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2017年2月25日 (土)

加藤文卓の「圖巧解説」その16

月報1927年7月号

圖巧解説
二峯生

第三十八番

0038

23角、55玉、46銀、同銀、35龍、同銀、56歩、44玉、34角成、53玉、
52馬、44玉、45香、同と、64飛成、33玉、34龍、22玉、23龍、同玉、
34馬、22玉、14桂、21玉、11歩成、同玉、33馬、12玉、22馬迄(29手詰)


變化
46同銀の所
(一)同角成ならば56歩、同馬、35龍、45間、46銀、同馬、同龍、44玉、34角成、53玉、44角、同と、52馬、54玉、63飛成也
(二)同角不成ならば35龍、同角、56歩、44玉、34角成、53玉、52馬、44玉、33銀、同玉、34馬、22玉、14桂、21玉、22香にても詰む

45同との所33玉ならば
34馬、22玉、14桂、21玉、11歩成、同玉、33馬にてよし

○此圖に於て玉方61歩を缺く時は前記34龍の所34馬、42玉、62龍の詰を生ずる

○亦詰方55歩を缺く時は最初46歩、55玉、56歩、同玉、38角、47間、54龍、同香、65飛成の手段を生ず55歩ある時は46歩に對し56玉と逃る故此詰無し
---

 23角、55玉と進むと24龍が打歩詰を招致する邪魔駒になっています。行きがけの駄賃とばかり35龍と銀をぱくつくと同角成と34、45地点に利きが及ぶ馬ができて詰みません。
 そこで46銀と割り込んでみれば同角成なら56歩が打て、同角生なら35龍に同角成と成れないので詰むというわけです。
 これを首猛夫氏は「打診銀出」と呼びました。当時、詰パラで読んだことを覚えています。
 首氏のブログはまだ残っているので、その一文はここで読めます。最初は広告しか出ないかも知れません。そのときは、もう一度表示して下さい。


第三十九番

0039_2

66銀、56玉、57銀、47玉、48銀、38玉、39銀、同と、同龍、47玉、
48龍、56玉、57龍、65玉、66龍、74玉、75龍、83玉、82馬、同玉、
81桂成、同玉、82歩、同玉、73角生、81玉、82歩、72玉、64角生、62玉、
73角生、61玉、62歩、72玉、55角生、62玉、73角生、61玉、62歩、72玉、
46角生、62玉、73角生、61玉、62歩、72玉、37角生、62玉、73角生、61玉、
62歩、72玉、28角生、62玉、73角生、61玉、62歩、72玉、19角成、62玉、
73馬、61玉、64龍、同金、53桂、同香、52桂成迄(67手詰)


本局は駒の配列も面白く殊に其詰手順は巧妙を極めて居りますが原図の儘では餘詰があるやうです假に玉方21桂を加へて見ました

變化
47玉の所67玉ならば68銀、56玉、76龍、47玉、67龍、38玉、58龍也

38玉の所58玉ならば
59銀甲67玉、68銀以下前記の變化に合す
甲67玉の所
(一)49玉ならば27馬、38間、68銀、58玉、59龍、47玉、57龍也
(二)47玉ならば77龍、56玉、66龍、47玉、57龍、38玉、48龍也

39同との所47玉ならば
48銀、58玉、59銀以下變化に合す

81玉の所83玉ならば
84歩、72玉、91角成、62玉、73龍、61玉、62飛也

61玉の所63玉ならば
64歩、72玉、51角成、82玉、73龍、81玉、82香也

64金の所
(一)63金打ならば同龍、同金、52金也
(二)63に金以外の間駒を打てば51馬にて詰む

○此圖に於て玉方21桂を缺く時は次の餘詰があるやうに思ふ即ち前記73角不成の所
73龍、61玉、52桂成、同金、同銀、同玉、62金、42玉、33龍、41玉、51金、同玉、73角成、62歩、53龍、41玉、45香、32玉、42香成、22玉、55馬、12玉、45馬也

變化
52同金の所同香ならば62歩、51玉、33角成也

42玉の所41玉ならば
51金、同玉、33角成、42間、53龍、61玉、62歩、72玉、79香、82玉、73龍、81玉、71龍

附記
桑原君仲著將棋玉圖第六十五番は此圖巧第三十九番の趣向を模倣したるものと思ひます

參考圖將棋玉圖六十五番

27gyokuzu0065

詰手順

17飛、21玉、22歩、同玉、44馬、同歩、13銀成、21玉、22成銀、同玉、
13角生、21玉、22歩、12玉、57角生、22玉、13角生、21玉、22歩、12玉、
68角生、22玉、13角生、21玉、22歩、12玉、79角生、22玉、13角生、21玉、
22歩、12玉、24桂、同歩、同角成、22玉、33歩成、同歩、13飛成、21玉、
22歩、32玉、33龍、41玉、42歩、51玉、31龍、62玉、72金、同玉、
83歩成、62玉、71龍、同玉、82と左、62玉、72と寄、51玉、43桂、同金、
52歩、同玉、64桂、同歩、63桂成、同玉、73と左、52玉、62と迄(69手詰)


---

 21桂を置いた図は加藤文卓の補正図です。63金打なら2手変長になります。


第四十番

0040

45金、56玉、66金、45玉、46歩、同角成、57桂、同馬、55金、46玉、
47歩、同馬、45金、同玉、65飛、同馬、46歩、同玉、55銀、同馬、
47香也(21手詰)


45玉の所
(一)45同香ならば55銀、56玉、66飛、55玉、65金、44玉、54金此時同玉ならば57香にて容易に詰み亦54金に對し33玉ならば43金にて詰
(二)45同玉ならば65飛、56玉、66金、46玉、47香也

45玉の所66同香ならば
55金、46玉、66飛、同角、47香

46同角成の所同角不成ならば
56金、54玉、65金、45玉、57桂、同角成、55金、46玉、66飛、同馬、47香にても詰む

65同馬の所55歩間ならば
同飛、46玉、35馬の詰あり

○本局は46歩、同角成、57桂、同馬と指して打歩詰を避くる所に妙味津々たる作であります
而して圖面の44香が歩であるならば次の餘詰を生じます即ち
45金、56玉、46金、同玉、55銀、同玉、65飛、54玉、57香、55間、63角也

55同玉の所56玉ならば
66飛、同香、同金、45玉、46歩、同角、54銀也

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