« 「王将」 その3 | トップページ | 「王将」 その4 »

2015年3月31日 (火)

めいと賞 その8

 第8回受賞作の紹介です。

新ヶ江幸弘作「金鵄」「詰棋めいと」第27号 長編の部5
受賞:金賞

4155

91と、同玉、81歩成、同銀、同桂成、同玉、72銀、同玉、62歩成、同飛、
73金、81玉、83香、91玉、82香成、同飛、同金、同玉、93歩成、同玉、
73飛、84玉、83飛成、95玉、96歩、同玉、87と上、同成銀、同と、同銀生、
同龍、同玉、77と、同玉、78龍、86玉、87銀、85玉、76銀、74玉、
65銀打、同金、同銀、同玉、64金、同玉、63桂成、65玉、56と、同と、
64成桂、同玉、56桂、65玉、66歩、同玉、57銀、65玉、66銀、同玉、
57馬、同玉、58と、56玉、67龍、55玉、46と、同玉、47と、45玉、
56龍、44玉、35と、同玉、36と、34玉、45龍、33玉、24馬、同玉、
25と、23玉、34龍、22玉、13歩成、同玉、14と、12玉、23と、11玉、
12歩、同金、同と、同玉、23金、21玉、31歩成、同金、同龍、同玉、
32金打
まで101手詰

 
87同銀成は、85銀、86玉、94銀、97玉、87龍、同玉、57龍、86玉、77龍、95玉、86銀、94玉、97龍、84玉、85歩、74玉、94龍、73玉、83龍、62玉、43歩成、61玉、81龍まで。同銀生なら85銀、97玉で逃れ。
 
73玉は、64銀、同玉、56桂、同と、65銀、同玉、64金、同玉、63桂成、同玉、53桂成、64玉、54成桂、65玉、56と、同玉、45馬、65玉、64成桂、同玉、54馬まで。
 
54玉は、53桂成、同玉、43歩成、54玉、44と、同玉、64龍、43玉、63龍、53歩合、33香成、同玉、53龍、43歩合、24と、32玉、22香成、同金、同馬、同玉、13歩成以下。

K-煙詰が2局もありますが、大丈夫ですか?
O-大丈夫なわけないやろ。今回はスルーということではアカンか。
K-前回のをコピペするのはやめてください。
O-あー、「金鵄」というのはだな、『日本書紀』に「乃有金色靈鵄、飛來止于皇弓之弭」とあるが、神武天皇が長髄彦(ナガスネヒコ)と戦った折に弓の端にとまった金色のトンビのことだな。普通、トンビは上空でくるりと輪をかくものなんだが。
K-三橋美智也ですか。
O-はいな。で、このトンビはただ金色だっただけじゃなくて、稲光のように光り輝いておったので、長髄彦軍は
目が眩みうろたえて「不復力戰」とある。伏見の清酒に「キンシ正宗」というのがあるんだが、元は「金鵄正宗」やろね。それで…
K-与太話はキンシ。
O-………。

杉山竜生-中盤58とに入るまでに変化読みが多く、難渋したが、その後は趣向的収束が待っていて新ヶ江流煙の華麗さを感じさせられた。

今川健一-序盤の玉を上辺に押し戻す手順も、中盤の玉を斜めに押し上げる趣向も、どちらも多くの変化群を含んでいて難しかった。それだけに詰上げた気分は最高に爽快。煙詰の傑作。

 57馬、同玉、58とから捨て絞り趣向。華麗な収束ですね。
 新ヶ江氏といえば、最短手数全駒煙「伏龍」(79手詰・詰パラ1997/03)が有名ですが、本局は氏にとって3局目の
全駒煙とのことです。

選評
 と金と龍で斜めに追い上げる趣向的な手順を土台にして全駒の煙詰に仕上げた手腕に感心した。そこに至るまでの序・中盤もよく練られており、適度な変化と紛れもあって、数ある煙詰の中でも上位に入る傑作だと思う。

(作者の受賞感想は「銀狼」へ)



新ヶ江幸弘作「銀狼」「詰棋めいと」第27号 長編の部4
受賞:銀賞

4156

81桂成、同玉、72金、91玉、92香成、同飛成、81金打、同龍、同金、同玉、
71飛、同玉、73飛成、61玉、51金、同玉、41香成、61玉、51成香、同玉、
42香成、61玉、52成香、同玉、43金、61玉、52金、同玉、34馬、41玉、
43龍、42飛合、同龍、同玉、52飛、41玉、53桂、同銀、32飛成、同玉、
22桂成、同玉、33銀、13玉、35馬、12玉、11桂成、同玉、22角、21玉、
31角成、同玉、53馬、21玉、31馬、同玉、32銀打
まで57手詰

 
92玉は、56馬、83歩合、同馬、同玉、73飛引成、94玉、54飛成、95玉、84龍寄、96玉、93龍寄まで。
 
42金合は、同龍、同玉、52金、32玉、31桂成、同玉、22桂成以下。

坂東仁市-小駒成駒ない。それだけで秀逸と思う。

天津包子-中盤の銀が残りそうな53桂から32飛成捨てが面白い。収束も良し。

 歩なし煙です。ごちゃごちゃせずスッキリした図ですね。
 短篇の収束のような詰上りですが、作者によれば「煙詰に使われたことはない」そうです。
 「~狼」と命名された作品は案外少なく、田中鵬看「一匹狼」(「近代将棋」1971/04)、添川公司「天狼」(「近代将棋」1986/04)くらいでしょうか。

