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2014年12月19日 (金)

中合の意味 その5

⑩不利中合

 玉方不利合駒を中合で行うもの。打歩禁関係です。

若島正作「2013詰将棋解答選手権」チャンピオン戦第3番2013年3月

20132

78桂、同と、96龍、86銀合、同龍、57玉、66龍、同玉、57銀、同玉、
47龍、66玉、84馬、同金、67龍、75玉、65龍
まで17手詰

 
57玉は47龍まで。
 
86歩合は、同龍、57玉、66龍、48玉、57龍、同玉、47龍、66玉、84馬、同金、67龍、75玉、65龍まで同手数駒余り。
 
66同玉は、67歩、75玉、45龍、55歩合、76歩、同玉、86馬まで。

 玉方銀先銀歩です。
 通常、不利合駒は酒井桂史作の46銀合のように攻駒を取り返せる位置に打つものですが、本局ではそれを中合で表現しています。タダ取りです。
 86歩合だと
の変化66同玉で67歩~76歩と打てますが、86銀合なら67銀と打つと76歩が打歩詰になります。
 ただし、まったくのタダ取りではさすがに玉方にメリットがないので、龍馬の利きを絞る意味も兼ねています。



相馬慎一作「相馬慎一個人作品展」③2013年10月

2013103

66金、54玉、65金、同玉、69飛、68金合、同飛、55玉、65飛、同玉、
83馬、74桂、66金、54玉、72馬、63飛、同馬、同玉、73桂成、54玉、
65金、同玉、75飛、54玉、56龍、同桂、55歩、44玉、35馬、33玉、
24馬、44玉、45歩、同玉、35馬
まで35手詰

 
54玉は、72馬、63桂合、64飛、同玉、66龍、65飛合、63馬、同玉、65龍、72玉、84桂、83玉、93飛、84玉、73銀生まで。
 
67歩合は、同飛、54玉、56飛、55金合(同桂は、72馬、55玉、63馬、44玉、45歩、同玉、35馬以下)、同龍、同玉、66金、44玉、45歩、44玉、55歩以下。
 
68歩合は、同飛、55玉、65飛、同玉、83馬、74桂合(54玉は、55歩、44玉、35馬、33玉、24馬、44玉、45歩、同玉、35馬、55玉、75龍以下。74歩合は、同馬、同玉、73桂成、65玉、66歩、54玉、55歩、同玉、75龍、54玉、65龍、44玉、35馬以下)、66歩、54玉、72馬、63歩合、同馬、同玉、73桂成、54玉、55歩、同玉、75龍、54玉、65龍、44玉、35馬、33玉、24馬、44玉、64龍、54香打、45歩、同玉、35馬まで同手数駒余り。
 
68銀合は、同飛、55玉、65飛、同玉、83馬、74桂合、同馬、同玉、66桂、65玉、74銀、55玉、75龍以下。

 玉方金先金歩の中合です。
 
68歩合だと66に打つ駒は歩、そして63の合駒は歩・香・銀・金・飛(桂合は品切れ)のどれでも55に打てます。そこで68金合と打てば66金の形になって55に利きができ、さらに63飛合と飛を渡して、55飛では45に利きができるので35馬、33玉、24馬、44玉で45歩が打歩詰になります。
 63飛合は中合ではありませんが、68金合と連携した不利合駒で、66→55→45と通電しているため玉は55飛も45歩も取れずに感電死の反則。
 2駒以上の利きによって打歩詰に誘致する「グループ不利合駒」の構想でした。
 
この図も飛馬の交点の中合です。攻駒の利きを絞る中合が不利合駒になっているという理解でもいいのかも知れませんが…。


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⑪玉方の利きを止める

藤沢英紀作「詰将棋パラダイス」2006年8月

Para06100778

12銀、22玉、28香、27歩合、同香、25歩合、同香、32玉、23銀生、41玉、
42歩、同玉、43歩、41玉、85角、52香合、42歩成、同玉、36桂、45歩合、
同香、33玉、43香成、同玉、52角成、同歩、44香、33玉、53龍、同歩、
34歩、同馬、22銀生、32玉、33歩、同馬、21銀生
まで37手詰

 玉方馬の利きを中合で遮って、打歩詰に誘致する狙いです。
 中合だらけで複雑ですが、全体像は解説をお読み下さい。
 ここで問題になるのは45歩合です。
 
33玉なら、53龍、同香、34歩と打てますが、45歩合、同香が入っていると馬の利きが届かず、34歩が打歩詰になるというしくみです。


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 ⑫攻方の利きを通す

鈴木康夫作「日めくり詰将棋カレンダー2012」2012年10月14日

201210suzuki

36角生、44玉、42龍、同銀、45歩、55玉、63飛成
まで7手詰

 
36角成は、63歩合、同飛、44玉で、91角の利きが55に及んでいるため45歩が打歩詰。
 
63歩合は、同飛、44玉、45歩、35玉、25金まで同手数駒余り。

 上記藤沢作は玉方が自ら馬の利きを止めますが、今度は攻駒の利きをわざわざ通します。
 中合を取らせることによって攻駒を動かして、その背後にある攻駒の利きを通し打歩詰に誘致する狙いです。
 ただし、本局の場合は紛れ順に潜んでいるので、作意にはあらわれません。



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