カテゴリー「北川邦男好作選」の8件の記事

2014年8月 4日 (月)

北川邦男好作選8

第81番「近代将棋」1969年4月

081

78角、67桂合、同角、66玉、85角、56玉、66飛、同玉、78桂、56玉、
57飛、同玉、58金、56玉、67角
まで15手詰

 
67歩合は、同角、66玉(57玉は、78角、57歩合、同飛寄、56玉、57飛以下)、94角、76玉、77飛、84玉、88飛、94玉、84金まで。
 47玉は、34角、57と、38金、46玉、47歩以下。
 56玉は、57歩、同と、46金まで。
 
57玉は、78角、57歩合、同飛寄、56玉、57飛以下。
 
47玉は、23角成、47と、58桂以下。
 
94角は、56玉、66飛、同玉、78桂、75玉で逃れ。85角なら、74金で詰み。

 角の開き方の問題。玉方の対応によって34に行ったり、94に、78にという変化が見事です。歩合と桂合の違いは、歩合なら85角では67歩合が利いて詰まないが、桂合なら67歩合、同飛上、56玉、68桂、45玉、34金までで詰むことです。従って、歩合の場合は67歩合を同飛寄と取ったあと角を抜かれないように94角と開いておくことになります。この辺り、実にうまくできています。
 なお、『近代将棋図式精選』には塚田賞を受賞した四局の他、第28番と本局が収録されています。


第82番「近代将棋」1969年6月修正図

082

17香、同と、27桂右、同と、19香、同馬、17香、同と、27桂、同と、
16香、26玉、27銀、17玉、18歩、同馬、同銀、同玉、27角、17玉、
18歩、28玉、38金、29玉、39金、同玉、38馬
まで27手詰

 1994年1月、柳原編集長(当時)から一通のハガキが来ました。「単発で何かエッセイでも書いて頂けませんか? 短くても良いです。お待ちしてます」
 すぐに書いて送ったのが北川氏についての雑文で、本局を採り上げました。
 編集長からの返信。「紹介して頂いた一局は発表時不完全ということもあって、さほど有名ではないので、こういう機会に誌上で発表できたことは意義のあることでした」
 書いた甲斐があったというものです。

 二歩禁回避の香先香歩。巧妙な下工作には感心する他ありません。斎藤仁士氏作に迫る傑作。
 16歩は、同玉、27銀、17玉、18歩、28玉で19に潜られて逃れ。
 
27桂右(左)は、16玉で銀が27に出られず逃れ。
 初形で19桂と39桂は邪魔駒で、27とも玉方にすれば初手17香とする防ぎにはなっているものの、その一方で17との形になると退路を塞いでいる邪魔駒です。
 そこで、攻方は玉方17と無しで27桂、16玉の形にならないように17との形にしてから桂を捌く必要があるというわけです。途中、あとで19玉と潜られないように、19馬の形にしておくのが肝要なところ。
 18歩合は、16歩、同玉、27銀、17玉、18銀、28玉、29銀、同桂成、37角以下。
 
16歩は、26玉、27銀、17玉、18香、同馬、同銀、同玉、27角、17玉で18歩が二歩。このように、同じ筋で2回歩を打つためには先に香を打っておくというのが、この手筋の約束事です。
 16同玉は、27銀、17玉、16金、28玉、38馬まで。
 発表図は49飛で、余詰を生じたのが実に残念です。3手目より37馬、26銀合、27桂、25玉、26馬、34玉、35馬、43玉、53金、32玉、34香、33歩合、同香成、同玉、34香、22玉、14桂、23玉、32銀以下。

 この主題もつくりたいと思うのは、これまでの流れからして当然。(笑)

「詰将棋パラダイス」1994年2月

Para91952395

59香、54歩合、45桂、同歩、54香、42玉、52香成、同玉、44桂、53玉、
54香、64玉、65歩、同玉、56馬、同玉、45龍、66玉、75龍、56玉、
57歩、同と、45龍、66玉、77金
まで25手詰

 54歩と打てば、64玉、66香で合駒が稼げるところにちょっとした主張があったのですが、これに触れた短評は皆無でした。(T_T)


第85番「近代将棋」1969年9月

085

25桂、24玉、33飛成、14玉、44龍、24桂合、13桂成、同玉、22角、12玉、
11角成、13玉、24龍、同歩、25桂、同歩、22馬、14玉、15歩、24玉、
33馬、13玉、14歩、同玉、15銀、13玉、22馬
まで27手詰

 本局は、44龍のソッポ行きと12玉が狙いという作者の言があります。
 17桂を持駒にできれば良いのですが、初手から22角、12玉、24桂で潰れます。
 34龍は、同角なら詰みますが24香合で逃れ。
 同香は、15歩、24玉、13角、34玉、33とまで。

 手順中の12玉。角を成らせて打歩詰に誘う意味ですが、不利逃避(森田銀杏氏の評)という感じがしないのは、この手の筋を見過ぎたせいでしょうか。
 『将棋龍光』第24番に「これも不利逃避というのでしょうか」とコメントしたのは、北川作が不利逃避なら当然『龍光』の方もそう呼ぶべきですが、この手筋は玉方の駒をわざと取らせることが必須だと思っているので、疑問符を付けたつもりで書いたのです。
 ともあれ、よくできた作品であることは確かで、やや長めの収束は最近流行らないようですが、私は気になりません。


