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2015年10月30日 (金)

『将棋駒競』考 その6

 『元禄覚書』に続いて『京都御役所向大概覚書』。正徳4、5年(1714、15)頃の記録らしいです。

一、五拾八石八斗七升五合
        内 五拾石 御切米
           八石八斗七升五合 五人扶持
一、米五拾石 御切米
一、米貳拾石 御切米
一、米貳拾石 御切米
一、米貳拾石 御切米
本因坊
      
      
井上因碩
安井仙角
伊藤宗印
大橋宗與

 一貫して大橋宗桂の名前はありません。囲碁の本因坊はすべての記録に出てきます。これも大津御蔵です。

第9番

040009

53金、同歩、72銀、同玉、71飛、62玉、61金、63玉、74飛成、52玉、
72龍、41玉、74角、31玉、32歩、22玉、23歩生、11玉、12歩、同玉、
31歩成、22歩合、13歩、同玉、14歩、12玉、22歩成、同香、13歩成、同玉、
24銀、12玉、23銀成、同玉、41角成、12玉、22龍、同玉、26香、11玉、

12歩、同玉、23馬、21玉、22馬
まで45手詰


72銀、同玉、71飛は、62玉で逃れ。

83玉は、71飛成、94玉、83龍、85玉、86歩、同成香、74龍、94玉、95歩、同玉、96歩、同成香、87桂、同成香、96歩、同玉、87角、同玉、89香、88金合(88銀合は同香、97玉、77龍、98玉、87銀以下)、同香、98玉、89金、同玉、78龍、98玉、89金以下。


52玉は、72飛成、41玉、74角で2手早い。

 元禄版では99番です。
 
の変化はなかなかのものですが、69金、79桂、95成香は変化専用の駒で、この時代のつくり方なのでしょう。
 
21とで駒余りになるのですが、初代宗看は駒余りを廃した人といわれているので上記が作意だと思われます。



第10番

040010

23銀、同玉、41馬、同金、35桂、32玉、23金、42玉、53歩成、51玉、
43桂生、61玉、72と、同玉、73飛、82玉、93飛成、81玉、83龍、82香合、
73桂生、71玉、
61桂成、81玉、71成桂、同玉、62と、同玉、53龍上、61玉、
63龍右、同金、同龍、71玉、72金
まで35手詰


62と、同玉、61桂成、同玉、51龍、同金、同桂成、同玉、53龍以下の余詰。

51桂成や64龍など余詰多数。

 元禄版では30番です。
 73へ跳ねた桂を消去する辺りがちょっとしたところですが、余詰が多く不出来な作品です。



第11番

040011

82金、同玉、91銀、72玉、81飛成、63玉、61龍、53玉、44金、42玉、
34桂、32玉、52龍、23玉、22龍、14玉、25金
まで17手詰


83金は、同玉で81金に角のヒモが付いているので不詰。

91同金は、同龍、同玉、83桂以下。

 初手82金から91銀は好手順ですが、その後追うだけになったのは惜しまれます。



第12番

040012

35桂、同金、34銀、同玉、35歩、同玉、36金、34玉、45金、43玉、
32龍、同玉、44桂、23玉、41角成
まで15手詰

 35桂で金を質駒にしておいて、逃路先着の34銀さえ分かれば簡単ですが、いかにも短篇らしいまとまりです。
 『新撰詰将棋』(1937・塚田正夫「博文館」)と『日本将棋大系』別巻一(1979・森
二「筑摩書房」)の両方に採り上げられた作品は5局ありますが、そのうちの一局です。既に紹介した作品では第6番もそうです。

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