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2015年1月 2日 (金)

限定移動集 その2

 前回ははしょりすぎて、いろいろ抜けていました。
 『80年代ショート詰将棋ベスト200』には限定移動作品が50局くらいあるのです。全部は紹介しませんが…。

橋本樹作1980年8月

 既に紹介済みなので、そちらで。退路に利かせるための限定移動です。


有吉澄男作1983年6月

Para81852761

35飛、36桂合、46銀、同玉、48龍、同桂成、39飛
まで7手詰

 
27玉は、18龍、16玉、15飛まで。

 初手35飛は15のと金に狙いを付けた限定打。角の利きを塞ぐのでやりにくい手かもしれません。一時期よく見かけました。
 本局は最終手が限定移動。33飛成では35歩合と捨合を打たれて詰みません。


原田清実作1984年6月(『夢銀河』修正図)

15jan02a

68香、
56玉、59香、46玉、45飛、同香、69角
まで7手詰

 
67歩合は、63飛、56玉、67飛成、56玉、54角まで同手数駒余り。
 
14角は36歩合で逃れ。

 これも最終手が限定移動。68香、59香は、この角の引き場所を空けるためだったことが分かります。


金子哲哉作1984年9月

Para81854174

67角、79玉、55香、35飛、69金打、同桂成、73飛
まで7手詰

 55香は飛車の利きを止めるため。最後は飛車打ち一発の詰上り。


赤羽守作1985年3月

Para81854782

15金、35玉、48角、26玉、35龍、同玉、36歩
まで7手詰

 初手32馬は33銀合、57角は35歩合でいずれも逃れ。
 48角から35龍で突歩詰。同馬は16金までですが、玉で取るのがエチケットでしょう。


小林敏樹作1985年5月

Para81854925

56飛、同玉、58香、
66玉、67金、同と、59馬
まで7手詰

 
58同とは、35馬、47玉、46龍まで同手数駒余り。
 
67同桂は44馬まで同手数駒余り。

 これは出題時に解いて、感心した覚えがあります。この作者の作品はたいてい感心するんですが。(笑)
 変同を極力避けて手順の絶対性を求める姿勢は学ぶべきだなと思います。


岡部雄二作1985年8月

Para81855187

36香、
46玉、38飛、19歩成、34香
まで5手詰

 
39香は、37歩合で逃れ。
 
44玉は、24飛、34合、55馬まで同手数駒余り。

 初手の短香が秀逸。中合をかいくぐる意味です。
 38飛はあらかじめ退路に回っておく意味、34香は玉方角の利きを止める意味ですね。


赤羽守作1986年6月

Para86900339_2

79桂、
同銀生、98金、78玉、59飛、34龍、89角、同玉、88金打
まで9手詰

 
79同龍は、76角、78玉、58飛、69玉、59金まで。
 
78玉は、59飛、34龍、56角、67合、69金まで。
 
98同玉は、96飛、97合、76角、87合、89金まで同手数駒余り。

 初手いろいろな手が見えますが、桂の使い道がなさそうなのでとりあえず79桂。同銀生が味良く、3手目の98金が強烈無比。
 89角からちょっと変わった詰上りになります。8手目68玉の変同はありますが、普通は取る手でしょう。


波乱万丈作1986年11月

Para86900633

35銀、
同と、44馬、15玉、33馬
まで5手詰

 
33馬は、46歩合、同飛、35玉、24馬、44玉で逃れ。
 
同玉は、24銀生、46玉、56馬まで同手数駒余り。

 すぐに両王手がかかる形ですが、15玉で詰みません。
 わざわざ蓋をしてから44馬と行くのがユーモラス。


柳原裕司作1987年4月

Para86900925

59香、56金合、58龍、46玉、55角、同金、57龍
まで7手詰

 
57香は、56歩合で逃れ。
 
57歩合は、68龍、66飛、57龍、64玉、54龍まで同手数駒余り。
 
56歩合は、作意に準じて55角を同玉、56龍まで同手数駒余り。
 
56同香は、同玉、58龍、57銀合で逃れ。

 59香から58龍と二段ロケットの狙い。作者得意の合駒を取らずに動かす手順です。
 なお変化
57歩合の68龍、66飛は実にうまく出来ていて、68龍を58龍と回るのは65玉、67龍、54玉、57龍、63玉、53龍でどうしても9手かかってしまいます。


吉田芳浩作1987年7月

Para86901107

74角、44玉、84飛、34玉、56角
まで5手詰

 56角・58香と88飛・99角の二組のバッテリー。
 63玉と躱されると詰まなそうなので、74角と限定移動。さらに84飛と角の影に隠れるのがうまく、56角とスイッチバックして詰み上がります。
 捨駒がなくても充分鑑賞に堪える佳作です。

 つづく

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コメント

原田清実さんの作品ですが、「夢銀河」第151番では、
余詰が発見されたため(どういう余詰なのかは触れられていない)、
29桂→38歩として収録されております。

HYO牛TAN党さま

ご指摘ありがとうございます。
同書にて確認致しましたので、図面を差し替えました。
失礼致しました。

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