第90番「近代将棋」1971年12月修正図

090

52飛、32金合、34桂、同飛、23金、31玉、32金、同飛、22角、同飛、
23桂生、同飛、32金
まで13手詰

 32銀合等42に利かない合駒は、14桂で詰み。
 41玉は、51金まで。従って52飛は、限定打。
 これが好作? というなかれ。いかにも新聞向きの作品のようですが、なかなかつくれないものだと思っています。
 発表図は44歩がなく、62飛(以遠打)、32金合、34桂、同飛、44角、33飛、23金、31玉、22金、同角、53角成、41玉、32飛成、同玉、42飛、33玉、44飛成以下の余詰がありました。
 『渓流』では玉方43歩を追加していますが、それでも62飛、32金合、14桂、31玉、41金、同玉、63角、31玉、61飛成以下の余詰が生じています。44歩で修正できていると思います。
 22角と打つ感触が良いですね。


第100番「近代将棋」1980年7月

100

17飛、同玉、29桂、16玉、43馬、34歩合、同馬、25桂合(途中図)、17歩、26玉、
27飛、同玉、37馬、同桂成、16馬
まで15手詰

途中図

100_2

 38玉は、37飛寄、49玉、39飛打、58玉、68馬、同玉、77馬以下。
 25桂合は、17飛、26玉、44馬以下。香を取らせないために、いったん歩合。

 北川氏、最後の発表作です。
 吉田健氏「敢えて<飛先飛歩>だなどといわないところが、いかにもこの技巧派の大家らしい」
 森田銀杏氏「むしろいうなら<歩先飛歩>というべきか。飛車の不利先打に飽いたマニアにとってはかえって新鮮に見える」
 湯村光造氏「歩詰手筋総まくり」より
 「確かに途中図で歩を先に打ちますが、飛を先に打って打歩詰となる27歩とは打場所が異なるので、筆者の定義による打歩詰回避の作品ではありません」
 湯村氏の説が正鵠を得ていると思いますが、打歩物かどうかに関わらず、好作だと思います。

 後半はかなりはしょった印象を持たれたかもしれませんが、1970年代に入ってからの作品には、どうも冴えを欠いた作品が多く見受けられるような気がしてなりません。(終)

2014年8月 1日 (金)

北川邦男好作選7

第69番「近代将棋」1968年4月

069

16香、15歩合、同香、23玉、13香成、同玉、14歩、12玉、31と、52龍、
13銀、23玉、24銀成、22玉、13角、12玉、23成銀、同玉、24角成、22玉、
13馬
まで21手詰

 初手は16以遠ならどこに打っても可。
 
23玉は、14銀、24玉、13角まで。
 
67角は、56歩合で打歩詰。
 
23玉は、67角、56歩合、同角、同龍で24歩が打歩詰になりません。以下、12玉、31と、22馬、23銀で詰みます。
 中合で歩を得てから香を捨てて歩に打ち直す、香歩不利交換です。
 発表図は52龍であったため、初手から24角、23玉、33角成、同馬、同と、同玉、34香、44玉、33角、35玉、55龍、45歩合、36飛、25玉、45龍以下の余詰発生。52飛なら手順中の34香を23玉と躱して詰みません。
 なお、12香は、初手22角、同馬、14香、23玉、22と、同銀、12角までの余詰防止駒です。

 香歩不利交換といえば、次の作品を思い出しますね。
『将棋図巧』第78番

078

48桂、同と、59香、58歩合、同香、同と、48桂、同と、57歩、65玉、
35飛、同香、66馬、同玉、67金、65玉、66歩、55玉、75飛、同馬、
56金
まで21手詰

 桂2枚の犠打の間に香を歩に交換し、打歩詰を回避する傑作です。

 また本局を一歩進めて、玉方香先香歩から香歩不利交換に持ち込んだ作例もあります。
小迫清美氏作「将棋ジャーナル」1986年3月

Journal0803

15銀、13玉、23飛成、同玉、56馬、45香打、同馬、同香、26香、25歩合、
同香、13玉、23香成、同玉、24歩、13玉、12と、同金、14歩、22玉、
21桂成
まで21手詰


第70番「近代将棋」1968年5月

070

 「二枚の香がよく守りに働いているのに注意して下さい。まず初手37桂と空き王手すれば18玉で途端に打歩詰。しからばと37馬、同馬、同桂は18玉なら29角で詰みますが、実は29角合という受けの妙手が用意されていて以下同飛、18玉でどうしても詰みません。
 そこで正解は、初手より28銀、18玉、19銀、同玉、37馬、同馬、17桂(取れる馬を取らずに逆に跳ねるという絶妙手!)、18玉、19歩、同馬、同飛、同玉、73角、18玉、28角成まで15手詰。
 取れる駒をわざわざ取らずに残しておいてその駒を打歩詰打開に逆利用するというのは、極めて作例の少ない珍しい手筋です。」

 上記解説は、1983年12月4日付「京都民報」に掲載された若島正氏の『余詰余話』第36回"打歩詰その6"より。
 太字の部分は原文では傍点付きです。
 なお、初手から37桂、18玉、38飛は、28歩合で逃れます。
 塚田賞受賞作。
 この意味付けは柏川悦夫氏作に先例はありましたが、棋形もまとまった見事な作品です。


