みますが、
16銀合で25飛成がなくなるので逃れ。35飛は、25歩合、同飛、16玉です。
 やはり33馬から始めて合駒を尋ねるしかありません。
 
24歩合は今度こそ17飛で、なんの合駒でも25飛で簡単。桂合だけが17飛に26玉で16飛と打てないので逃れます。
 
21飛は限定打で、22飛なら13玉です。
 
34玉は、35飛、同玉、25飛成まで。45香はこのための配置です。45歩だと35飛に43玉です。
 
11飛成は、15桂合と捨合を喫して同龍、27玉で打歩詰になります。不成なら26玉と桂を払うしかありません。不成による邪魔駒(桂)消去ということですね。
 
26合と打つのは25龍と15龍の両方に対処できないので、角成は絶対。
 55馬を持駒にできればいいのですが、作意の他に35飛からの余詰があるので、致し方ありません。
 飛躍した手順ではありませんが、まとまりの良い作品だと思います。

竹内久祐-歩詰回避の24龍が一番気付き難く、初手から何度もやり直した。さすが大賞受賞者。

松澤成俊-初手の紛れや歩をむしり取る変化が厳しく、作意も狙いある手順で素晴らしい。

作者
 第一回めいと賞の銀賞に拙作が選ばれたとの連絡を戴いて、大変感激してます。しかも尊敬する柏川氏の推薦と聞いて喜びは倍増です。
 詰棋めいと20号で打歩詰大賞を掲載()し、詰パラの握り詰コンクールで第二位になり、そして今回のめいと賞と、平成8年は忘れられない年になりました。
 これからも解答者の皆さんに楽しんでいただける中編作品を作っていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

)原文のままで、正誤表にも記載はありませんが、「頂戴」の誤植と思われます。



本間晨一作「唐崎の夜雨」「詰棋めいと」第20号 長編の部2
受賞:銅賞
3171

32と、43玉、42桂成、53玉、52金、63玉、62金打、73玉、72金打、83玉、
82と、93玉、92と、83玉、82金、73玉、72金右、63玉、62金右、53玉、
52成桂、43玉、35桂、同銀、45香、44桂合、同香、同銀、35桂、同銀、
42成桂、53玉、45桂、同銀、55香、54桂合、同香、同銀、45桂、同銀、
52金、63玉、55桂、同銀、65香、同銀、62金左、73玉、74歩、同銀、
72金右、63玉、64歩、同銀、62金右、53玉、54歩、同銀、52成桂、43玉、
44歩、同銀、42と、33玉、36飛、同と、34香
まで67手詰

 持駒と香が並んでいる形から、金鎖で玉を移動させつつ香で桂や歩を取るんだなという辺りまではすぐに分かります。
 桂を取っては桂を打ち捨てて銀を動かし飛の横利きを通すのが狙いで、この部分は横型の夏木立趣向です。頭に打つ香は36に落ちているというわけですね。

 
54香合は、同香、同銀、52成桂、43玉、44歩、32玉、34香と打たれて早詰です。

新田道雄-易しいながら楽しい智恵の輪趣向。

平井康雄-往路の手順は二回しか繰返せないのだろうか。四回は無理でも、同一手順はせめて三回は繰返して欲しい。

編集子-36香の質駒でなく、36飛に
)35香合をさせる方法を採れば三回は出来そうですね。

)原文は○囲みの66。66手目であることを示しています。

作者
 平成2年「詰パラ」に発表した「瀬田の唐橋」の結果評で、天工生氏から「これからも近江八景を題材にした好作を」と期待されたのがきっかけで近江八景シリーズの創作を続けてきました。「唐崎の夜雨」は近江八景シリーズの第四作目です。桂打ち桂合の趣向部分が好評で、第一回「めいと賞」銅賞に選んで頂けたことは幸運でした。作品を解いて表を送って下さった方々全員に感謝申し上げます。今回の結果評でも小林徹氏や世話人から過度に期待のお言葉を頂戴しましたが、乏しい創作力で、残る近江四景の創作に励むことになりそうです。



