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2014年11月 9日 (日)

三上毅好作集

 三上毅(たけし)は1910年生まれ、1985年没。明治生まれです。
 有馬康晴(1907)、岩木錦太郎(1907)、小林豊(1908)、田辺重信(1912)あたりの世代ですね。1980年、『木葉』出版。この作品集には自作35番と『将棋大綱』(門脇芳雄解説)が収められています。一度借りて読んだことがありますが、当時は古図式にも興味がなかったので記憶に残っている事柄は殆どありません。


「将棋月報」1941年4月

Geppo3306

33歩、31玉、53馬、42香、32歩成、同玉、43金、31玉、42馬、同銀、
32香、41玉、63角、51玉、52金
まで15手詰

 眺めているうちに、良い作品だという気がしてきました。
 初手14角と打つのは31玉、53馬、42歩合で詰まないので、歩を叩く一手。
 
42香合が好防で、歩合なら13角、41玉、32歩成、同玉、22香成、33玉、44金まで11手。最後の金を取るための香合です。
 作意は変化をなぞる部分が全くなく、ガラリと変わります。収束の切れがあればなお良かったですね。



「将棋月報」1942年2月

Geppo3498

92歩、同玉、93歩、91玉、61龍、81桂合、同龍、同玉、83龍、82角合、
92歩成、71玉、82と、同銀、62角、81玉、82龍、同玉、73銀、81玉、
82歩、
92玉、93歩、同玉、84銀成、82玉、73角成、81玉、93桂、71玉、
63桂生、同銀、81桂成、同玉、63馬、72歩合、同馬、同玉、73歩、81玉、
72銀、91玉、92歩、同玉、83成銀、91玉、81銀成、同玉、72歩成、91玉、
82と
まで51手詰

 
91玉は、83桂、92玉、93歩、83玉、84銀成、82玉、73角成、81玉、92歩成以下。
 
72桂合は、同馬、同玉、64桂、81玉、72銀、91玉、92歩、同玉、83成銀以下、作意と同手数。

 戦前の作品には珍しい切れそうで切れない中篇(手数は長篇ですが)。
 
72桂合でも作意より短くならず駒も余らない、いわゆる変同ですが、当時は誰も気にしなかったのでしょう。
 ただし『四百人一局集』には、瑕疵のない別の作品を選んでほしかったと思います。



「詰将棋パラダイス」1955年1月

Para54600459

12香、21玉、31歩成、同玉、41と、同玉、42歩成、同玉、43銀、53玉、
54歩、同金、同銀成、同銀、43金、同銀、同と、同玉、56桂、47歩合、
同香、同と、32銀、52玉、64桂、61玉、62と、同玉、72金、53玉、
56香、55香合、同香、44玉、54と、34玉、25と右、同金、35歩、同金、
同と、同玉、36金打、34玉、35歩、24玉、16桂、13玉、25桂、12玉、
24桂、11玉、12香
まで53手詰

 二歩禁回避の香先香歩。有馬作、谷向作に続く三号局でしょうか。
 
12歩は、21玉、31歩成、同玉、41と、同玉、42歩成、同玉、43銀、53玉、54香、同金、同銀成、同銀、43金、同銀、同と、同玉、56桂、34玉、25と左、23玉、32銀、13玉、14歩、同金、25桂、同金、14香、同玉、25と、同玉、17桂、24玉、25金(歩)13玉で逃れ。
 
34玉は、25と左、23玉、32銀、13玉、14歩、同金、25桂、同金、14歩、同玉、25と、同玉、17桂、24玉の局面で、持駒に香があるので、25金、13玉、14香まで。
 最初に歩を打つと香は二枚残りますが、一枚は54に使い、残り一枚を14香と使わないといけない(14歩は二歩)ので詰まないのです。
 最後は還元玉となり、初手と最終手が同じという珍しい形になります。
 駒交換が多いので古風な感じはしますが、同時に迫力も感じます。



「流鏑馬」「詰将棋パラダイス」1955年4月(修正図)

Para71752805

23銀生、同玉、45馬、14玉、13桂成、15玉、14成桂、26玉、27歩、17玉、
44馬、27玉、54馬、26玉、27歩、17玉、53馬、27玉、63馬、26玉、
27歩、17玉、62馬、27玉、72馬、26玉、27歩、17玉、71馬、27玉、
81馬、同龍、63角、26玉、36角成、17玉、35馬、27玉、45馬、26玉、
27歩、17玉、44馬、27玉、54馬、26玉、27歩、17玉、53馬、27玉、
63馬、26玉、27歩、17玉、62馬、27玉、72馬、26玉、27歩、17玉、
71馬、同龍、18歩、27玉、37金、同玉、97龍、26玉、17龍、35玉、
37龍、45玉、46歩、54玉、34龍、53玉、64龍、52玉、63金、41玉、
53桂、51玉、61桂成、41玉、42銀成、同玉、53龍、31玉、51龍、41歩、
21金、同玉、41龍、31歩、22歩、同玉、23歩、33玉、24銀、34玉、
45龍
まで101手詰

 
22銀も可。

 一度修正した後の改良図。『木葉』にはこの図で収録。
 馬鋸で角を取りに行くのが秀逸。角筋に当たってもへっちゃらとばかり動くのが面白い。取れば、21龍で簡単です。
 二度目の馬鋸は、龍の縦利きを消すため。
 三上作ではこれが一番好みです。



「双蝶」「詰将棋パラダイス」1961年1月(改良図)

