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2017年8月11日 (金)

大井美好好作集

 プチ懸賞出題中です。8月20日まで受付。


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 大井美好は1922年生まれ、1985年没。千葉県の人。
 戦前から1980年代初めまで活躍した。


1.1944/12 将棋世界

1085

41飛、52玉、61角、53玉、43角成、64玉、65馬、73玉、74歩、82玉、
73歩成、同玉、83馬、64玉、65馬、73玉、74香、82玉、72香成、同金、
84香、73玉、83香成、同金、同馬、同玉、81飛成、73玉、74金、同玉、
84龍
まで31手詰

 小技も入れた趣向的な馬の動き。収束もあっさり決まっている。
 作者は戦前、将棋世界のみに10局発表している。ここにも一局置いている。



2.1951/01 旧パラ(修正図)

198102ooi


43銀、31玉、21飛、同玉、32角、22玉、23歩、同飛、同角成、同玉、
24歩、22玉、52飛、13玉、23歩成、同玉、32銀生、22玉、41銀生、23玉、
32銀生、22玉、43銀生、23玉、34銀成、同歩、24歩、33玉、53飛成、43角合、
23歩成、同玉、43龍、33金、35桂、同歩、45角、22玉、33龍、同玉、
34銀、42玉、52香成、同玉、63角成、42玉、33金、51玉、52馬、同玉、
43銀成、51玉、42金
まで53手詰

同玉は54角、42玉、32飛、53玉、63香成、44玉、42飛成以下。

43歩合は45桂、32玉、23歩成、31玉、42龍、同玉、33桂成、41玉、32と迄

33飛合は35桂、同歩、45角、22玉、33龍、同玉、34銀、32玉、33飛以下。33他合は41角以下容易。

22玉は33龍、同玉、43金、22玉、23桂成、同玉、41角以下。

☆私は形と手順と詰上りの三拍子そろった均衡のある作品が好きで、完璧な一局を創りたいと希っているが、この悲願はいまだに達成できないでいる。日暮れて道遠しの感が深い。
 本作はバランス感覚は充分と思うが持駒の多いことがやや難点であろうか。
 まず初手43銀と橋頭堡を築き、飛角を犠牲に52飛と打ち据えるまでが序奏である。ついで銀不成の往復により桂を補充し、切れ味のいい角合金合の応酬から35桂45角の攻めが胸のすくような中盤の見せ場となる。以下は大駒を捌いて漣の如き寄せが終束のリズム感を盛上げてくれる。
(『三百人一局集』1981年2月 全日本詰将棋連盟)より
---

 作者じしんによる解説。52香成は53香成でも良いのが気になるところではある。
 この作品には目に見える歴史がある。

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長篇詰将棋解剖 -読者投稿作品-
前名人 塚田正夫

 詰将棋も手数が30手以上となると長篇の部類に属し、強い読者でも仲々おいそれとは詰まないのではないでしょうか。その上、読者の中には弱い方(別の言い方をすれば詰将棋を解くに未熟練な方)もおられますので、懸賞問題には不向な読者投稿の長篇物を選び、誌上解剖をする事に致します。
 第一図は千葉県の大井美好氏力作で、この方の指将棋の棋力は知りませんが、詰物にかけては各誌に傑作の発表があり、御存知の方も多かろうと思います。

(第一図)
50690192

 図を御覧になって直ぐ眼につく手は32銀打と23桂ですが、何れも22玉と上られて見込がありません。32歩打から始めるよりないようです。玉方、22玉と逃げると、23歩、同玉(21玉、31歩成、同玉、32銀打)35桂、22玉、23歩、13玉、24銀打までの早詰となりますから21玉と避けます。
 攻方は、次に22歩、同玉と呼び出せれば前述の手段で詰みますが、22同銀があって不成功は明かですから13桂と打って同飛と取らせる手の発見は容易でしょう。
 玉方、13同飛はこの一手。13同香なら31歩成、同玉、32銀打、22玉、23歩、12玉、24桂まで、22玉ならもちろん、23歩の早詰です。
 さて13に飛を引かせてみると、31歩成、同玉と捨てて、32銀打、22玉、23歩、同飛、同銀成、同玉と飛を取ってから35桂と掛ける構想は雑作ないと思います。この桂打で24飛は13玉で打歩詰の禁手に逃れられます。(A図)
 かくして玉方が、玉方22玉と落ちた時に、23飛、又は23歩と頭から攻めたい所ですが、前者は31玉で矢張打歩詰の局面となりますし、後者でも21玉で22飛と追求しても同銀、同歩成、同玉、23銀、11玉で駒が足りません。横から飛を打って行くよりありません。それもどの筋でもよいというのではなく52飛が最善なのです。

