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2014年8月12日 (火)

打歩詰大賞6

発表「詰棋めいと」2002年5月

第6回優秀賞
山田修司氏作「不利逃喪失」「詰将棋パラダイス」2000年8月

339

83銀生、95玉、77角、96玉、76飛、86歩合、97歩、
同玉、86角、96玉、
97歩、同桂生、77角、86歩、同飛、95玉、94銀成、同玉、95歩、同玉、
96歩、94玉、83飛成、同馬、95歩
まで25手詰

 
97玉は、86角、96玉、97歩、同桂不成、77角、86歩合、同飛、95玉、94銀成、同玉、95歩、同玉、96歩、94玉、83飛成以下2手早い。
 
86桂合は、97歩、同玉、86角、96玉、97歩、同桂成(同桂不成は、77角、86歩合、同飛、95玉、87桂まで)、77角、86歩合、同飛、95玉、96歩、同成桂、85飛まで。
 95玉は、86角、84玉、73飛成、同飛成、95角打、83玉、73角成、94玉、84飛まで。

 A同飛は、97玉、87飛、95玉、97歩、同桂不成、86 飛、95玉、94銀成、同玉、95歩、同玉、96歩、94玉、83飛成、同馬、95歩まで23手でぴったり詰むように見えますが、97玉とせず95玉と桂を取らせる不利逃避をされ、以下85飛、96玉、86飛、97玉、87飛、96玉で打歩詰となります。

湯村光造氏選評
 山田氏作は7手目、86歩合を同飛と取ると、97玉なら87飛、96玉で97歩が打て、同桂生、86飛…で作意手順に入って23手詰になるが、これは偽作意。同飛に一旦95玉としてわざと85桂を取らせるという不利逃避によって、以下96玉、86飛、97玉、87飛、96玉と戻ったときに(取歩駒の85桂がなくなっているので)打歩詰になってしまう。
 そこで同飛とせず、97歩、同玉、86角、96玉、97歩、同桂生としてから77角とすれば、86歩合、同飛、96玉で先ほどの偽作意手順と同じ状態になれるのである。以下は先打突歩詰の基本手筋で詰み上がる。
 あっさりとこの作意手順に入ってしまうと作品の意図がのみ込めないきらいはある。作者が「不利逃喪失」と名付けたのは、7手目97歩以下の手順を踏むことによって96玉の状態が不利逃避ではなくなってしまうという意味を暗示したものであろうか?
 詰方としては85桂に取歩駒として働いてもらうように、これを取らない攻め方をするのが本局の狙いで、これで不利逃避による打歩詰誘致を予防している訳である。このような不利逃避予防は初めてであり、新しい表現で実現した点を評価して優秀賞とした。


第6回佳作
長谷繁蔵氏作「詰将棋パラダイス」2000年1月

4210

36銀、14玉、25銀打、13玉、79馬、68香合、同馬、同桂成、14香、23玉、
35桂、同香、34銀、同玉、43龍、24玉、35銀、同玉、45龍、24玉、
25香、14玉、34龍、13玉、23香成
まで25手詰

 
69馬は、26玉で逃れ。
 
24飛は、同玉、44龍、25玉で逃れ。
 
26玉は、24飛、37玉、47龍まで。
 
同香は、45龍、14玉、34龍、13玉、14銀、12玉、13歩、同角、同銀成、同玉、24角、12玉(22玉は、33角成、12玉、11馬、13玉、14金まで23手)、11桂成、同玉、31龍、21合、22金まで23手。
 
68歩合は、同馬、同桂成、14歩、23玉、15桂、同と、24歩、12玉、13歩成、同角、32龍、22金、23歩成、11玉、22龍以下23手。
 
68香合だと、24歩が打歩詰。そこで35桂から打開します。玉方香先香歩だったというわけです。


第6回佳作
三角淳氏作「詰将棋パラダイス」2000年2月

4211

45桂、
同飛、63歩成、同玉、45馬、同金、73と、同玉、93飛、83香合、
同飛成、同玉、81飛、74玉、84飛成、63玉、54龍、73玉、82銀生、同玉、
85香、83歩、同香生、73玉、84龍、63玉、53角成、同玉、54龍、42玉、
43歩、33玉、32と、同玉、22香成、同玉、24龍、同銀、23桂成、31玉、
32歩、41玉、53桂
まで43手詰

