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2014年11月 4日 (火)

「将棋月報」好作集 その6(最終回)

 「将棋月報」好作集第六弾です。
 次の3局を飛ばしていました。

佐藤千明作1943年2月

3984

52銀、同金右、43桂、同金右、52銀、同金、63桂、同金、52金
まで9手詰

 岡田秋葭作に匹敵するような出来。うまいうまい。



佐藤千明作1943年2月

3985

22飛、11玉、23桂、同角、12歩、同角、21飛成、同玉、13桂、11玉、
22角
まで11手詰

 角を動かして12地点を塞いでおいて飛車捨て。この図も見事ですね。



山田進作1943年3月

4029

25金、同玉、26銀、同玉、44角、15玉、35飛打、25香合、同飛、同歩、
24銀、同玉、35飛成、23玉、24香、12玉、32龍、同銀、22角成
まで19手詰

 
同歩は、24銀、同玉、23飛打、15玉、24銀、26玉、53角まで。
 
26玉は、25飛、同玉、35飛成まで。
 
25桂合、銀合、角合は、取って24銀、同玉、35飛成、23玉、33角成で24桂、または23銀、23角。

 44角と中途半端な位置に打つ(33地点に利かせるため)のが面白く、さらに35飛と重ね打ち。収束も鮮やか。
 この作者は月報に5局、詰パラに1局発表していますが、かなりのセンス。本局はそのなかでも特に良いです。



岡田秋葭作1943年7月

4180

18金、同玉、19歩、29玉、28金、19玉、29金、同玉、82金、18玉、
19歩、同玉、83金、29玉、73金、18玉、19歩、同玉、74金、29玉、
64金、18玉、19歩、同玉、65金、29玉、55金、18玉、19歩、同玉、
56金、29玉、57金、18玉、27銀、同玉、37角成、16玉、38馬左、25玉、
47馬上、35玉、46馬直、44玉、55馬、53玉、64馬、52玉、42成香、61玉、
53桂、71玉、82馬、62玉、73馬左、53玉、64馬右、44玉、62馬、33玉、
43成香、同玉、53馬引、33玉、55馬、32玉、54馬上、22玉、31馬、同玉、
21銀成、41玉、31飛、52玉、53歩、62玉、32飛成、73玉、72龍、84玉、
85歩、同玉、63馬、86玉、83龍、76玉、85龍、77玉、87龍、68玉、
58金、同玉、57龍、69玉、36馬、78玉、87龍、68玉、59銀、同玉、
57龍、49玉、27馬、39玉、59龍
まで105手詰

 
18同香成は、82馬、29玉、28馬、同成香、同角成まで。
 
83歩合は、同馬、18玉、19歩、同玉、73馬、29玉(28銀合は同馬、同玉、81金、18玉、19歩、29玉、38銀まで)、74馬、18玉、19歩、同玉、64馬、29玉、65馬、18玉、19歩、同玉、55馬、29玉、56馬、18玉、19歩、同玉、46馬、29玉、47馬、18玉、19歩、同玉、37馬、28金合、同馬、同玉、81金、29玉、28金、19玉、27金以下。

 作者は1943年4月、19歳の若さで他界しました。これは没後の発表作。
 金鋸です。金は、絶えず一方の角の利きを止めながら動かないと打歩詰になります。歩を叩きながらの鋸引はリズミカルで新機軸。その目的は57桂を入手することにあります。
 金鋸が終わったあとは二枚馬の追撃ですが、龍馬追いにせず、そのまま収束できたのではないでしょうか。手数をかけて下段の金銀まで消さなければならなかったのかどうか。
58馬のキズがあってはなおさらそう思うのですが。この点、残念。



有馬康晴作1943年9月

4237

62香、52玉、53歩、63玉、64歩、73玉、65桂、72玉、73歩、62玉、
52歩成、同玉、53角成、61玉、72歩成、同玉、73桂成、同玉、63歩成、同桂、
83と
まで21手詰

 
62歩は、52玉、53歩、63玉、64香、73玉、65桂、72玉で73歩が打歩詰。
 
64同角は同銀成、62玉、52歩成、同玉、53角成、61玉、62歩、72玉、61角まで。

 打歩詰回避の香先香歩です。8月号発表時余詰で、これは修正図。
 作者は『象戯手段草』第75番の先行作を知っていたのでしょうか。それとも知らずにつくったのでしょうか。
 いずれにしても、この修正図も不完全です。6筋のどこに香を打っても詰む。一例として、
 
64香、63歩合(64同角は62歩、52玉、64桂、41玉、33桂、同金、同角成以下)、同香生、同桂、62歩、52玉、33角成、44角、42歩、31玉、23桂、同金、32歩以下。
 これを直すのはなかなか難しいと思います。



麻植長三郎作1943年8月

4240

42銀、同龍、52金、同龍、33桂、51玉、63桂、同龍、41桂成、61玉、
53桂、同龍、72金
まで13手詰

 
31玉は、42金、22玉、21飛、同玉、32と、12玉、22金まで11手。

 初手龍を呼んで質駒にしておけば52金に31玉とできない。以下、桂使いが巧みです。
 玉方13金は余詰防止ではなく、退路塞ぎです。
 どうやら44飛は不要駒のようで、これがなければ傑作と評価されたかもしれません。



有馬康晴作1943年8月

4241

73歩、61玉、52銀、71玉、72歩成、同玉、63角成、71玉、53角成、82玉、
64馬右、71玉、72歩、81玉、82歩、同銀、71歩成、同玉、53馬上
まで19手詰

 派手な捨駒があるわけでもなく、妙手があるわけでもありませんが。
 12手目の局面と18手目の局面の違いは91銀が82銀になっているだけ。玉方の銀で退路塞ぎをしたわけですが、心惹かれる作品。



杉本兼秋作1943年12月

4441

12歩、同玉、13歩、同桂、23金、11玉、22金、同銀、12歩、同玉、
45角、21玉、12角成、同玉、24桂、21玉、32桂成、12玉、22成桂、同玉、
23銀、11玉、12歩、21玉、32と
まで25手詰

 12歩と打つ手が三回。22金と単騎で突っ込み、邪魔駒54角を消去するあたりが見せ場でしょう。玉方26とは、初手から23桂生、12玉、13歩、同桂、同金、25桂…の余詰防止駒です。



作者不明1944年2月

4550

35香、同龍、22銀、同玉、44角、同龍、31角、同玉、32飛、41玉、
42歩、51玉、31飛成、62玉、61龍、同玉、71歩成、62玉、73金、51玉、
63桂、同金、62金、同金、63桂、同金、52歩、62玉、72香成
まで29手詰

 
22銀は、同玉、44角、13玉で逃れ。
 
13玉は、35角、24歩、25桂、12玉、13歩、同桂、23角以下。

 廃刊記念号に出題された、作者が分からない作品。
 月報では、出題時は作者名を伏せていたのでしょうか?
 その5で紹介した三桂三段跳びの図でも解説に「解答者もその内容より推して有馬氏作ならんと」云々とありましたが。
 3筋の龍の利きを外すために、わざわざ角が取られる位置に龍を呼んでおくのが不思議な感じですが、これは
13玉の変化に備えて質駒にしておく意味です。
 以下の小技もうまく、好作と思います。


この通り、出題時には伏せ、不完全だった場合も作者名は明らかにされませんでした。



 岡田秋葭の作品はもっと紹介すべきだったかもしれませんが、裸玉二号局などは誰でも知っていますし、紹介し出すとキリがないので、最小限にしました。

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