A図
50690192_2

 何故52でなければならないか。──その意味は解説が進むに従って判ります。玉方、13玉で打歩詰の局面になりましたが、これは打開可能です。
 打開の一法。攻め駒を減らす。
 それが23桂成、同玉、32銀不成で玉方、次に13玉では14歩、22玉、41銀不成で簡単なので22玉と下ります。
 以下、41銀不成、23玉(13玉は14歩、23玉、32飛成)は何の奇もありませんが、32銀不成、22玉、43銀不成、23玉、34銀成、同歩、24歩と打って行くのがおもしろい手です。銀の不成のさばきで41桂を消去し持駒としたのです。34銀成捨は35桂、13玉、14歩の打歩詰をきらう手筋です。これが、41桂の存在する儘ですと24歩、33玉で詰みません。
 さて、本詰手順の24歩に玉方13玉では53飛成、22玉、23歩成、21玉、33桂、31玉、51龍までですから33玉の一手で、攻方は53飛成と押える事ができました。15手の52飛打の時、その一箇所だと申しましたが、ここに至って成程とおわかりでしょう。
 ひとつ左にずれて62飛であったとすると、33玉、63飛成、44玉と脱出されますし、もちろん42飛は問題ではありません。
 では、これまでの玉方の応手に、攻方の52飛を移動させる手段がなかったかどうか調べる必要がありそうです。すなわち52飛の時、何か中合をする手はなかったか-です。しかしそれは無効です。
 52飛、42歩合なら、同飛成、13玉、23桂成、同玉、32銀不成、22玉、41銀不成、23玉、24歩、13玉、33龍までの容易な詰が生ずるからです。
 が、まだ、これでも十分な検討とは申せません。21手目、41銀不成の場合、32桂合があります。(変化第1図)

変化第1図
50690192_3

 攻方、32同飛成なら13玉、33龍、23歩合で打歩詰に逃れようというコンタンです。
 32桂合は次の順で詰みます。
 34桂、23玉、32飛成、13玉、22龍(好手)同銀、14歩、23玉、15桂まで。
 又、34桂、同歩ならば32飛不成、13玉、14歩、23玉、15桂まで。22龍は打歩詰の局面に生ずる捨駒、32飛不成はナラズの手筋として御記憶下さい。桂でなく他の合駒の場合は一層簡単ですからお調べ下さい。
 以上のように攻方の52飛を他の筋へ移動させる順はないのでした。──で、本文にもどり、31手の53飛成までは双方当然の応しゅうだったのです。玉方は43に合駒をする一手となっています。
 仮に飛、(金、銀)の合だと、23歩成、同玉、43龍、33合、24飛、(金、銀)で俗詰ですし、桂、香、歩の合は、一旦45桂と打ち、32玉、23歩成、31玉、(21玉、は51龍、31合、33桂不成)42龍、同玉、33桂成までで何れも早詰となりますから43角合が最善となります。(B図)

B図
50690192_4

 角合をされると45桂の筋では不詰は明白で、23歩成、同玉、43龍は当然です。又しても玉方は合駒をする一手となっております。
 22玉なら、33角、21玉、41龍、31合、11角成、同玉、31龍、21合、22銀の俗詰があるので…。合駒をするにしましても角、銀、桂、香、のように後に利かないものでは41角で容易ですから、飛金が有力です。
 まず、33飛合を調べてみましょう。(変化第2図)

変化第2図
50690192_5

 平凡に41角では22玉で詰みませんが一旦35桂、同歩としてから41角、22玉、33龍、同玉、34飛で詰みます。33金合が最善となります。今度は質駒が金なので、35桂、同歩(22玉なら、33龍、同玉、43金、22玉、23桂成、同玉、41角でよい)45角が好手順です。直かに34角は22玉で不詰です。
 それならば45角の時、角を近づける意味で、34に何かを合駒する手はないかとも考えられますが、結局、本詰手順の33龍、同玉、34銀がありますからその合駒だけ余る事になります。
 以下は33龍、同玉、34銀、42玉に53香成、同玉(31玉は42金、21玉、54角、22玉、32角成、13玉、23馬まで)と捨てて手順に63角成を得て42玉、33金、51玉、52馬すてであざやかな収束となりました。51玉の処、31玉なら53馬、21玉、43馬で容易な追手詰です。
 本局は52飛打から銀のさばきで41桂を消去し、53飛成を得る所が最大の眼目で、この間、玉方は打歩詰の禁とか合駒の綾で逃れようとする葛藤がおもしろく、形にも美的感覚があり好局と思う。原図では盤上の駒が十枚詰上りは七枚それにも拘らず五十余手の構想を盛り込んだ大井氏の並々ならぬ手腕に敬意を表します。難点をあげつらえば持駒の多数でしょうが、それがこの作の価値を低めているとは思えない。

