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2016年9月 5日 (月)

有馬康晴が紹介した酒井桂史作

 「將棋月報」1943年10月号は、6月に42歳(満年齢)で亡くなった酒井桂史の追悼号になることが予告されましたが、「御遺族の方が口を緘して居るので如何とも爲し得ず」(編輯部)、二三の追悼文が掲載されるにとどまりました。
 その中の有馬康晴の追悼文には、酒井桂史作品が二局紹介されています。うち一局は1938年頃山村兎月によって頒布されたという『將棋王玉編』第84番なので厳密には初出ではありませんが、もう一局は文字通りの初出です。
 有馬は、未発表の酒井作をなぜ知っていたのか。追悼文「追悼作品鑑賞」に「前田三桂先生の御厚意によつて趣向物多き故人の作を五十局許り御恵送に預つた事があります」とその事情を述べています。未発表作を第三者が他人に渡すのはどうなのかなと思いますが、その結果酒井作が一局散逸せずに済んだので、許しましょう。(笑)
 この二局は清水孝晏編『酒井桂史作品集』の第73番第97番に当たります。いずれも「酒井桂史名作選」で紹介済みです。
 初出である方を再掲。

月報1943年10月号
地圖

Geppo4338

46龍、同桂、54馬、35玉、36歩、同成銀、同馬、44玉、54馬、35玉、
26銀、同成銀上、36歩、同成銀、同馬、44玉、54馬、35玉、26銀、同成銀左、
36歩、同成銀、同馬、44玉、54馬、35玉、26銀、同成銀、36歩、同成銀、
同馬、44玉、54馬、35玉、26銀、同馬、36歩、同馬、同馬、44玉、
54馬、35玉、26角、同玉、36馬、15玉、14金、同玉、22香成、24玉、
25飛、33玉、23飛成、42玉、32成香、51玉、21龍、62玉、71龍、同玉、
82歩成、同玉、73金打、91玉、81馬、同玉、83香、71玉、82香成、61玉、
72成香、51玉、62成香
まで73手詰


 成銀はがし第一号局。成銀はがしは案外少ないようです。二三紹介します。


黒川一郎作
『将棋浪曼集』第23番「寒鳥」 1973/09

1038

35金、同銀、36金、同銀、同馬、16玉、25銀、15玉、16歩、同成銀、
同銀、同玉、17歩、同成銀引、25銀、15玉、16歩、同成銀、同銀、同玉、
17歩、同成銀、25銀、15玉、16歩、同成銀、同銀、同玉、17歩、同馬、
25銀、15玉、16歩、同馬、同銀、同玉、34角、25歩、同角、15玉、
16歩、24玉、23と、同玉、45馬、33玉、34馬、42玉、43馬、31玉、
32歩、41玉、52馬、32玉、43角成、23玉、34馬、32玉、44桂、31玉、
21と、同玉、43馬左、11玉、33馬上、22金、同馬、同玉、32馬、13玉、
14金、12玉、23金、11玉、22金
まで73手詰


 初出は「風ぐるま」1954年12月号です。一枚は銀ですが。


杉山正作
「近代将棋」 1986/01

86990023

31歩成、同と、11歩成、32玉、31桂成、同玉、42と、同成銀、同歩成、同玉、
53と、31玉、42銀、32玉、41銀生、31玉、32歩、同成銀、同銀成、同玉、
43銀、33玉、34金、同成銀、42銀生、32玉、33歩、同成銀、41銀生、31玉、
32歩、同成銀、同銀成、同玉、43銀、33玉、23歩成、同成銀、34歩、同成銀、
42銀生、32玉、33歩、同成銀、41銀生、31玉、32歩、同成銀、同銀成、同玉、
43銀、33玉、24金上、同金、34歩、同金、42銀生、32玉、33歩、同金、
41銀生、31玉、32歩、同金、同銀成、同玉、43金、31玉、42金
まで69手詰


 非限定や迂回手順(43と、同玉、53香成)がありますが、この図の場合は致し方なし。


相馬康幸作
『相馬康幸Collection』第65番 1997/12

Collection65

65金、56玉、55金打、46玉、45金、56玉、55金左、57玉、48金、66玉、
65金、56玉、57歩、同成銀、55金左、66玉、57金、同玉、48銀、66玉、
67歩、同成銀引、65金、56玉、57歩、同成銀、55金右、46玉、47歩、同成銀、
45金、56玉、68桂、同成銀上、57歩、同成銀、55金左、66玉、57銀、同玉、
48銀、66玉、67歩、同成銀、65金、56玉、57歩、同成銀、55金右、46玉、
47歩、同成銀、45金、56玉、68桂、同成銀、57歩、同成銀、55金左、66玉、
57銀、同玉、48銀、66玉、67歩、同成銀、65金、56玉、57歩、同成銀、
55金右、46玉、47歩、同成銀、45金、56玉、68桂、同金、57歩、同成銀、
55金左、66玉、57銀、同玉、48銀、66玉、67歩、同金、65金、56玉、
57歩、同金、55金右、46玉、47歩、同金、45金、56玉、68桂
まで99手詰


 初出は「詰将棋パラダイス」1986年3月号。この図は修正図です。


相馬康幸作
『相馬康幸Collection』第67番 1997/12

86993600

76馬、同玉、75龍、67玉、77龍、56玉、57歩、同成銀、同龍、65玉、
55龍、76玉、75龍、67玉、77龍、56玉、47銀、同香成、57歩、同成香、
同龍、65玉、55龍、76玉、75龍、67玉、77龍、56玉、58香、同銀成、
57歩、同成銀、同龍、65玉、55龍、76玉、75龍、67玉、77龍、56玉、
47銀、同香成、57歩、同成香、同龍、65玉、55龍、76玉、75龍、67玉、
77龍、56玉、58香、同成銀引、57歩、同成銀、同龍、65玉、55龍、76玉、
75龍、67玉、77龍、56玉、47銀、同香成、57歩、同成香、同龍、65玉、
55龍、76玉、75龍、67玉、77龍、56玉、58香、同成銀、57歩、同成銀、
同龍、65玉、55龍、76玉、75龍、67玉、77龍、56玉、47銀、同香成、
57歩、同成香、同龍、65玉、55龍、76玉、75龍、67玉、77龍、56玉、
58香、同龍、57歩、65玉、75龍、54玉、55龍、43玉、33桂成、同玉、
53龍、32玉、33角成、21玉、22歩、11玉、12歩、同玉、13歩、同玉、
24馬、同玉、16桂、14玉、15歩、同玉、13龍、14金、同龍、同玉、
24金、15玉、25金、16玉、26金
まで135手詰


 「近代将棋」1996年12月号発表作。一枚は銀ですが、四香はがしとの組合せです。

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