Para61650060

21飛成、92玉、
32龍、91玉、41龍、92玉、52龍、91玉、61龍、92玉、
83金、同玉、73歩成、92玉、52龍、91玉、41龍、92玉、32龍、91玉、
21龍、92玉、12龍、同馬、83と、同玉、72馬、92玉、83金、91玉、
73馬、81玉、63馬、91玉、64馬、81玉、54馬、91玉、55馬、81玉、
54馬、91玉、64馬、81玉、73桂、91玉、61桂成、81玉、63馬、91玉、
73馬、81玉、71成桂、同玉、72馬
まで55手詰

 
12龍は、同馬、83金、同玉、73歩成、84玉で逃れ。
 
84玉は、64龍以下。

 この図は初出は完全でしたが、その後の配置駒改良で潰れ、それを修正した『木葉』収録図です。
 龍鋸と馬鋸の一往復。

 12龍と早まると、74歩が邪魔で、成っても84玉と逃れるので、これを阻止しながら香先を軽くしておくのが肝要で、これが龍鋸の目的です。



「本能寺」「詰将棋パラダイス」1962年1月

Para66704962

56飛、
44玉、54飛、同と、62馬、55玉、73馬、64飛合、同馬、同と、
56飛、45玉、75飛、同と、63角成、34玉、54飛、44金合、同飛、同香、
35金、23玉、32銀生、12玉、21銀生、23玉、15桂、同歩、24歩、14玉、
26桂、同歩、36馬、同と、25銀
まで35手詰

 
45玉は、46飛、34玉(同桂は67角、64玉、65歩、同玉、46銀、44玉、64飛、54歩合、36桂、同香、45銀、33玉、34銀、44玉、53銀、55玉、66馬まで)、43飛成、同玉、32銀生、44玉、46香、45金合(同桂は64飛、54香合、62馬、55玉、66銀、45玉、67角、56歩合、65飛、55金合、同飛、同香、44金まで)、同香、同銀、43金、55玉、56歩、同銀、同銀、同玉、57馬、45玉、56銀、34玉、35馬まで23手。
 
54飛、同玉、63馬、65玉、74馬、55玉、56銀、44玉、36桂、同香、35銀、33玉、34歩、23玉、32銀生、12玉、21銀生、23玉、33歩成、同玉、32銀成、23玉、24歩、12玉、22成銀、同玉、34桂、33玉、23歩成、同玉、24香、33玉、32と、同玉、22桂成以下の余詰。
 
44歩合は、、同飛、同香、35金、23玉、32銀生、12玉、21銀生、23玉、24歩、同玉、36桂、同と、16桂、23玉、24銀まで33手。
 
44角合は、同飛、同香(同玉は36桂、同香、35銀、55玉、73角以下)、43角、24玉(同玉は、32銀生、34玉、35歩、24玉、16桂まで)、16桂、23玉、32銀生、12玉、23銀、同玉、24歩以下31手。

  この図は既に紹介しましたが、あらためて。
 初出は不完全、『木葉』収録図はさらに不完全箇所が増えていますので、1970年9月号の図です。
 柏川作に続く玉方金先金歩二号局です。
 二号って、何かうら悲しさが漂いますね。 ……決してあらぬ想像をしないよーに。

 よく見ると、桂合、香合ができなくなっていて、合駒選択の余地があまりないのが残念ですが。
 不完全バージョンの中ではこの図が一番修正しやすく、玉方78歩追加で良いです。



「詰将棋パラダイス」1974年2月

Para71753322

44金、35玉、33金、24玉、35角成、同玉、34金打、45玉、56銀
まで9手詰

 
54金は、24玉、33銀打、14玉で逃れ。12桂がないと、この33銀打で詰んでしまいます。

 香の利きを止める金のソッポ行き。
 攻方22歩は、
34金打、同香、同金、同玉、36龍、24玉、33銀生、13玉、31角成以下の余詰防止駒です。



「詰将棋パラダイス」1976年5月

Para76800440

11桂成、同玉、22角成、同玉、13角成、同玉、33飛、23角合、14銀、同玉、
26桂、24玉、34金、同角、同飛成、13玉、33龍、23飛合、24角、12玉、
23龍、同玉、15桂、12玉、13角成、同玉、33飛、22玉、23桂成、21玉、
22歩、11玉、31飛成
まで33手詰

 
24桂は、23玉、22角成、同玉、32金、同銀、12飛、33玉、32飛成、44玉で逃れ。
 
23歩合は24銀から33金。
 
23金合は、22角、12玉、24桂、同金、13角成以下。
 
22角は、12玉、24桂、同飛、13角成、11玉で逃れ。

 半期賞受賞作。
 解答者36名のうち無解者24名だったそうです。駒取りが多いので、難しいですね。
 銀が品切れになっているので合駒制限かと思いましたが、
23銀合でも詰むので、51銀は51金にしたいところながら、それでは14龍、22玉、13角、32玉、34龍、33飛合、31角成、同玉、33龍、32銀、23桂、41玉、31飛、52玉、51飛成、同玉、53龍以下の余詰になるのでした。51銀だと53龍に61玉で助かっています。
 55歩は、初手から24桂、23玉、22角成、同玉、66角以下の余詰防止駒です。



 なお、作者は飛打に角合とする筋を以前にもつくっていて、執着があったのかもしれません。

「詰将棋パラダイス」1959年11月

Para54604417_2

73銀成、71玉、82金、同龍、同成銀、同玉、93龍、同玉、75馬、同歩、
73飛、83角合、94銀、同玉、86桂、84玉、74金、同角、同飛成、93玉、
73龍、83飛合、82角、92玉、93歩、81玉、71角成、91玉、92歩成、同玉、
83龍、同玉、93飛、84玉、94飛成、73玉、74龍
まで37手詰

 作者には、玉方持駒(歩7枚)のある準煙詰(攻方22歩が残る)、433手の長手数作などもありますが、ここで紹介する作品ではないと思いましたので悪しからず。

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