« 「詰棋界」 その62 | トップページ | 「借り猫かも」の概要 »

2017年8月30日 (水)

「詰棋界」 その63

 プチ懸賞出題中です。9月10日(日)まで。

 通巻第23号のつづきです。全体のページ構成はこちら

---
新春 短篇競作会

※短篇の部に22局、曲詰の部に10局。
年齢、趣味、職業が記載してある。
結果稿を所持していないので、それぞれの作品がどういう評価だったのかは分からない。

⑥平松繁治作

1117

34歩、22玉、24香、23歩合、同香生、12玉、21角生、23玉、24歩、22玉、
32桂成
まで11手詰

 平松がこの時23歳だったことを知る。
 この図は平松繁治好作集で紹介したのだが、短篇競作会の上位作品だったのではないかと思う。



⑦柏川悦夫作(北海道)

1118

34桂、同銀、43角成、62角、33桂成、12玉、24桂、同歩、34馬、同飛、
23銀、21玉、22銀成
まで13手詰


山田修司
目の前にブラ下ってる餌の様な43銀ですがあわててパクつくと36飛が利いてきて詰みません。
一旦34桂と犠打を放ち同銀とさせたあとに43角成とは思わず吹き出したくなる様な珍な狙いで、柏川氏の面目躍如です。ここで手の難易を云々する人は詰将棋の面白さを理解できない不幸な人でしょうね。ついで24桂、同歩、34馬で結局の所、銀を取ってしまうのですがしてやったりとばかり23銀、21玉、32成桂とするとまたまた飛が利いています。一呼吸ためて32銀不成が正着という訳。
初形玉方の飛角が重いな、と感じますが手順を追うにつれて捌けてくるので文句がいえなくなります。

『駒と人生』(1963年12月 全日本詰将棋連盟事業部)

 これは上掲書にある解説で、『詰将棋半世紀』の解説とほんの少し違う。
 「詰棋界」の11香を銀に変え、2手延ばしたのが『駒と人生』第56番である。


⑧脇田博史作

1119

44桂、同馬、31金、同玉、22飛成、同玉、23銀、11玉、22銀打、同角、
12銀成、同玉、24桂、11玉、23桂生
まで15手詰


 馬の利きを外しておいて、31金から22飛成が豪快。
 63歩は、3手目、23飛成、41玉、42金、同角、同歩成、同玉、64角以下の余詰防止駒。


⑩植田尚宏作

1121

11歩成、同玉、12銀、同玉、24桂、22玉、12飛、21玉、33桂、同金、
11飛成、同玉、33馬、同角、12金
まで15手詰


 12玉の形になれば簡単だが、拠点のように見えるので捨てにくい。

 完全なら、と思う作が二三あったが、余詰では仕方がない。

---
ベテラン閑談
駒形駒之介

 あけましておめでとう。
 この次に「昨年中はいろいろと…なんてせりふが大概つくようだが、形式ばったことは嫌いなので、おめでとうだけで済ませておくことにして。
 パラ誌の新年号に「消えた詰棋人よ。再びゴジラの如くよみがえれ」という文が載っていた。なるほどな、ゴジラの如くか。こいつはおもしろい。一つ、往年の情熱を燃やして昭和三十年こそは新進の連中を蹴散らしてくれん。そうだそうだ。
 新進の方々、御油断めさるな。



 近代将棋が創刊の頃より二年位、梶八段のベテラン閑談が連載された。掲載されなくなって、読者からこれほど惜しまれた原稿はなかったが、この迷文もそれにあやかりたきものと、同じ題にした。詰将棋では、そろそろベテランの部類に入ってきたので。
 さて、本物の(梶八段の)ベテ閑のうちで最も面白かったのはどれか、と近将社内で話題になったことがある。それは23年12月号の梶さんが北楯八段に手もなく負かされたときのこと。岳父土居八段が観戦にやってきたので、こう早く負けたのでは体裁が悪いと相手の北楯八段に頼んで駒を並べ、中盤あたりで考えこんでるふりをしたという所だった-と、永井社長の曰く。



 これもベテランの一人、金田秀信さんは昨年11月、◯◯嬢という花の如き女性と新家庭を持った。
 彼氏、逢うたびに「美人だろう」と自慢するのでカナワン。



 第22号の詰将棋病院で、院長の野口博士は完成図とした乙図が、余病を併発したのを知らなかった。終りから三手目に34飛打の詰手があるのだ。治療はかんたんで、玉方42桂でも置けばよい。
 さすが腹黒の野口博士。前の方でチャンとソソッカシイと書いてあるので誤診のおわびはしなかった。



 兵庫県の小西稔氏死す。21歳創作力あふれた最盛期だけに惜しまれる。
 詰将棋作家は早死が多い。気をつけようぜお互いに。



 そういえば、この原稿は風邪をひいて床の中で書いている。病が重くなって「コレマデ」となったら遺稿になっちゃうぞ。クワバラ



 「ベテラン閑談」は三-四回書く予定。
 悪評噴々(ママ)か、又は他にトテモ書きたいものがあった場合を除き。

---
編集雑記

 本号は特大号で出す予定でしたが原稿の集りが悪く28頁で一応校了としました。
 次号で未発表の解答を集録する予定です。
 ▼お送金について▲最近普通郵便で御送金なったものが事故をおこしておりますから安全な郵便振替を御利用下さい。

 おめでた

 棋友金田秀信君が結婚したそうである。善哉。
 彼のアドレスは目下の所東京都……

 金(かね)ちゃん(彼の愛称)は映画が好きだ。駒形君も又兄たりがたく弟たりがたいというくらいであるが、彼のはチョットやソットの映画好きではない。見たい西部劇が遠方でやっていればわざわざ汽車に乗っても(これは大ゲサだが近将の永井主幹の表現である)観に行くくらいの熱心さである。
 お影(ママ)で私などは映画を観ずして西部劇通になってしまうのである。
 オヤオヤ金田君のオメデタの話しがとんだ脱線をしてしまった。
 誰です、「お前の方がオメデタイ」などという人は
 S

---
 ここで創刊号(1951年4月)の内容を紹介しておく。

1頁 詰将棋クラブ発足に当り 土屋健
    伊豆見聞録 清水生(※土屋健訪問記)
    編集記

2頁 Aクラス、Bクラス、Cクラス

3頁 当然の誤解 金田秀信(※自作解説)
    ジュニア・ツメショウギ学園(1)(出題)村山隆治

4頁 番付戦(1)選 清水孝晏
    会員の声
    詰将棋の作り方(1)清水孝晏

 番付戦は錚々たる顔ぶれだった。
湯村光造
奥薗幸雄
清水孝晏
野口益雄
金田秀信
土屋健
山田修司


奥薗幸雄作

0026

23角成、11玉、22馬、同玉、23歩生、11玉、12歩、同玉、13歩、同玉、
14歩、12玉、22歩成、同玉、13歩成、同桂、23桂成、21玉、22歩、11玉、
31龍
まで21手詰



山田修司作

0031

97金、同玉、86銀打、同金、89桂、同と左、96金、同金、86銀、同金、
同龍、88玉、66角成、79玉、77龍、69玉、78角、59玉、68龍、同玉、
69金
まで21手詰


「詰棋界」おわり

« 「詰棋界」 その62 | トップページ | 「借り猫かも」の概要 »

「詰棋界」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1793064/71550305

この記事へのトラックバック一覧です: 「詰棋界」 その63:

« 「詰棋界」 その62 | トップページ | 「借り猫かも」の概要 »

サイト内全文検索

酒井桂史『琇玉篇』解題

無料ブログはココログ