第73番「近代将棋」1968年8月修正図

073

35銀、17玉、18金、16玉、27金、同龍、同角成、同玉、26飛、17玉、
18歩、同玉、19歩、17玉、37飛
まで15手詰

 15玉は、26金、同龍、同銀、14玉、12飛、13合、15歩、24玉、25歩、23玉、45角成迄。
 同玉は、36角成、16玉、17歩、同玉、18飛迄。
 36角成は、15玉、26銀、同龍、同馬、同玉、36飛打、25玉、26金、14玉、19飛、23玉、24歩、22玉、13飛成、21玉で不詰。
 23飛は、24(25)歩で、同飛成なら26歩、同龍、18玉で、又、同飛生なら17玉、18歩、16玉、36飛、15玉で、それぞれ不詰。

 「近将8月号の貴作を拝見、仰天しました。あの『近駒』(仮称)の原理は、十年ほど前に湯村光造氏から角で表現する原型を示され、『作ってみませんか?』ということで、それが"独楽のうた"№33であるのはご承知かもしれません。飛でも表現し得ることは当時も気が付いてはいたものの、差し当たり適当な表現方法に思い及ばなかったのと、また一つは、どうせ誰もやりゃしめェからボツボツ・・・・・・なんて、意欲の欠如があったらしい。それにしても簡潔な表現で構想を図化した腕には敬服します。(北原義治氏からの私信を引用)」
 「本局の意味は右の引用でほとんど理解されるでしょう。一見何の変哲もない26飛の奥に、巧妙な逃れ手が隠されているのです。華麗な捨駒は一つもないし、一般受けはしないかもしれませんが、これはこれで"構想派"と呼ばれる私の作品に、充分なりえていると自負しています。」

 『三百人一局集』より。北川氏が自薦された作品で、変化、紛れの記述も氏によるものです。
 不思議に思うのは、飛車による打診中合回避の近打は既に第53番にあるのに、北原氏は本局が最初の作例だと思いこんでいたフシが見られることです。


第79番「近代将棋」1969年4月

079

12香、21玉、22香、同玉、34桂、同飛、23歩、12玉、24桂、同飛、
21角、11玉、12歩、21玉、31飛成、同玉、22金
まで17手詰

 複数の香による香先香歩です。
 
12歩は、21玉、22香、同玉、34桂、同飛、23香、12玉、24桂、同飛、21角、11玉で12歩が打歩詰。
 
22玉は、11角、21玉、31飛以下。
 
22歩は、同玉以下、作意の手順をなぞって23香と打つことになり打歩詰。

 玉方15香は変長をなくすために置いた駒だと思われますが、それでも
12玉、24桂、22玉、44角、33金合でどうしても作意より2手長くなってしまうのが残念です。

 これもつくってみたいと思った主題の一つです。2枚ではなく、4枚の香を先打ちできないかと思っていました。

七條兼三氏作「詰将棋パラダイス」1978年9月

Para76803284

92飛、63玉、64香、53玉、54香、43玉、44香、33玉、34香、23玉、
24歩、12玉、22銀成、13玉、14歩、22玉、32香成、同馬、34桂、33玉、
32飛成、同玉、42香成、同金、同桂成、同玉、53角、32玉、33歩、同玉、
44角成、32玉、33金、41玉、51香成、同玉、61香成、同玉、62銀、72玉、
64桂、81玉、54馬、91玉、82歩成、同玉、73銀成、91玉、81馬、同玉、
72桂成、91玉、82成銀
まで53手詰

 先行作があってガッカリ。この図には3手目より
64歩、53玉、54香、43玉、44香、33玉、34香、23玉、22銀成、同玉、
32香成、同馬、23歩、13玉、14歩、23玉、24香、33玉、32飛成、同玉、
43角、33玉、34角成、32玉、43馬、41玉、61馬、31玉、22銀、32玉、
43香成、41玉、51香成
まで35手詰
の余詰があります。その後修正されたかどうかは分かりません。


「近代将棋」2004年7月

0005kaneko20

25桂、14玉、15香、同と、13桂成、同玉、14香、同と、25桂、同と、
14香、23玉、15桂、同と、24香、同玉、36桂、14玉、15銀、23玉、
24歩、22玉、32と、13玉、23歩成、同金、14歩、12玉、24桂、同金、
13歩成、同玉、24銀、同玉、33馬、25玉、26金打、14玉、15金、13玉、
22馬
まで41手詰

 打った香を取る術がなくて残るのではなく、すべて捨駒であること、狭い範囲で密度濃く打ち捨てることを念頭につくったものです。

2014年7月31日 (木)

北川邦男好作選6

第57番「近代将棋」1966年7月

057

52飛、22歩合、同飛、同玉、23歩、12玉、52飛、42飛合、同飛、同角、
32飛、23玉、42飛成、34玉、23馬、同玉、12角、14玉、15歩、24玉、
22龍
まで21手詰

 塚田賞受賞作です。
 不利合駒(先打)の魅力に目覚めた作品。(笑)
 『近代将棋図式精選』には、打歩詰関係の不利合駒(先打)は本局の他、山田修司氏作(飛先飛香)、北原義治氏作(玉方香先香歩)、田島暁雄氏作(玉方飛先飛香)・(玉方銀先銀歩+玉方金先金歩)、近藤孝氏作(玉方飛先飛香)と、これだけあります。このうち、短手数でスッキリしていたのがこの作品でした。
 