 大井氏作正解手順
32歩、21玉、13桂、同飛、31歩成、同玉、32銀打、22玉、23歩、同飛、
同銀成、同玉、35桂、22玉、52飛、13玉、23桂成、同玉、32銀生、22玉、
41銀生、23玉、32銀生、22玉、43銀生、23玉、34銀成、同歩、24歩、33玉、
53飛成、43角、23歩成、同玉、43龍、33金、35桂、同歩、45角、22玉、
33龍、同玉、34銀、42玉、53香成、同玉、63角成、42玉、33金、51玉、
52馬、同玉、43銀成、51玉、42金
まで55手詰

(「近代将棋」1951年1月号より)
※漢数字はおおむね半角数字に変えた。以下同じ。
---

詰将棋パラダイス 1951年1月号 「百人一局集」第93番

Para1321

---

偽筆を賞める塚田さん
草柳俊一郎(横浜)

 私の田舎には山陽の軸物と元信の虫食い絵がある。
 昔親父が大金を投じて仕入れたもので、東京から京都くんだり迄箱書きに持ち廻った。鑑定人は判このよしあしから紙の質、墨の種類、作品目録、日記に至る迄調べた揚句、結局偽物だと宣告した。当時の金で数万円を損したと親父はボヤいていた。
 話はかわるが、詰将棋の天才塚田さんが「近代将棋」誌の新年号にわざわざ四頁を使って一つの作品を賞めている。
 それは本誌にも顔の見えている大井美好氏の作品で、55手詰の左図である。


50690192

 所がこれが真赤な偽物作品なんだから愉快だ。
 と云うのはこの作品はもともと大井氏が本誌の百人一局集に応募し、我々の所へ検討に廻って来て不完全作品と断定され、以後数回の修正によって完成図となったのが「百人一局集」の第93番の53手詰である。
 そんな事とは露知らぬ塚田さんは、この偽物を近代将棋四頁も使って激賞したわけだ。
 即ち作意の10手目A図に於て

A図

Photo

34桂、同歩、23銀成、同玉、24歩、33玉、34銀上、24玉、25飛、14玉、23飛成、15玉、25龍迄
33玉を22玉ならば
52飛、13玉、23歩成、同玉、34銀成、13玉、24成銀迄
の早詰である。
 それから又作意14手目B図に於て

B図
2

52飛打とあるがここは
24飛、31玉、23桂生、22玉、11桂成以下俗詰である。
 判この肉を調べたり紙の質やら墨の種類を虫眼鏡で覗いたりせずとも分る早詰である。四頁の原稿をタラタラ書いていたら、途中でお茶を呑み乍らでも出て来る筈の早詰筋である。
 天才塚田さんはこの偽物を掴まされたお蔭で、今のお金で20万円がとこは損した勘定になるだろう。
 掲載図の作意手順は完全図たる百人一局集の方を参考にされればよろしいから省略しておく。
(「詰将棋パラダイス」1951年3月号より)

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「百人一局集について」編集部
第93番 大井美好氏作
本作は問題の一局。近将新年号で本作の原図(不完全)を塚田前名人が激賞し、それを反駁して本誌三月号つれづれ草に草柳氏が一文を草された処、本図でもやはり不完全であった。作者よりも鄭重な断り状が来て居りますが、作者の意見によれば本作は玉を31に置き、持駒の銀を削り43に置き、攻方56香を55に直して完全
との申越です。本作に関しては本改図を以て一応問題の終止符を打ちます。御了承下さい。
(「詰将棋パラダイス」1951年7月号より)