 
45同金は、63歩成、同玉、45馬、同飛、73と、同玉(同香は、84金、63玉、53飛まで)、53馬、74玉、75金、83玉、82飛以下。金を入手すると簡単だが、飛だと面倒になります。玉方不利取駒というほどでもないでしょう。
 
83歩合なら、同飛成、同玉、81飛、74玉、84飛成、63玉、53馬、同玉、54龍、42玉、43歩で作意に短絡します。ところが持駒香になったために、この手順では43香となってしまい、32歩で打歩詰。
 85香、83歩合で歩に変換成功。同香不成と取るのも良いですね。
 本局も玉方香先香歩。こちらは香歩不利交換で打歩打開を図ります。


第6回佳作
清水英幸氏作「詰将棋パラダイス」2000年3月

4212

23角成、58桂成、66桂、同角生、83玉、94歩、55歩、同角、43銀生、53玉、
52銀引成、同銀、54歩、63玉、75桂
まで15手詰

 空前絶後の怪著『詰む将棋パラダイス』で詰棋界を震撼させた清水氏。恐ろしい形ですが、さて。

 初手は、隙あらば22銀を取る狙いで成限定。ただし、12角成では玉方龍の横利きが止まらないのでダメ
 
58とでは43銀生、53玉、54歩、同銀、52銀引成、63玉、83龍までなので逆王手は当然。
 
66同角成は、73玉と入り込み、64香合(玉方に銀がないので84銀とは打てない)、55歩、同馬、43銀不成、53玉、52銀成、同銀、54歩、同馬、42銀不成まで。
 
84金合は、43銀不成、55玉、56歩、同馬、22馬(23角成の意味)、33金合、44銀、同金、同馬まで同手数駒余り。
 
73玉は、94歩、55歩、同角、43銀生、53玉、54歩、同銀、52銀引成、同銀で54歩が打歩詰。
 
84金は同龍、同角で逆王手ではない。
 玉方角の成・不成で玉の動く位置が違うというわけです。なお、35成桂は、
57桂合を防いだものです。
 「詰む将棋」でないのは確かです。


第6回佳作
近藤諭氏作「詰将棋パラダイス」2000年7月

4213

23香、31玉、51龍、41桂合、22香成、同玉、24香、33玉、53龍、同桂、
34銀、44玉、45歩、同桂、43銀成
まで15手詰

 
24香は、33玉、53龍、同香、34銀、44玉で45歩が打歩詰。
 
23香成は、44玉、35銀、45玉で46歩が打歩詰。
 
33玉は、53龍、同香、24銀、44玉、45歩、同玉、35馬まで。
 
41歩合は、22香成、同玉、24香、31玉、23桂生、22玉、11桂成、23合、21飛、13玉、53龍まで同手数駒余り。
 桂合を発生させて、最初はうまくいかなかった24香と打てば、跳ねた桂が取歩駒になるというしくみです。


第6回佳作
拙作「詰将棋パラダイス」2000年12月

4214

47角、同桂成、15飛成、36玉、37歩、同成桂、45龍、同玉、46金
まで9手詰

 58角と離すと、47桂成、15飛成、36玉で47歩が打歩詰。
 
47同角は36香で逃れ。
 取らせ短打です。
 この時点では何局もつくられていて、これは僥倖というか大甘でした。


 取らせ短打としてよく知られているのは、次の塚田賞受賞作です。

柳田明氏作「近代将棋」1982年5月

013

45飛、同銀、27飛、26歩合、同飛、35玉、24角、同金、36歩、同銀、
25飛、同玉、26馬
まで13手詰

 55飛は、45銀、27飛、26歩合、同飛、35玉で36歩が打歩詰。

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