32飛は、23玉で逃れ。22飛、同玉、24飛は、23歩合、同飛成、11玉で打歩詰。
 
11玉は、31飛、21銀合、同飛、同玉、32銀、11玉、22歩成、同玉、31馬、12玉、21馬まで17手。
 
42香合は、同飛、同角、22歩成、同玉、24香、11玉(23歩合は同香成、11玉、12歩と打てる)、12歩、同玉、23馬、21玉、22馬まで2手早い。
 収束は打歩打開の流れにはなりませんが、これはこれでまとまっていると思います。

 もう一局。
「詰研会報」1978年5月『渓流』拾遺篇第47番

047

16香、同玉、28桂、15玉、51馬、24飛合、同馬、同歩、17飛、16歩合、
同飛、25玉、15飛、同玉、16歩、25玉、24飛、同玉、23桂成、25玉、
26歩、同玉、36馬
まで23手詰

 飛歩不利交換が入って、こちらの方が打歩物らしいつくり方ではあります。

 この主題でつくりたい! というわけで、悪戦苦闘してできたのが次の図です。原図は1987年にはできていましたが、最終的に序奏を2手加えました。
「詰将棋パラダイス」1989年3月

Para86902657

36飛、同玉、37銀打、同桂成、63角、26玉、35銀、同玉、45角成、26玉、
53角、44飛合、同角、同歩、29飛、28香合、同飛、同成桂、27香、16玉、
17歩、同玉、35馬、16玉、26馬
まで25手詰


第59番「近代将棋」1966年8月

059


22桂成、同歩、21銀、同玉、32香成、同玉、31桂成、23玉、45馬、14玉、
34飛、24角合、同飛、13玉、12馬、同玉、14飛、13角合、21角、23玉、
32角成、12玉、13飛、同玉、24角、12玉、21馬、23玉、33角成、同玉、
32馬
まで31手詰

 北川氏の最長手数作。
 
14飛は13桂合で逃れ。
 
同玉は、32飛、23玉、24銀打から12飛成。
 
12玉は、45馬、23桂合、同馬、同歩、24桂、同歩、22飛以下。
 
31同玉は、51飛、32玉、41飛成、33玉、44龍、23玉、45馬、32玉、24桂、31玉、33龍、41玉、63馬以下25手。
 
13玉は、24銀、14玉、33銀生、13玉、24銀成、12玉、32龍以下。
 
13桂合は、21角、23玉、24飛以下。ホ13銀合は、21角、23玉、32角成、12玉、13飛、同玉、14銀、12玉、21馬まで27手。
 筋がつかみにくい作品。
 24角合、13角合あたりが主張といえば主張でしょうが、鮮やかな収束から駒を極力増やさないようにして逆算したのかもしれません。


第60番「詰将棋パラダイス」1967年1月

060

22角成、同玉、32飛、13玉、35角成、24角合、14歩、同玉、12飛生、13角、
24馬、同歩、15歩、23玉、32飛成
まで15手詰

 
32飛は、13玉、35角、14玉で打歩詰。手順中、35角が35馬なら、14玉に、12飛生、13合、24馬で詰みます。
 
24桂合は、14歩、同玉、12飛成、13合、24馬、同歩、26桂まで。
 この収束は皆さんご存じの通り。

若島正氏作「近代将棋」1986年3月

070

55飛生、14玉、23龍、同玉、53飛生、14玉、15歩、同玉、48馬、37歩合、
同馬、25玉、26歩、14玉、36馬、25角合、15歩、同玉、13飛生、14角、
25馬、同歩、16歩、24玉、33飛成
まで25手詰


第65番「将棋世界」1967年7月

065

23飛生、34玉、53飛成、24玉、15角、14玉、23角生、15玉、16歩、24玉、
14角成、同玉、23龍
まで13手詰

 第一回詰将棋コンクール首位作。
 53飛を龍にするために不成で動いて、龍に成って戻る。「成るため不成」です。
 
23飛成は、15玉、13龍、14歩合で打歩詰。
 
15角は、14玉、23角生、15玉、16歩、24玉、14角成、34玉で逃れ。このために53飛を龍に変えておきます。
 
14玉は、15歩、同玉、13飛生、14銀合、16歩、24玉、23角成、同銀、同飛成まで11手。
 
15玉は、16歩、14玉、13飛以下。

 この意味付けは初出なのかどうか分かりませんが、残念ながら余詰がありました。
 
23と、14玉、13と、同桂、15歩、24玉、23飛生、34玉(15玉は24角、同龍、16歩、14玉、24飛成、同玉、34飛まで)、23角成、15玉、33角、24桂合、同馬、同龍、16歩、14玉、26桂、同歩、24角成、同玉、23飛、35玉、26飛成、34玉、35歩、同と、23龍上、45玉、43龍右まで。
 これは、私の頼りない記憶では安武さんと田利さんの指摘ではなかったかと。そして修正図もホームページに掲げられていて保存していましたが、その後パソコンがクラッシュして思い出せません。下記の図とは違っていたかもしれませんが、一応直しました。

0651

 ところで、この主題も大変魅力的に思えましたので、後日つくりました。
「近代将棋」1986年4月修正図

86990092

42飛、34玉、43飛成、35玉、32龍、44玉、42龍、34玉、43角生、44玉、
21角成、34玉、43龍、35玉、32龍、33馬、同龍、34桂合、24龍、同龍、
36歩、44玉、53角、33玉、32馬
まで25手詰