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私のベストテン 大井美好

Para61652009

☆本局は検討批評などを、往年の草柳俊一郎氏に随分と御厄介になった思出深き一局である。草柳氏は知る人ぞ知るで、詰棋の鑑賞評論にかけては一流の見識を持たれ且ロマンチストであった。浪漫派の黒川一郎氏も草柳氏のよきアドヴァイスに恵まれたはずである。
発表図には早詰があり、玉方65と(
)を追加した。持駒が多いのは難だが、全局に均衡があり詰棋の近代性を一歩推進し得たものと信じている。
(「詰将棋パラダイス」1963年8月号より)


65とがないと、43銀不成のところ、43銀成、23玉、33成銀、同玉、34歩、44玉、55飛成、43玉、53龍、32玉、24桂、21玉、23龍以下の余詰。
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名局リバイバル 山田修司
第22番  千葉県 大井美好氏作



Para61652009

 盤上一かたまりの僅かな駒の配置から、合駒を交えて延々数拾合、驚くほどの長手順が展開される。近代に至って開発された詰棋の新しいジャンルの一つであるが、大井美好氏はこの型の作品のパイオニアとして夙に有名である。
 最近ではこの型の作品も珍らしくなくなったせいか、単に手数が長いだけでは物足りないといわれる様になったが、この作は、気の利いた序盤から、中盤の華やかな銀の回転をクライマックスに、43角合(B図)以下やや難解な後半部も52馬の好手を交えて、鮮やかに収束している。

B図

Photo_2

 手順、構図を通じ、全局に見せる均衡は、大井氏快心のものというべく、詰棋の近代性を一歩前進させた佳作であると思う。
(「近代将棋」1966年9月号より)

---
 近代将棋に投稿したが、手数が長かったため懸賞作品にならず、塚田前名人が解説。同じ図を詰パラ付録「百人一局集」に応募したが不完全で、修正し掲載されたが依然余詰。1951年7月号での作者修正意見は完全。1963年8月号の詰パラ「私のベストテン」で再度43銀から始める完全作となる。その図が1966年9月号近代将棋の「名局リバイバル」に紹介される。「三百人一局集」で香とと金の位置を変える。
 という流れなのである。作者にとって、非常に愛着のあった図に違いない。


3.1951/08 旧パラ

Para1753_2

21銀、同玉、11金、同玉、13香、12桂合、23桂、21玉、31桂成、11玉、
12香成、同玉、21銀、23玉、32飛成、13玉、22龍、同玉、32成桂、23玉、
45角、34角合、35桂、13玉、12銀成、同角、同角成、同玉、34角、11玉、
22成桂、同玉、23桂成、31玉、41香成、同玉、52角成、31玉、53馬、42金合、
34香、21玉、54馬、43歩合、同馬、11玉、33馬、同金、12歩、21玉、
22歩、31玉、33香生、42玉、32香成、43玉、33成香、44玉、45金、53玉、
54金
まで61手詰

34歩合は、35桂、13玉、12銀成、同玉、34角、11玉、22成桂、同玉、23桂成、31玉、41香成、同玉、52銀成、31玉、32歩、21玉、22歩、11玉、12成桂まで41手。

高橋守氏
大井氏独特の軽快な駒捌きで好感の持てる作品。

選者
 如何にも大井氏らしいユニークな作品である。近代型図式なので駒配りや詰上りの型に繊細な神経が行渡っている。15枚(
)の駒で61手詰は捌きを主眼とした為であるが盤面の四分の一画より玉が逸脱する事なく、誠に鮮やかである、それで単なる追詰ではない。軽妙手の連続で特に傑出した手はないが、手順はリズミカルで且つ調和が取れて居る。好作品である。
 21手目45角に対して多数の解答者が34歩合とした為に41手詰となり一驚を喫した。恐らく余駒なく如何にも本手順に見えた為ではあるまいか。亦59手詰で詰めた方が三氏あったが惜しい事である。
(「詰将棋パラダイス」1951年10月結果稿より)

)16枚が正しい。

 選者は土屋健。
 銀金を捨てた後は細かい手順になる。34角合や42金合から43歩合など、最善を尽くして手順を紡いでいく。これが大井流である。



4.1955/04 詰将棋パラダイス

Para54600717

21銀生、同玉、22香、12玉、23角成、同金、24桂、22玉、31角、21玉、
32桂成、同玉、42歩成、21玉、32と、同玉、33銀生、同金、43金、同玉、
53角成、32玉、31馬、23玉、13馬、32玉、31馬、23玉、24歩、同金、
32馬、12玉、13歩、同玉、25桂、12玉、22馬、同玉、33飛成、21玉、
24龍、22角、同龍、同玉、44角、31玉、22金、41玉、33桂生、42玉、
53香成、51玉、61歩成、同玉、62成香
まで55手詰


