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2014年8月 9日 (土)

打歩詰大賞3

重要なお知らせ
第1回打歩詰大賞佳作の斎藤仁士氏作は余詰と書きましたが、「詰棋めいと」結果発表号は誤図で、玉方23歩が脱落していたことが判明しました。完全作です。
お詫びして、訂正致します。

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 第3回も結果発表号は持っていません。しかし、受賞作は知っているという (^^;

発表「詰棋めいと」1998年6月

第3回大賞
山田修司氏作「砂中の金」「近代将棋」1997年4月

86993735

36金、同銀、27金、同銀、同飛、16玉、17銀、同桂成、46飛、同と、
23飛成、27成桂、同龍、15玉、14と、同玉、47角、36桂合、23龍、15玉、
16歩、同玉、28桂、同桂成、25龍、17玉、29桂、18玉、16龍
まで29手詰

 構想派の巨匠、山修登場。こののち、打歩詰大賞は山田氏の独壇場となります。
 23飛成は、38とで逃れ。
 26合は、同飛上、15玉、14と、同玉、23飛成以下。
 27歩合は、同角、同成桂、同龍、15玉、14と、同玉、15歩、同玉、16歩以下。
 27桂合は、同角、同成桂、同龍、15玉、14と、同玉、23龍、15玉、16歩、同玉、28桂、17玉、27龍まで25手。
 作意27成桂は、同角と取ることができず、結果としてそのまま残るので、23龍なら15玉で16歩が打歩詰。
 これは新手筋で、「歩詰手筋分類表」では、
  「囲い駒を残す  (玉方駒の捨合で)        *B64  山田修司(近将97-5)」
と改定されています。この場合は捨合というより移動捨合だと思いますが。
 47同とは、23龍、15玉、16歩、同玉、28桂以下。
 36歩合は、28桂を取れないので早い。

 『夢の華』によると、確かに一号局ではあるが、下記の二上九段作では作意には出ていないものの、この移動捨合が基調になっているとして「素直には喜べない」とあります。

二上達也氏作『二上詰将棋』1974年1月

238

39角、28角合、同角、同と、18歩、同と、28角、同と、同龍、16玉、
15と、同玉、24龍、16玉、17歩、同玉、28龍、16玉、17歩、15玉、
24龍
まで21手詰

 39角は、28とで打歩詰。作意に出ていないとは、このことです。


 当初、下記の図が大賞と思い込んでいました。受賞作ではありませんが、せっかくなので、このまま載せておきます。

山田修司氏作「奇妙な合駒」「詰将棋パラダイス」1997年11月

3344

85金、同馬、86銀、同馬、96歩、同馬、59角、86馬、同飛成、94玉、
93銀成、同玉、48角、66桂合、同角、同と、82龍、94玉、76角、同と、
86桂、同と、95歩、同玉、86龍、94玉、95歩、93玉、82龍
まで29手詰

 初手単に86銀と取ると、94玉で83飛が浮いているためどうしても詰みません。
 85同桂は、86銀、同馬、93飛成、94合、84角まで。
 94玉は、93銀成、同馬、85飛成まで。
 86同飛成は、94玉、93銀成、同玉、48角、66歩合(桂合は同角、同と、82龍、94玉、85角、同桂、86桂以下詰む)で逃れ。
 59角は限定打、後の活用を見ています。
 86歩合は、同角、同馬、同飛成、94玉、93銀成、同玉、94歩、同玉、95歩、93玉、82龍まで。
 86桂合は、同角、同馬、同飛成、94玉、93銀成、同玉、82龍、94玉、76角、85銀合(歩合は86桂以下)、同角、同桂、86桂、95玉、93龍まで。
 68歩合は、同角、86馬、96歩以下。
 77桂合は、同角、86馬、同飛成、94玉、93銀成、同玉、82龍、94玉、76角、85合(銀合は同角、同桂、95銀)、86桂以下。万事窮したようですが、単に86馬が妙防。
 66歩合は、同角、同と、94歩、同玉、95歩以下。
 75桂合は、同角、同歩、82龍、94玉、76角、同歩、86桂、95玉、93龍、84玉、94龍、75玉、74龍まで2手早い。57桂合も76角と打たれるために早い。いずれにせよ76角は打たれるのですが、86桂を取り切るために、と金を寄せる66桂合が正解です。
 本局のポイントは、96歩と二歩禁を解消しておくこと、桂合を強要する59角~48角の活用で、終始緩みない手順が続く傑作だと思います。