 もう一局。
「詰将棋パラダイス」1989年1月

Para86902500_2

43金、同玉、42と、54玉、53金、同玉、33飛生、44玉、43飛生、34玉、
13飛成、44玉、43角成、55玉、33馬、54玉、55馬、同玉、56歩、54玉、
43龍
まで21手詰

 33飛の位置が悪いので、馬の動ける余地をつくるために不成で位置を変更するという意味付けです。

2014年7月30日 (水)

北川邦男好作選5

第41番「詰将棋パラダイス」1961年11月

041

19銀、17玉、18銀、同玉、19飛、28玉、38金、同と、18飛、同玉、
38龍、28銀合、29金、17玉、37龍、同角成、18歩、27玉、19桂、同銀、
39桂
まで21手詰

 半期賞受賞作です。
 
19飛は、28玉、38金、同と、18飛、同玉、38龍、28角合、29金、17玉、37龍、同角左成で逃れ。
 
28角合は、19歩、同玉、29金まで。
 上記のとおり、17歩をあらかじめ消去しておけば、
28角合に19歩が打てるというわけで、意味付けが変化に隠してあるのは奥ゆかしいですね。


第47番「詰将棋パラダイス」1963年6月

047_2

38金、同銀成、26金、同玉、28飛、同成銀、27金、同玉、16馬、同飛、
37金
まで11手詰

 
26金は、同飛・同銀・同桂のいずれも詰みますが、同玉、28飛、同銀生で逃れ。
 そこで、先に38金と打って銀を成銀にしておけば詰むというわけ。
 49とは、初手から26金打、同桂、同玉、16金、27玉、39桂とする余詰防止駒です。同桂のところ同飛なら45馬、36合、38金、同銀成、26金、同桂、28金、同成銀、37飛まで。


第53番「詰将棋パラダイス」1966年5月修正図

0531

17飛、
同桂生、15飛、26玉、27歩、同玉、39桂、同成銀、28歩、26玉、
16飛、同玉、25馬
まで13手詰

 
17同桂成は、13飛、27玉、28銀、同玉、39桂、同成桂、18銀、26玉、15飛成、同玉、25馬まで。
 
13飛は、14歩合、同飛成、15歩合、同龍、27玉、39桂、同成銀、28歩が打歩詰。
 
14同飛生、26玉、24飛(27歩は35玉)、16玉で逃れ。

 打診中合を回避する飛車の近打が主題の作品。
 この手筋は次の作品がオリジナルといわれています。

北原義治作「近代将棋」1959年6月

028

28桂、同歩生、54角、35玉、34銀右成、26玉、
35角、16玉、26金、17玉、
16金、同玉、17歩、25玉、37桂、同飛成、26歩、同龍、24成銀、35玉、
34銀成
まで21手詰

原理図

Photo

35角、16玉、28桂、同香成、17歩、25玉、24と
まで7手詰

 湯村光造氏「歩詰手筋総まくり」より
 「原理図は筆者が昭和33年頃に考えたもので、北原義治氏に見せて作図を勧めたところ、すぐに創られた」
 
「53角と打つと44歩と打診中合をされ、同角成なら35歩、同馬、16玉で以下打歩詰局面となります。また44歩を同角生なら16玉で詰まないのは原理図と同じです。そこで、本手順は35角と『近駒』を打ち、以下17歩が打てるので、詰筋に入ります」

 北川作は28成銀が残念ですが、発表図は28金で余詰があった(3手目13飛として、14歩合、同飛成、15歩合、同龍、27玉、17龍、同玉、28銀、同玉、29金以下)ため、修正されたものです。

 このテーマでつくった拙作です。原図は1988年にはできていましたが...。

「詰将棋パラダイス」1993年3月

Para91951708

26香、35玉、57角、26玉、17銀、同玉、35角、26飛合、同角、同玉、
25飛、16玉、17歩、同銀成、28桂、同成銀、17歩、同玉、29桂、同成銀、
18歩、16玉、15飛、26玉、16飛、同玉、25馬
まで27手詰


第55番「近代将棋」1966年6月

055

15飛、13角合、同飛成、同玉、14香、23玉、45角、34銀合、同角左、同香、
13香成、同玉、14銀、12玉、34角、23合、13香
まで17手詰

 
15香は、13角合、同香成、同玉、14飛、23玉、45角、34香打で逃れ。
 
23玉は、14角、34玉、36香、35飛合、同香、同桂、同飛、同玉、36飛まで。従って初手15飛は限定打。

 この図及び関連図についても、既にこの辺りで触れていますので、ご覧下さい。
 打歩詰に関係のない飛先飛香。玉方に香を渡すと香合で逃れるので、飛を渡して香を温存するというしくみです。

2014年7月29日 (火)

北川邦男好作選4

第27番「将棋世界」1961年3月

027

34金、同馬、16桂、同馬、35金、14玉、25銀、同馬、34龍、同馬、
26桂
まで11手詰

 翻弄物が好きになるきっかけとなった作品です。(笑)
 16桂は、14玉で逃れ。このために、まず質駒をつくっておきます。
 35金と打った後は、今度は26銀を消して34馬の形にすれば良いというわけで、玉方馬の動きが印象に残ります。狙いは26への馬の利き外しです。