相馬康幸作「詰棋めいと」第20号 長編の部3
受賞:銅賞
3172_2

51金、32玉、31金、42玉、41金右、32玉、31と、22玉、67金、44と、
21と、32玉、33歩、同成香、98馬、54と、31金、42玉、43歩、同成香、
41金右、32玉、31と、22玉、88馬、44と、21と、32玉、33歩、同成香、
87馬、54と、31金、42玉、43歩、同成香、41金右、32玉、31と、22玉、
77馬、44と、21と、32玉、33歩、同成香、76馬、54と、31金、42玉、
43歩、同成香、41金右、32玉、31と、22玉、66馬、44と、21と、32玉、
33歩、同成香、65馬、54と、31金、42玉、43歩、同成香、41金右、32玉、
31と、22玉、21金、12玉、56馬、34桂、同馬、同成香、22金、同玉、
14桂、11玉、12歩、同玉、13歩、11玉、23桂生
まで87手詰

 
42玉は、41金、32玉、31と、22玉で作意より2手早い。
 
33とは、21と、32玉、31金、42玉、33桂成、同成香、43歩、同成香、41金右、32玉、22とまで。
 
43とは、31金、42玉、33桂成、同玉、43馬、24玉、25馬、33玉、43桂成、23玉、22と、13玉、14香、22玉、32金、23玉、33金まで。43成香でなく43との配置だと、手順中の25馬に13玉でも33玉でも詰みません。

 これも馬鋸であることは分かりますが、問題は
どこに金を動かすか。
 ここは65、76、56、75との五択ですが、正解は67金。
 
65金や76金では98馬が王手になりません。
 
56金では56馬と行けません。馬鋸の目的は、この切り替えです。
 
75金では54歩で31金、42玉に97馬が王手になりません。つまり、67金以外は全部金が邪魔になるのです。
 何とも簡単な形で、できるものです。

 ここさえ分かれば、後は難しくありませんが、無駄のない配置で肩の凝らない長篇でした。

高木マサカ-馬鋸自体は単純だが、67金以外の四通りは全て邪魔駒になるあたり、作者の構想力の確かさを感じる。自陣成香の減点材料もあるが、収束の34桂合から23桂の詰上りまで緊張感の持続する内容の濃い長編。

小林徹-イントロが少々不安だが、この作者には意地悪いひっかけはなしと見た。

作者
 例えば「日時計」より「迷路」、「迷路」より「夕凪」を目指しているつもりなのですが、作者の好みと一般の評価は必ずしも一致しないようです。作品集ではそのズレを解消させたいと思っています。
 めいと賞は柏川氏が選考しているとのこと、大作家の好みが垣間見られるようで、興味深いところです。
 ありがとうございました。

↓これまでに何度か書きましたが、下記の動く将棋盤は持駒金金歩11になっています。これは持駒歩10枚のときに生じるバグです。



 作者の感想にある「日時計」「迷路」「夕凪」を掲げておきます。


「日時計」近代将棋1987年9月




「迷路」近代将棋1987年7月



「夕凪」近代将棋1987年8月


つづく

2015年3月 3日 (火)

めいと賞

 「詰棋めいと」は1984年6月創刊、2006年8月の第32号をもって終刊しました。編集人は森田銀杏氏。
 第20号から「めいと賞」が創設され、29号掲載分まで10回にわたって選考されました。発表は20号分は22号というように2号後でした。

 第20号より
  Photo
 このように書かれていますが、第26号に「柏川香悦氏に選考をお願いして決めております」とあります。

 受賞作は次の通りです。

掲載号 発行年月 作者 手数 受賞
20号 1996/05 斎藤吉雄 21 銀賞
本間晨一 67 銅賞
相馬康幸 87 銅賞
21号 1996/10 河内勲 55 銀賞
古関三雄 15 銅賞
小沢正夫 21 銅賞
22号 1997/06 駒三十九 17 銅賞
駒三十九 27 銅賞
23号 1997/11 該当なし
24号 1998/06 駒場和男 133 銅賞
斎藤吉雄 37 銅賞
岡本真一郎 47 銅賞
本間晨一 65 銅賞
25号 1998/12 山田修司 17 銅賞
高津義則 29 銅賞
酒井博久 55 銅賞
26号 1999/07 田島秀男 277 金賞
福田桂士 69 銅賞
谷口均 27 銅賞
高津義則 15 銅賞
27号 2000/02 新ケ江幸弘 101 金賞
新ケ江幸弘 57 銀賞
河内勲 55 銅賞
梅本拓男 21 銅賞
28号 2000/10 中野和夫 71 銀賞
29号 2001/05 田島秀男 569 金賞
大塚播州 137 銀賞
梅本拓男 41 銅賞

 それでは、各受賞作を紹介しましょう、という流れなのですが、煙詰とか曲詰とか、私の手に負えないのがありますので、どうしたものか。
 図面と手順だけにしてお茶を濁しますか。(笑)

つづく

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