第3回優秀賞
市島啓樹氏作「詰将棋パラダイス」1997年11月

328

34金、45玉、44金、同玉、71角、53龍、同角、同銀、45飛、同玉、
23角、
34飛合、同角成、36玉、37飛、26玉、15銀、同金、36飛、同玉、
37歩、26玉、66龍、同と、27歩、同玉、45馬、26玉、36馬
まで29手詰

 まずは邪魔駒消去からスタート。これをやっておかないと53歩合で23角に36玉で詰みません。25金がなければ、そこで14角成。
 53歩合は、同角、同銀、23角、34歩合、同角成、36玉、47歩、26玉、15銀、同金、27歩以下。
 62(53)桂合は、取って36桂で45歩と打つのと同じことです。歩合でも飛合でも45から打つ一手なのです。
 
34歩合は、同角成以下、53歩合と同じ手順になります。
 
34桂合は、同角成、36玉、28桂、26玉、15銀、同金、27歩以下。飛を渡したために飛合が可能になり、これを回収すると打歩詰になるというのが作者の描いた構想です。
 龍の不利移動合と、飛の不利捨合、飛歩不利打替えが現れる贅沢な内容で、半期賞も受賞しています。

作者
「ファーストトライでは舞台設定がまずく、できたことはできたが盤面20枚を軽々超える超悪形。ここでくさらずにもう一度舞台装置探しからやり直したのが幸いし、まったく無駄のない初形と手順にできた。詰パラ500号の記念号に掲載されたこともあり、おそらくは私の代表作になると思う。
 創作の際は安江久男氏、波崎黒生氏(氏は中学の?年先輩)の両氏をはじめ、多くの方に大変お世話になった。この場で御礼申し上げたい。」

 「舞台装置探しからやり直した」というところに共感を覚えます。しかし安江氏や波崎氏が絡んでいたのはズルイ。(笑)


第3回佳作
三角淳氏作「近代将棋」1997年6月

3346

97香、96角合、同香、同玉、69角、95玉、94龍、86玉、84龍、77玉、
87龍、68玉、78龍、57玉、58龍、46玉、47龍、35玉、36龍、24玉、
25龍、33玉、42銀生、同玉、22龍、51玉、41と、同玉、14角、51玉、
41角成、同玉、53桂生、51玉、61桂成、同玉、71と、同玉、73香、81玉、
72香成、92玉、73成香、93玉、82龍、94玉、83龍、95玉、96歩、同玉、
87金、95玉、86金
まで53手詰

 14角は邪魔駒消去。これを省略すると、96歩が打歩詰になります。若島さんの「夢想の研究」(詰パラ2014年8月)の受け売りですが、本局も第1回佳作の斎藤氏作も龍追い自体が目的なのではなく、手段であることは明らかですね。
 還元玉になることも狙いなのでしょう。


第3回佳作
斎藤吉雄氏作「くもの糸」「詰将棋パラダイス」1997年11月

3347

44龍、45桂合、48歩、46玉、55龍、36玉、56龍、46角成、25銀、同と、
46龍、同玉、13角、24桂合、47歩、同玉、25馬、36桂、46角成、同玉、
48飛、同桂成、47歩、同成桂、35馬
まで25手詰

 看寿賞を受賞した名局です。ハイ、そこ正座っ!

 46銀合は、48歩、36玉、35と、同と、25銀、同と、34龍以下。46角成でも同様。
 45歩合は、48歩、46玉、55龍、36玉、56龍、46角成、同龍、同玉、73角、36玉、27馬、同玉、37角成で詰みます。このとき45桂合ならこれを同桂と取れるというわけ。
 45同龍は、46金合で逃れ。
 46歩合は、25銀、同と、同馬、同玉、45龍以下。
 46銀合は、同龍、同角成、25銀打以下。
 46金合は、同龍、同角成、27馬、同玉、28飛、16玉、17金まで。
 46同龍、同玉、73角は、上記のように45桂合では詰まないため、13角を打つためにと金を移動します。
 24歩合は、47歩、同玉、25馬、36金合(同歩は48歩から35角成)、48歩、46玉、24角成、35合、同馬以下。
 35歩合は、47歩、同玉、25馬、36歩、46角成、同玉、48飛以下。35桂合も47歩、同玉から25馬です。しかし、35歩合は解決のヒント。36歩と移動合すれば48歩が打歩詰になるので。作意24桂合は、移動合で48に利いてくるので48飛を取れるというわけです。