 翻弄物はいくつかつくりましたが、気に入っているのはコレです。

「詰将棋パラダイス」2005年5月

Para0105kaneko36

38香、同馬、46金、同と、48桂、同馬、39香、同馬、47銀打、同と、
38香、同馬、48桂、同と、37香、同玉、73角、36玉、46角成
まで19手詰


第28番「近代将棋」1961年3月

028

38銀、58玉、67龍、59玉、56龍、57金合、67歩、69玉、87馬引、58玉、
59馬、同玉、57龍、同香成、69金
まで15手詰

 39玉は、47銀、49玉、38龍、59玉、67歩、69玉、68馬まで。
 29玉は、38龍、19玉、55馬まで。
 59玉は、67歩、69玉、68馬まで。

 3手目、67龍はダンゴ状態になるので一見冴えない手ですが、56龍のソッポ行きに57金合が出現して景色が変わります。これは疑似中合。
 同香は67歩以下。
 
57銀合は、67歩、69玉、87馬引、79玉、78馬まで。
 
58金合も67歩以下、同じ手順で詰みます。
 
58飛合は、67歩、69玉、58龍、同香成、89飛、79合、87馬引まで2手早い。
 要するにここは最長手順探しですが、68と47に利く駒を合駒しなければならないというわけで金合が正解。うまく割り切れたものですね。


第33番「詰将棋パラダイス」1961年4月

033

67龍、47桂成、18歩、26玉、48角、37桂合、38桂、同成桂、37角、同成桂、
38桂、同成桂、27馬
まで13手詰

 これもソッポ行きです。
 どうやって打歩を打開するかという局面ですが、
57龍や47龍は同飛成で近づいてくるので続きません。
 ところが67龍なら、同飛成に18歩、26玉、48角と打てます。同飛成のところ、同桂でも同じです。48角と打たせないためには?
 
37合なら18歩、26玉に48角とは打てませんが、17角で詰み。
 
47歩合は、18歩、26玉、48角で取れば27馬、37合なら38桂まで。
 
銀合は、作意と同様の手順でも詰みますが、同龍、同飛成、18銀、26玉、48角で簡単。
 結局どうやっても48角と打たれるのですが、龍に取られても良く、しかも37に利かせるために安上がりの桂の移動合となります。
 
59角も可。ここはちょっと残念ですが、一枚置いて限定してもなあという気持ちでしょうか。
 
37歩合は、38桂以下、27歩と打てるので同手数駒余りになります。
 玉方28歩は玉の退路を限定すると同時に初手39角以下の余詰防止駒になっており、また35とも初手26角の余詰防止とともに詰上りの退路をなくしているなど、全く無駄のない配置です。

 本局の47成桂の動きが楽しいので、後日つくってみました。

「詰将棋パラダイス」2002年7月

Para01051842

32銀成、同玉、14角、23桂合、24桂、同龍、23角成、同龍、24桂、同龍、
44桂、31玉、32銀、22玉、14桂、同龍、31銀生、同玉、33龍
まで19手詰


第34番「詰将棋パラダイス」1961年5月

034

49角、38角合、17歩、26玉、27歩、同角成、同銀、17玉、28角、同玉、
38龍、17玉、18銀、同金、27龍
まで15手詰

 
17歩は、26玉、15銀、同玉、33角、24歩合、同角成、同と、16香、26玉で打歩詰。
 
26玉は、27銀、17玉、18歩、同金、同銀、同玉、38龍、28合、29金、17玉、28龍まで。作意38角合はこの手順中の38龍をなくすための犠打です。
 
38歩合は、27銀、17玉、18歩、同金、同銀、38龍以下。
 
38銀合は、同角、26玉、27銀打まで。
 この図を今回並べていて、あれっ? となりました。
 38角がなければ、17歩、26玉、27歩で打歩詰。38角があるので27歩が打歩にならない。取歩駒発生ではないでしょうか。

 有名な相馬慎一氏作を見てみましょう。

「詰将棋パラダイス」1992年2月

Para91950913

37角、26角合、46角、14玉、15歩、同角、25銀
まで7手詰

 2手目角合するのは、角筋を消しておいて同飛、14玉、25銀、15玉を打歩詰にするため。26桂合ではそこで27桂と打たれて詰みます。
 つまり、相馬氏作は取ると打歩詰になるようにできています。
 これに対して、北川作は取ると龍引きができなくなって詰みませんが、打歩詰にはなりません。27歩と打てば打歩詰ですが。
 取られた際の意味付けの点で純正とは言い難い点があるものの、取歩駒が発生したことには違いないと思いますが、如何?


第38番「詰将棋パラダイス」1961年7月

038

77馬、69玉、58銀、同玉、67銀、同桂生、59歩、同桂成、67馬、69玉、
68馬、同玉、67龍
まで13手詰

 本局は変わった味わいのある作品。
 
69歩は、59玉で逃れ。
 
59歩や59銀は、49玉で逃れ。67銀は一見筋が悪そうで、打ちにくい。これは質駒をつくる意味です。
 
69玉でも49玉でも、59馬、同玉、57龍、49玉、58龍まで。
 
67同桂成は、59歩、49玉、67馬、59玉、57龍、69玉、68馬まで同手数駒余り。
 収束も鮮やかなものです。

2014年7月27日 (日)