選評
 煙詰とは思えないような品格が感じられる捌きの手順である。全駒に出来なくて歩なし煙になったのは惜しまれるが、詰上り生銀二枚で、金二枚の「金鵄」の姉妹作として同時発表したので印象がさらに良くなった。

作者
 めいと賞、ありがとうございます。歴代の受賞作に比べて少し見劣りがするような気がしますが、賞は、題名に合わせて一ランク上げて下さったのでしょうか? ともあれ柏川さんに選んでいただき、大変光栄です。
 「銀狼」は解答者にお誉めをいただいた53桂~32飛成の手順が、縦に追いだして全駒煙とする当初の構想を諦める選択と表裏の関係にあり、分かっていたけどやりたくない逆算だったので、お蔵入りさせていたものです。
 「金鵄」も当初、簡単に出来ていると思っていた趣向手順が意外と難しくてお蔵入りさせていたものですが、二枚馬を捨てる手順なら成立するということが確認できてからは一気に完成させることが出来た(ママ)、発表に至りました。
 めいと創刊以来、不完全作が多くてご迷惑をかけ続けていましたが、これで多少の汚名挽回になったでしょうか?
 なお、「彩雲」の修正図を再出題する機会を提供して下さった世話人に、この場を借りてお礼申し上げます。



河内勲作「詰棋めいと」第27号 長編の部2
受賞:銅賞

4157

59金、同玉、68角、同玉、77角成、57玉、67飛、56玉、66馬、45玉、
47飛、54玉、44飛、63玉、62金、53玉、54歩、62玉、42飛成、52歩、
44馬、61玉、52龍、同玉、53歩成、41玉、42歩、32玉、43と、21玉、
32銀、12玉、23銀成、同玉、24歩、14玉、15銀、同玉、26金、14玉、
23銀、13玉、22馬、24玉、33馬、13玉、14銀成、同玉、15金、13玉、
24金、12玉、23金、21玉、22金
まで55手詰

 
62同玉は、42飛成、52歩合、44馬、63玉、43龍、53角合、同馬、同歩、54角、62玉、63銀以下。
 
61玉は、72銀、同玉、52龍、81玉、54馬、91玉、61龍、92玉、81龍以下。


松田己次-
53玉で一ヶ月も悩んだ。これは54歩と打たせて後の54馬を不可能にしている。52龍に気付かず、左辺に追う順ばかり追求していた。

今川健一-この見事な初形で、追い詰ながら綺麗に駒が捌ける。不動駒僅かに五枚の好作で、河内さんの盤面大型曲詰に対する執念を感じる。

 
53玉とよろめくのが面白い受けで、54歩と拠点をつくられて損な感じがしますが、短評にあるように、44馬なら今度は61玉で54歩が邪魔になって逃れるというわけ。

 作者の作品集『おくろう記』第43番です。

選評
 いつも大型の初形曲詰で見事な捌きの手順に感心させられるが、本作も取り残されたかと思った37金まで終盤に動き出したのには唸ってしまった。15手目の62金を取らずに53玉とぐずんで54歩と打たせるのも玉方の不利逃避のような味わいのある手順で面白い。

作者
 この図は、新二千年紀を記念して発表しようとして五年ほど前に作図したものです。実力解答者の皆様からあれほどの解評をいただいて充分に満足感を持たせて貰った上に、柏川さんに選ばれてめいと賞まで受けられるのは本当に幸せです。
 今後もこれまでに作例のない盤面象形を作図しようと思っていますが、アイデア枯渇と実力不足のために捗りません。それでもしばらくはこの路線を続けるつもりです。
 詰将棋の女神に、そして皆様に心からお礼を申し上げます。



梅本拓男作「詰棋めいと」第27号 中編の部11
受賞:銅賞

41582

28飛、
35玉、27桂、25玉、15桂、27桂合、同飛、35玉、36歩、同馬、
47桂、同馬、25飛、同玉、37桂、同馬、16龍、35玉、27桂、同馬、
46銀
まで21手詰
(原図は玉方64とがありましたが、除いています)

 
27桂合は、同飛、35玉、36歩、同馬、47桂、同馬、25飛、同玉、37桂打以下。
 
27歩合は、同飛、35玉、25飛、同玉、26歩以下。

高津義則-ワンクッション置いた桂の中合がいい味。

里見良幸-双方の細かい味の応酬がまことに面白い。

野口賢治-64とは余詰消しと思うが、具体的にはよく判らない。

 桂を惜しんで、
27桂合とせず、攻方に一枚使わせたところで27桂合が皮肉。最初に桂合してしまうと攻方は37桂打と継ぎ桂できますが、作意では桂が余分にないので跳ばなくてはならず、延命できるというしくみです。もう少し手数があって、クドイ方が良かったかなと思います。

選評
 2手目にはなかった27桂中合が6手目に出てくるのが何か奇妙な味がした。以下の桂打ちで馬を翻弄する手順は、難しくはないが心地良い。64とは不要と思うので、除いて評価した。

作者
 受賞の通知を見てビックリ。発表図の64とは、検討の結果、指摘された通り不要でした。にも拘わらず推挙して下さった柏川氏に感謝の気持ちで一杯です。
 最近はどうも解図・検討力が鈍くなり、困ったものです。これを励みにして気を引き締めたいと思っています。



« 「王将」 その3 | トップページ | 「王将」 その4 »

めいと賞」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1793064/59464160

この記事へのトラックバック一覧です: めいと賞 その8:

« 「王将」 その3 | トップページ | 「王将」 その4 »

サイト内全文検索

酒井桂史『琇玉篇』解題

無料ブログはココログ