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2016年6月22日 (水)

今田政一研究 その9

 1937年1月(作品)、2月(解答)、月報誌上に田代武雄編による『詰將棋第一部集』(上巻)が掲載されます。

 36年11月号「編輯後記」より
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詰將棋第一部に今まで掲載した數百題の中から佳作を選んで、不備な点は補訂し完全にしたもの百題を、第一輯として新年號に登載することにした。これは本社が嘗て佳作集百番として選定したが、不完全な爲まだ發行するに至らなかつたものを、田代武雄君が數年来研究、調査の結果、漸く發行の運びになつたものである…
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Photo_5    
※これは刊本でなく、月報誌上に発表された第一部集の表紙です。

 ここに作者別収録数を記載していますが、今田は酒井桂史に次いで8局収録されました。ここまで発表作は14局なので、大変な採用率です。『龍光』の作品番号でいうと、33、8、10、16、30、23、26、50(改作前の201手詰)番の順です。それまでも山村兎月の「評曰」では高く評価していましたが、ここに至って今田の実力は広く認められることになったのです。


 37年2月

Geppo2364

38角、27歩、同角、同玉、29香、16玉、15金、同香、25銀、17玉、
28金、26玉、38金、27歩、同金、25玉、26金、24玉、35金、14玉、
34飛成、13玉、43龍、14玉、54龍、13玉、63龍、14玉、74龍、13玉、
83龍、14玉、94龍、13玉、83龍、14玉、74龍、13玉、63龍、14玉、
54龍、13玉、43龍、14玉、34龍、13玉、25桂、同香、14歩、22玉、
25香、23歩、13歩成、同玉、14香、22玉、12香成、同金、23龍、同金、
同香成、同玉、24銀、22玉、23歩、11玉、22金、同飛、同歩成、同玉、
23飛、11玉、12歩、同玉、13銀成、11玉、22飛成
まで77手詰

24金、同香、14歩、同玉、26桂、13玉、14歩、22玉、24龍、23金合、34桂、32玉、42と、同金、同桂成、同玉、43香、同玉、44龍以下。

評曰 本局は非常に面白き好作なり龍の活躍巧みなり終局の寄せ手と巧妙なる好局と思ふ

友岡氏曰く 本局は頗る巧妙殊に龍の活躍九四桂を捕り亦玉に接近迄其間合駒にて逆戻りせぬ様配置せる作者の苦心の程察しられます

 『龍光』第22番。刊本同じ。
 一往復の龍鋸です。不完全作。

護堂浩之「木挽唄集(一)」(「詰棋めいと」20号1996年5月)
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軌跡も長いし、龍ノコの基本型の一つの形を使用しているあたり、現代の龍ノコの原形は、案外この作に求められるような気もしてくる。
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 37年6月

Geppo2422

92銀成、同歩、94金、同玉、83銀、93玉、92と、84玉、85香、同と、
94金、73玉、63歩成、同歩、74歩、62玉、54桂、同歩、61飛成、同金、
73角成、53玉、63馬、42玉、32香成、同歩、34桂、33玉、45桂、23玉、
13歩成、同馬、同香成、同玉、14歩、23玉、12角
まで37手詰

32銀成、同金、45桂、23玉、13歩成、同馬、同香成、同玉、22角、12玉、13歩、23玉、33角成、14歩、12玉、22桂成、同金、同角成、同玉、33桂成、同玉、35飛以下。

評曰 本局は詰上り千鳥曲詰にして變化等は別に難解の處もき(ママ)に依り省略したり最初より殆んど追詰の如し

 『龍光』第7番原図。『龍光』での修正、さらに刊本での再修正も余詰。


つづく

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