北川邦男好作選3

第21番「詰将棋パラダイス」1960年12月

021

54飛成、44銀合、35歩、同玉、65龍、同銀、25飛、34玉、35歩、同銀、
23飛成、同金、25銀
まで13手詰

 表紙コンクール首位作。
 森田正司氏が1959年9月の「詰将棋パラダイス」に発表した新手筋を銀合で実現した作品です。


第23番「詰将棋パラダイス」1961年1月

023

32銀生、51玉、54龍、53角、52角成、同玉、63龍、51玉、43桂
まで9手詰

 半期賞受賞作です。
 初手不成で動くのが良い。取れば23角成、31玉、43桂まで。
 躱す一手の51玉に、54龍のソッポ行き。邪魔駒消去です。取れば63桂から詰みますが、ここで53角の移動合が妙防です。これは退路を開ける意味ですね。55飛のヒモが付いているので同龍と取ると詰みません。疑似移動中合と呼ぶらしい。
 最後は角を捨てて63龍と入ったとき、初手が不成でなければならない意味が判明。
 うまくまとまっています。

 疑似移動中合で思い出すのは、やはり次の作品です。
若島正氏作「将棋世界」1982年5月

81990359

11金、同玉、23金、13馬、33馬、21玉、22馬、同馬、33桂、同馬、
12金
まで11手詰


第24番「詰将棋パラダイス」1961年1月

024

18香、同玉、19銀、27玉、28香、17玉、47飛、37歩合、同飛、同馬、
16馬、同玉、17歩、同玉、18香
まで15手詰

 短香二発。
 
19香は、28玉、29銀、19玉、38銀、28玉で逃れ。
 
28玉は、19銀、38玉、48馬、27玉、29飛まで。この19銀を打つための短香です。
 
27玉は、16馬、28玉、19銀、37玉、38香まで。
 29香は、17玉、47飛、37桂合(27桂合も可)で逃れ。
 
37桂合は、同飛、同馬、29桂まで。28香と打っておけば、29桂と打つ余地があるので詰むというわけです。
 わずかな駒で、よくこれだけの内容が盛り込めたものです。


第25番「近代将棋」1961年1月

025

29香、28歩合、同香、27角生、35馬、16玉、36飛、同角成、15と、同玉、
14飛、同馬、16歩、同玉、26馬
まで15手詰

 北川氏の代表作の一つ。塚田賞受賞作です。
 古今の短篇中でも上位にランクされる傑作ではないでしょうか。

 初手はいろいろありそうですが、38飛が浮いているので35馬や24飛ではうまくいきません。
 仕方なく
28香と打ってみると、26合には35馬、27歩合には35馬、16玉、36飛まで。かといって、27銀合では35馬、16玉、36飛、同銀成、15と、同玉、25馬まで。27金合は、35馬、16玉、26合、同馬、同金、同飛、17玉、16金までです。
 36に利かせる合駒は、もう移動中合27角(成っても成らなくても良い)しかありません。
 同香と取るのは、38飛をめがけて遁走されます。また、24飛は、16玉、15と、17玉、27飛、18玉で逃れ。
 そこで、やはり35馬になりますが、16玉、36飛、同馬(または同角成)、15と、同玉、14飛、同馬(失敗図)で逃れ。36が馬なので、25にも14にも利きができるために詰まないのです。

失敗図

20140727

 そこで「相当難解な手」(北川氏)29香に思いが至ります。
 
同角成は、35馬、16玉、36飛、27玉、24飛、18玉、16飛まで。
 
同とは、24飛、16玉、18飛、17合、27角まで。
 さきほどの
28香では27角成として逃れましたので、今回も27角成としてみます。以下、24飛、16玉、15と、同玉、14飛、25玉、27香、26合、24馬まで。28香と違う点は、38飛の横利きが18まで通っているかいないかです。
 ということは、いったん中合して27角という対応が考えられます。28歩合、同香、27角成ではどうか。35馬、16玉、17歩、同馬、25馬まで。これで27角成でなく27角不成でなければならないことが分かりました。
 『近代将棋図式精選』で森田銀杏氏は「短篇では初めての<成らず移動中合>」と評しています。
 中長篇では作例があったとはいえ、この手数で、簡潔な構図でしかも収束まで文句の付けようがない仕上がり具合には感服の他ありません。
 この時期の北川氏は冴え渡っている感じがします。

2014年7月22日 (火)

北川邦男好作選2

 1959年からの三年間の北川氏の活躍はめざましく、『渓流』によればこの間に73局(1960年の一年だけで31局!)もの発表作があります。生涯の発表作150局の半数近くがこの時期に集中していることになります。

第5番「近代将棋」1959年7月
005

15飛、同玉、33角、25玉、17桂、16玉、15角成、同飛、26金、17玉、
15金、18玉、17馬、同玉、16飛
まで15手詰

 塚田賞受賞作です。
 
42以遠に打つと、17同飛成と取られたときに35馬、同玉、36金、44玉で詰まなくなります。つまり、33角は44に利かせる意味があります。
 15同玉なら、26銀、16玉、25銀、15玉、16金まで2手早い。
同桂は、25金、16玉、26馬まで、これも2手早くなります。
 この作品の15金をソッポ行きという人もあるようですが、ここで36金とする手はあり得ず、飛車を取る一手なので、それは違うと思うのですが。


