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2014年8月31日 (日)

小西稔好作集

 小西稔は1933年生まれ、1954年没。奥園幸雄と生没年とも同じ。
 湯村光造、小川悦勇、植田尚宏、
竪山道助の各氏も1933年生まれです。

 1951年6月の「旧パラ」から、1955年7月「風ぐるま」の遺作集まで、発表作は84局のようです。完全作は54局と思われます。

 では、発表順に紹介します。

「近代将棋」1952年2月

Konisi195202_2

22角、同玉、33歩成、同玉、34金、22玉、33角、同桂、23金、同玉、
24歩、22玉、34桂、21玉、32飛成、同玉、23歩成、同玉、22金
まで19手詰

 初入選作は余詰でした。これが2局目の発表作。
 初手から、42角、同金、22角の筋は41玉で切れます。
 33角と打ち込んでの23金は新鮮な感じがしますが、どうでしょうか。



「近代将棋」1952年9月

  Konisi195209_2

86桂、同飛生、83銀生、同飛、85金、同飛、95歩、同飛、86桂
まで9手詰

 今となってはよく見かける筋ですが、この頃はまだ目新しさがあったかもしれません。
 初手いきなり83銀生は同飛成で逃れ。そこで86桂と打って、同飛成なら95歩と打てるので不成を余儀なくさせておきます。
 なお、玉方72香は、初手83銀生、同飛成、85金、同龍、同馬、83玉、75桂とする余詰を防ぐ配置です。
 ただし、91桂を71桂にしておけば72香は不要でした。



「詰棋界」1953年3月

Konisi195303

32飛生、13玉、24銀、14玉、15銀、13玉、24角成、同歩、14歩、23玉、
33銀成
まで11手詰

 こ、これは!?
 わざわざ駒を取らせる不利逃避??
 
24同歩は22飛成から24龍。
 変化の底が浅いので簡単ですが、不利逃避と言えるのではないでしょうか。
かと思うような玉の動きが気になる作品でした。(笑)




「将棋世界」1953年6月

Konisi195306

33飛、同桂、23金、14玉、12金、15玉、14角成、同馬、16飛、25玉、
26金
まで11手詰

 代表作として喧伝されている作品です。
 初手23飛、14玉、43飛成は、32銀と角を取られて逃れ。これがあるので、わざわざ桂に取られる33飛は打ちがたい味があります。実は桂の利きを13から外すのが狙いなのです。
 そして3手目、今度はやぼったく金打ち。ここでも23飛から33飛成や22飛成が見えるところです。

柴田昭彦氏『三百人一局集』より

「現在では12金とソッポへ行く手は珍しくはないが、当時は正に奇手であった。本作は角を利用してのソッポ行き第一号局である」


 ところで、この図とともに流布しているのが次の図です。

Konisi197802

 初手25桂、同馬、33飛以下13手詰。

 これも同書・柴田氏によれば「北原義治氏が詰パラに『私の好きな詰将棋』という作品紹介のコーナーを担当していた時に13手詰として紹介しておられる。北原氏も作者と文通しており、改良案として示したのが13手詰だったので、勘違いして13手詰の方を紹介したものと思うのだがどうだろうか」とのことですが、何より問題なのは、この13手詰(北原氏の図は41銀)には余詰があることです。
 初手より23飛、14玉、43飛成、25玉、26歩、同馬、同金、同玉、46龍、36桂合、37角、27玉、26飛、18玉、19金、17玉、29桂まで。

 正確さでは抜群の信頼性を誇る『詰将棋工学母艦』もこちらを採用しているとは・・・。
 『古今短編詰将棋名作選』にもこの13手詰で収録されていますが、今後は11手詰(41銀配置)の原図を引用しなければなりません。

古今短編詰将棋名作選』、右『詰将棋工学母艦』


「将棋世界」1953年9月

 Konisi195309

31飛成、同玉、42飛成、21玉、22歩、12玉、34馬、同歩、21歩成、同玉、
33桂
まで11手詰

 4手目21玉の局面と10手目21玉の局面との大きな違いは、33歩が34歩になっているかどうか。
 易しいが、うまさを感じる作品。



「将棋世界」1953年10月

Konisi195310

22飛、11玉、12飛成、同角、33角、21玉、22角成、同玉、33銀打、21玉、
22銀打
まで11手詰

 初手12銀とか22銀などとやってみたくなりますが、12銀は同角で、22銀は同玉、33銀打、21玉で詰みません。飛を打っては捨て、角を打っては捨てというリズム感が秀逸。



「近代将棋」1953年11月

Konisi195311_4


13桂生、22玉、23銀、13玉、22銀生、同玉、13銀、21玉、23龍、22金合、
11歩成、同玉、22銀成、同角、12金
まで15手詰

 『近代将棋図式精選』に収録された作品です。
 初手23龍は、22角と移動合されて33桂、31玉、41桂成、同玉、43龍、31玉で逃れ。
 
同角は、11歩成、31玉、42銀、22玉、31銀打、11玉、13龍、12合、22銀まで11手。
 跳ねた桂が邪魔駒になってしまうのが面白いですね。



「近代将棋」1954年3月

Konisi195403

13銀、同玉、11飛、12角合、25桂、22玉、21飛成、同玉、22金、同玉、
14桂、21玉、13桂生、11玉、33馬
まで15手詰

 
12歩合は、25桂、22玉、21飛成、同玉、33桂打、22玉、21金まで11手。
 
12銀合は、25桂、22玉、33馬、同桂、12飛成、同玉、13銀、21玉、22金まで13手。
 作意と12銀合の変化での33馬の対比が見どころでしょうか。



「詰将棋パラダイス」1954年8月

Konisi195408

98金、89玉、88金、同玉、89金、同と、97龍、77玉、86龍、88玉、
77角、同龍、97龍
まで13手詰

 易しい入玉図ですが、直接、間接の邪魔駒消去が入って、悪くない感触です。
 玉方68歩は、3手目、88金打、同と、同金、同玉、79角、77玉、86龍、67玉、68歩以下の余詰防止駒です。



番外篇
「近代将棋」1952年12月

Konisi195212_3

19金、17玉、18金、同と、同馬、同玉、38龍、28銀合、29金、17玉、

37龍、同銀、18歩、27玉、19桂
まで15手詰

 発表時、余詰作です。
 
28金、同飛成、18歩、26玉、28龍、27歩合、16飛、25玉、27龍、34玉、14飛以下、39手。
 玉方35歩を35とか45とにしておけば完全でした。

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コメント

12金の作、蔵書の短編名作選には「初手23飛以下。発表図は序の2手を省いた11手詰。41金は銀」とメモ書きがありました。
T-Baseのパラ250号の図も発表図に訂正されており、記事を見るとパラ1978年11月号に訂正記事が出ているようです。

EOGさま
ご教示ありがとうございます。

T-Baseでは近代将棋1956/07の図が41銀13手、1978/02の図が金13手、1978/09では原図通り11手となっていますね。13手になっただけでなく、いつのまにか41銀が41金に変わっていたとは。
近代将棋1978/02の図は、心理的妙手についての読物の中で紹介されていたようです。
北原氏が近将1956/07で13手詰に、パラ通巻250号(1976/11)『古今短編詰将棋名作選』で13手のまま41銀を41金に、その図が一人歩きして近将1978/02に、という経過を辿ったようです。

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