33銀成は、21玉で逃れ。

 金を質駒にしておいて、53角成~31馬~13馬~31馬の手順が分かりやすくて楽しい。33飛成から24龍で終わりかと思ったら、22角合でさらに手数が延びる。



5.1963/11 詰将棋パラダイス

Para61652221

83歩成、同玉、73飛、同玉、84銀、72玉、73香、同桂、83銀成、同歩、
84桂、同歩、82飛、71玉、81飛成、同玉、83香、72玉、82香成
まで19手詰

73同桂は、84飛から82飛成。

 3手目、73飛が洒落た手で84銀とワクをつくることができる。
 93歩は気が利かない駒だが、84桂に71玉の変化を81飛、同玉、92歩成で詰ます意味。



6.1965/03 詰将棋パラダイス

Para61653368

33銀、同桂、32金、12玉、23銀、同龍、22金、同龍、34馬、23龍、
24桂、22玉、21と、同玉、32銀、同龍、同桂成、同玉、44桂、31玉、
32飛、21玉、12飛成、同香、43馬、11玉、33馬、22金、23桂、21玉、
32桂成、同金、11馬
まで33手詰

21玉は、23飛、22歩香合(22角銀桂合は43馬、12玉、22飛成、同玉、32馬、12玉で取った駒を打って29手)、32成桂、同玉、33飛成、41玉、53桂、51玉、61馬まで29手。

 32金が重くて打ちにくい。22金と活用して龍を引っ張り込み、34馬のあたりでは終局近しの感があるが、そこからさらに粘る。12飛成とこちらも活用して例の収束。この型は飛合も可なので、現在なら気になる人があるかも知れない。



7.1973/11 詰将棋パラダイス

Para71753133

24銀生、12玉、13銀生、21玉、11飛、同玉、23桂、同歩、33角成、21玉、
11馬、32玉、43歩成、41玉、32と、同玉、24桂、同歩、33歩、23玉、
12馬、33玉、25桂、32玉、22銀成、同銀、33歩、31玉、23桂、同銀、
41香成、同玉、23馬、51玉、42銀、同玉、32歩成、43玉、33馬、54玉、
55馬、43玉、33と
まで43手詰

11同玉は、12歩、21玉、33桂、32玉、43歩成まで。

 23から25にかけて桂を打ち、また23へ。銀不成も伏線として利いており、作法通り消える。
 65歩が何のためにあるのかと思ったら、53桂、同歩、42歩、51玉、52歩、同馬、同と、同玉、41角、51玉、43桂、62玉、63角成、71玉、83桂、82玉、73馬、92玉、91桂成、93玉、66馬の余詰防止なのだった。
 これは秀作。



8.1975/09 詰将棋パラダイス

Para71755113

57桂、同と、34角、55玉、56香、44玉、64飛、同角、45歩、同金、
43角成、35玉、44馬、25玉、26金、同と左、34馬、15玉、14銀成、同玉、
24馬
まで21手詰

55玉は、65飛、54玉、63角、43玉、54金、33玉、35飛、23玉、24香以下15手。

45歩は、同金、53角成、同玉で逃れ。64飛は5筋を素通しにする意味。

 34角から始めると同金、57桂、55玉で詰まない。
 53角成から44馬が鋭い追い込みで、以下収束まで引き締まった作品。



9.1978/03 近代将棋

Kinsho70852157

31角、22歩合、同角成、同玉、23銀、同玉、34銀、13玉、31角、22歩合、
同角成、同玉、23歩、12玉、22歩成、同玉、23銀打、13玉、14歩、同飛、
12銀成、同玉、23金
まで23手詰

31同飛は、22角、同玉(12玉も、23銀)、23銀、同玉、34銀、24玉、25金、13玉、24銀以下。

 取るに取れない31角と22歩合のリフレインが明快。収束まで無駄がない。



10.1981/07 詰将棋パラダイス

Para81850647

64銀、同桂、62銀、82玉、72龍、93玉、84金、同玉、75金、93玉、
85桂、同香、84金、同玉、73龍
まで15手詰

 一手の切れ味に物をいわせたり、畳み込む作風ではないので短篇向きではない。かといって長篇は、一部の作品を覗き、
構成が単調で物足りない。
 合駒で手順を紡ぐタイプの中篇が本来の作風なのだろう。
 本局は短篇らしさが見えるが、この作者には少ない
例なのである。

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