第9番「近代将棋」1960年3月
009

43角、17玉、16金、18玉、17金、同玉、16角成、同玉、18香、同と、
27金、15玉、25龍
まで13手詰

 盤面18桂が邪魔駒で、これがなければ初手18香で詰みます。いかにも邪魔駒然としているところが弱いですが、これだけ簡潔にできれば言うことなしですね。


第10番「詰将棋パラダイス」1960年3月
010

19銀、同馬、39銀、29玉、38銀左、同金、28銀、49金、19龍、38玉、
47角、同玉、49龍右、同桂成、37金
まで15手詰

 初手は質駒をつくっておく意味。38同銀は、同玉で持駒金だけでは詰みません。玉の退路を塞いでいる金を取らずに19馬に当てて28銀とするのがうまい。
 
49金以外では19龍引や19龍寄で詰むので分かりやすい移動合ですね。以下、退路に先着の47角も入って、冴えた作品になったと思います。

 この図を見て、すぐ思い出すのが次の作品です。

若島正氏作、原図は「枻 将棋讃歌」1982年5月、『華麗な詰将棋』1993年6月改作図
009_2

49銀、59玉、48銀右、同龍、58銀、39龍、同龍、58玉、57飛、同と、
69馬
まで11手詰

 銀捨てに対して取る駒の選択の余地があること、移動合でなく移動中合なのが大きな違いですが、手順の流れは似ていますね。


第17番「将棋世界」1960年8月
017_2

49金、29玉、39金、同玉、59飛、49角合、同飛、38玉、29角、同と、
39飛、同玉、49金
まで13手詰

 作者得意の捨合です。
 39金は、同玉、59飛、49角合で29桂がいるために詰みません。つまり
49金は邪魔駒消去です。
 
49飛金合は、同飛、38玉、39飛金、同と、28飛金まで2手早い。49銀合は、同飛、38玉、39銀、29玉、28銀上、18玉、19飛まで同手数駒余り。
 最下段は打てる合駒の種類が限られてくる(飛角金銀合しかできない)ので、合駒物はつくり易いのかもしれません。


第18番「詰将棋パラダイス」1960年11月
018
33角、同飛、31角、同玉、42銀、22玉、33銀生、13玉、15飛、同と、
23歩成、同玉、24金
まで13手詰

 単に31角と打てる形なのに、33角でわざわざ同飛と呼んで守備力を強めたように見えたのちに31角と打つのが実に味が良い。柏川流を思わせる手順です。銀不成も入って秀作だと思います。
 ただし、この図は一枚減らせます。作意不変。
 発表図から、54桂、44歩をなくして、攻方53銀と置く図も可能です。

0182

2014年7月20日 (日)

北川邦男好作選

Photo_3

 北川邦男氏は、1940年生まれ。1981年、40歳の若さでお亡くなりになりました。
 作品集『渓流』を入手したのは、1984年6月でした。確か「近代将棋」で森田銀杏さんが告知していたのを見て、申し込んだ記憶があります。まだ誰とも交流がなく「詰将棋パラダイス」は謎の雑誌で、購読していませんでした。
 このときまでに持っていた詰棋書は『恋唄』と『近代将棋図式精選』だけです。
 『渓流』を読んだ第一印象は、あれ?手筋物が多いな、でした。
 『近代将棋図式精選』に掲載された北川作を見ていたので、全篇これ構想物、と期待していたのです。この当時は手筋物に興味がなく、とにかく構想物をつくりたいと思っていました。

 『渓流』に挟み込まれていた紙片の左下は、この年の朝日新聞の7月6日付の夕刊の記事を貼り付けたものです。
Photo_2

 全部並べて「珠玉篇」の100局を当時、私なりに理解したのが下記の表です。

2

 「捨駒」とか「合駒」とか素っ気ないのは、たぶん当時の私にはあまり印象に残らなかった作品です。(笑)

 今、改めて並べてみて、北川氏はやはり大した作家だったと思います。
 氏の作品には大きな影響を受けました。主題をいただいたものも多数あります。そんなことも交えて紹介していきたいと思います。
 紹介は基本的に『渓流』掲載順にいきます。では、北川邦男好作選、はじまり~。

第4番(←『渓流』の作品番号)「近代将棋」1959年3月

004_2

46角、35角合、同角、23玉、13角成、同玉、14歩、23玉、34角、同歩、
35桂、同歩、24銀、同玉、35飛成、23玉、24歩、14玉、15龍
まで19手詰

 単に23玉なら24銀、34玉、35金まで。この35金をさせないためには35に捨合して、35角の形にしておく必要があります。35桂合は、同角ならうまいのですが、24銀、同玉、35金、14玉、24金まで。この24銀を取れる合駒でなくてはなりません。かといって、35銀合では同角、23玉、13角成、同香、24歩、12玉、23銀、同金、同歩成、同玉、21飛成、22合、24金まで15手で詰みます。
 これが角合なら、13角成を同香でなく、同玉と取れるというわけです。
 46角と打つとどうなるでしょうか。やはり35角合で同じ手順を繰り返すことになります。ただし、今回は55角が動いたのではなく打った角ですから、同一の手順ではなく単なる無駄な繰り返しとは言えないような気もしますが。
 本局の見所はむしろ34角、35桂の部分で、伊野辺看斎の退路塞ぎを思い出しました。
 ところで、43飛は玉方43香でも変わりませんね。後年の北川氏なら香にしたと思います。

 本局の主題をいただいた拙作。
「京都民報」1985年12月、15手詰

12_2

 角合ではありませんが、狙いは同じです。詰上り、重複感が・・・。(>_<)

----- とまあ、こんな調子でのんびりいきます -----

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