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2015年1月20日 (火)

「将棋評論」好作集 その3

宇佐見正作1951年6月

0296

23桂成、同龍、21角、同龍、24桂、同龍、13歩、同龍、21角、同玉、
32飛成
まで11手詰

 
13歩は、同玉でも同龍でも詰むが、22玉で逃れ。

 これも翻弄物。打歩絡みです。
 無駄なくできていて好感が持てます。



柏川悦夫作1951年6月

0298

42龍、同金、同銀生、32玉、33金、同桂、21角、42玉、43角成、51玉、
52金
まで11手詰

 初手、42龍を何と評したらいいか。吉田健氏は「歩く手」と呼びました。
 柏川さん以外では出せそうもない味の良さを感じます。



北原義治作「吊し柿」1952年2月

0354

32歩成、11玉、13香、12香合、同香成、同玉、14香、13角合、同香生、同玉、
31角、22角合、同角成、同歩、24角、12玉、22と、同玉、23歩、21玉、
31龍、同玉、13角成、32玉、22馬
まで25手詰

 
12桂合は、同香成、同玉、14龍、13合、24桂以下。
 
13桂合は、同香成、同玉、25桂以下。

 狭いところで、合駒を引き出しながら局面を変化させて鮮やかな収束。
 このとき作者は前月に「詰棋界」と「旧パラ」に入選したばかりの文字通りの新人でしたが、既に北原流のタッチですね。



増沢幸三作「山頂」1952年4月

0358

21飛成、13玉、23龍、同玉、32角、13玉、14金、22玉、23金、11玉、
21角成、同玉、32金、11玉、23桂
まで15手詰

 21飛成~23龍は32角を打つためですが、邪魔駒消去でない(41角では詰まない)のが新鮮に感じました。金を手放すと詰まないので、飛車が動いて金の代わりをしているのですね。



柏川悦夫作1952年8月

0385

42角、22玉、32龍、同玉、43歩成、同玉、34角、32玉、43金、22玉、
23角成、同玉、24角成、22玉、23金、11玉、33馬、同桂、12歩、21玉、
32金左
まで21手詰

 
54玉は、64金、55玉、56金、44玉、45金まで。

 これは詰将棋マニアなら誰でも知っている作品でしょう。
 43歩成から34角が何ともやりにくく、23歩をむしり取るあたりも違和感のある手です。
 金田秀信、鳥越九郎の二氏が「難解」と評していましたが、大海に逃れそうな変化を仕込むのも作者の得意技の一つでした。



杉田宇通作「うなぎ釣り」1952年9月

0388

32歩成、同玉、41角、31玉、33飛成、同桂、23桂、同歩、32角成、同玉、
21角、31玉、32歩、22玉、12と
まで15手詰

 3手目41角と打って打歩模様。ここから飛車を捌いて桂を捨てれば角の打ち換えが実現します。
 攻方15歩の意味ですが、これは5手目21と、同玉、32角打、12玉、22飛成、同玉、23角成、11玉のとき、12歩と打たせないための配置です。
 ひょっとしたら43歩は不要駒かと思いましたが、5手目、43桂、同銀、32歩、42玉、52と、同銀、同角成、同玉、74角で詰んでしまうので、必要でした。



金田秀信作1952年10月

0397_2

61飛、41金合、22歩成、同玉、31角、12玉、62飛成、32歩合、同龍、同金、
13歩、同桂、同馬、21玉、33桂、同金、22角成
まで17手詰

 
42玉は、62飛成、52歩合、64角、41玉、22歩成、14香、31角成まで。
 
32玉は、22歩成、同玉、31角以下。
 
41飛(香)合は、22歩成、同玉、31角、12玉、62飛成、42香打、同龍、同飛(香)、13香、同桂、同角成、21玉、33桂まで15手。
 
41銀合は、22歩成、同玉、31角、12玉、62飛成、32歩合(または52歩合)、同龍、同銀、13歩以下15手。

 初手は限定打。合駒選びが大変そうですが、金合のときだけが33と22に利くので、うまく2手延ばしができています。



おわり


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