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2016年9月 3日 (土)

二度掲載された酒井桂史作 その3

 さらにもう一局あるとは思っていませんでした。

月報1927年4月 第一部

1080

26銀、24玉、35龍、同角、25銀、13玉、19飛、17角成、同飛、23玉、
34角、同金、14銀、24玉、25歩、同金、同銀、同玉、35金
まで19手詰

解説 山村兎月


同角なれば35龍、16玉、26飛、17玉、25(ママ)龍迄なり
13玉なれば14歩、同玉、15銀、13玉、24銀、14玉、15龍迄
本局の一大眼目なり17へ何の合駒にても同飛、同角ナル、14歩、23玉以下詰なり故に17角ナルと自ら角を犠牲として一手にても永びく處に妙味あり若し19飛の時に直ちに23玉なれば24歩、同角、14銀、34玉、26桂迄なり

評曰 本局は駒數も少し其手順も二十手以下にして終局を告げ一見難解とは思はれざれ共なかなか難解なり七手目の一九飛に對し一七角ナルの一手には驚嘆の外なし以下の手順等にても凡手はなく本局の如きを妙局と思ふ

 甲矢龍之介名義です。結果稿は龍之助。
 
17歩が打てれば詰みませんが、二歩。単に23玉なら上記の説明にあるように24歩と打てるので、17角成と捨てて24歩を取る駒をなくしてしまおうという狙いです。いったん35角と動かしておくのが巧いところ。



月報1931年9月 特別懸賞詰將棋

26銀、
24玉、35龍、同角、25銀、13玉、19飛、17角成、同飛、23玉、
34角、同金、14銀、24玉、25歩、同金、同銀、同玉、35金
まで19手詰


26同角なれば同飛、34玉、35龍迄又26(ママ)玉なれば19飛、27玉、37龍迄也
13同玉(ママ)なれば14歩、同玉、19飛迄
17桂合なれば同飛、同角成、14歩、23玉、15桂打迄香合なれば24香打迄となる

評曰 本局は僅少なる拾九手詰なれ共二部黨へは難解の如く思ふなり八手目の一七角成捨て玉將の逃る處は申様の無き味ひある處なり何となれば一九飛の時直ちに二三玉なれば二四歩同角一四銀三四玉二六桂迄の手順となるなり面白き作物なり

今回の第一番は面白き局面なり流石は酒井先生の作なり第七手目の一九飛廻りに對し一七香又は一七桂の合を解答したる諸君のみなり又は二三玉を本手順としたるもの一二見受たり殆ど十三手詰の解答のみ右は遺憾ながら正解とは申難し

---
19飛では詰まない。15龍、15銀等で詰む。

 酒井桂史名義。
 この図も山村が忘れてしまっていたのだと思われます。
 正解者は「紫香生」氏のみでした。
 住所氏名(本名)の記載がなかったようで、「東京府下
紫香生住所氏名を御通知ありたし」と添えられています。

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