 変化、紛れも有機的に構成されていて、実に見事な作品です。


第3回佳作
鮎川まどか氏作「詰将棋パラダイス」1997年11月

3348  

64金、同銀、同と、同玉、53銀生、55玉、66金、同玉、57銀、同歩成、
61龍、64金合、同龍、同と、77銀、65玉、66金、74玉、64銀成、同玉、
84龍、74歩合、56桂、同角生、63金、54玉、74龍、同角、65金、同玉、
66歩、54玉、55歩、同玉、45馬
まで35手詰

 物凄い形をしています。これで何もなかったら、小一時間罵声を浴びせたい。(^^;
 初手66金打や66金はすぐに切れるので64金しかありません。
 同とは、同と、同玉(同銀は66歩、74玉、84龍、同玉、95金、74玉、94龍まで。74玉のところ54玉は、51龍、53合、55香以下)、63桂成、65玉(同玉は、73香成、54玉、84龍、64金合、51龍、65玉、75金以下)、66歩、同銀、同金、同玉、77龍、55玉、45馬、65玉、66銀以下。
 53同とは、61龍、74玉(63歩合は、同桂成、54玉、55歩、同玉、45馬、65玉、66銀、74玉、72龍まで。54玉のところ、同とは、73銀、54玉、55歩、同玉、45馬以下)、63銀、65玉、66金、同玉、74銀生、64合、77龍、55玉、45馬まで。
 46玉は、56金、37玉、47龍、同玉、97龍、58玉、47角、48玉、57龍、37玉、46龍、48玉、49歩、同玉、16馬、48玉、38馬、59玉、57龍まで27手。読みたくない変化です。
 61龍は、55玉、64龍、46玉、47龍、同玉、56馬、48玉、68龍、58歩合で逃れ。
 55玉は、57龍、56合、66龍引まで。
57銀は、57龍と回るためだったわけです。
 64歩合は、同龍、同と、77銀、55玉、45馬、65玉、66歩、74玉、64銀成、同玉、84龍、53玉、44龍、52玉、53歩、61玉、72金まで。
 65玉は、66歩、74玉、64銀成、同玉、84龍、74歩合、63金、54玉、55歩、同玉、45馬まで。このとき、66歩が66金なら55歩が打歩詰になるというのが作者の狙いです。
 65歩合は、77龍、55玉、57龍、56歩合、同馬以下。
 64香合は、同龍、同と、67香以下。
 64銀合は、44馬、55金合(55歩合は、77龍、65玉、54馬、同玉、64龍以下)、同馬、同玉、57龍、65玉、64銀成、同と、同龍、同玉、73銀、65玉、64金、76玉、77龍、85玉、86歩、95玉、84銀生、同玉、85金、93玉、97龍まで同手数駒余り。うーん、罰ゲームを受けているみたい。
 結局金合が最善。玉方金先金歩です。
 63金なら、54玉で打歩詰。作意56桂は、角が不成で動くか成るかの打診の手です。
 56同角成なら63金、54玉、55歩、同馬、同金、同玉、73角、65玉、64角成まで2手早い。
 角不成と決まったら、66金を66歩に打ち替えて打歩詰を打開します。
 金合と銀合の切り分けがもう少し明快にできていたらという気がしますが、とにかく力のこもった作品でした。

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コメント

『めいと』の図面は、特注のハンコを押して作成していたと思います。
コピペができませんから、脱落を含め、誤図の危険があり大変だったでしょうね。

当方、一応図面の誤植は書籍ではまだないのですが、将棋世界のとき、浦野七段(当時)担当の
詰将棋サロンで駒脱落のため不詰をやらかしています。汚点です。

解答欄魔さま

「詰棋めいと」の初めの頃の駒文字は苦手でした。
「近代将棋」の駒文字は良かったなあ。
誤字くらいならたいしたことはないと思いますが、誤図は大変ですね。
私は一回だけ、パラで誤図を出されて、再出題されたことがあります。

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