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2014年8月 1日 (金)

北川邦男好作選7

第69番「近代将棋」1968年4月

069

16香、15歩合、同香、23玉、13香成、同玉、14歩、12玉、31と、52龍、
13銀、23玉、24銀成、22玉、13角、12玉、23成銀、同玉、24角成、22玉、
13馬
まで21手詰

 初手は16以遠ならどこに打っても可。
 
23玉は、14銀、24玉、13角まで。
 
67角は、56歩合で打歩詰。
 
23玉は、67角、56歩合、同角、同龍で24歩が打歩詰になりません。以下、12玉、31と、22馬、23銀で詰みます。
 中合で歩を得てから香を捨てて歩に打ち直す、香歩不利交換です。
 発表図は52龍であったため、初手から24角、23玉、33角成、同馬、同と、同玉、34香、44玉、33角、35玉、55龍、45歩合、36飛、25玉、45龍以下の余詰発生。52飛なら手順中の34香を23玉と躱して詰みません。
 なお、12香は、初手22角、同馬、14香、23玉、22と、同銀、12角までの余詰防止駒です。

 香歩不利交換といえば、次の作品を思い出しますね。
『将棋図巧』第78番

078

48桂、同と、59香、58歩合、同香、同と、48桂、同と、57歩、65玉、
35飛、同香、66馬、同玉、67金、65玉、66歩、55玉、75飛、同馬、
56金
まで21手詰

 桂2枚の犠打の間に香を歩に交換し、打歩詰を回避する傑作です。

 また本局を一歩進めて、玉方香先香歩から香歩不利交換に持ち込んだ作例もあります。
小迫清美氏作「将棋ジャーナル」1986年3月

Journal0803

15銀、13玉、23飛成、同玉、56馬、45香打、同馬、同香、26香、25歩合、
同香、13玉、23香成、同玉、24歩、13玉、12と、同金、14歩、22玉、
21桂成
まで21手詰


第70番「近代将棋」1968年5月

070

 「二枚の香がよく守りに働いているのに注意して下さい。まず初手37桂と空き王手すれば18玉で途端に打歩詰。しからばと37馬、同馬、同桂は18玉なら29角で詰みますが、実は29角合という受けの妙手が用意されていて以下同飛、18玉でどうしても詰みません。
 そこで正解は、初手より28銀、18玉、19銀、同玉、37馬、同馬、17桂(取れる馬を取らずに逆に跳ねるという絶妙手!)、18玉、19歩、同馬、同飛、同玉、73角、18玉、28角成まで15手詰。
 取れる駒をわざわざ取らずに残しておいてその駒を打歩詰打開に逆利用するというのは、極めて作例の少ない珍しい手筋です。」

 上記解説は、1983年12月4日付「京都民報」に掲載された若島正氏の『余詰余話』第36回"打歩詰その6"より。
 太字の部分は原文では傍点付きです。
 なお、初手から37桂、18玉、38飛は、28歩合で逃れます。
 塚田賞受賞作。
 この意味付けは柏川悦夫氏作に先例はありましたが、棋形もまとまった見事な作品です。


第73番「近代将棋」1968年8月修正図

073

35銀、17玉、18金、16玉、27金、同龍、同角成、同玉、26飛、17玉、
18歩、同玉、19歩、17玉、37飛
まで15手詰

 15玉は、26金、同龍、同銀、14玉、12飛、13合、15歩、24玉、25歩、23玉、45角成迄。
 同玉は、36角成、16玉、17歩、同玉、18飛迄。
 36角成は、15玉、26銀、同龍、同馬、同玉、36飛打、25玉、26金、14玉、19飛、23玉、24歩、22玉、13飛成、21玉で不詰。
 23飛は、24(25)歩で、同飛成なら26歩、同龍、18玉で、又、同飛生なら17玉、18歩、16玉、36飛、15玉で、それぞれ不詰。

 「近将8月号の貴作を拝見、仰天しました。あの『近駒』(仮称)の原理は、十年ほど前に湯村光造氏から角で表現する原型を示され、『作ってみませんか?』ということで、それが"独楽のうた"№33であるのはご承知かもしれません。飛でも表現し得ることは当時も気が付いてはいたものの、差し当たり適当な表現方法に思い及ばなかったのと、また一つは、どうせ誰もやりゃしめェからボツボツ・・・・・・なんて、意欲の欠如があったらしい。それにしても簡潔な表現で構想を図化した腕には敬服します。(北原義治氏からの私信を引用)」
 「本局の意味は右の引用でほとんど理解されるでしょう。一見何の変哲もない26飛の奥に、巧妙な逃れ手が隠されているのです。華麗な捨駒は一つもないし、一般受けはしないかもしれませんが、これはこれで"構想派"と呼ばれる私の作品に、充分なりえていると自負しています。」

 『三百人一局集』より。北川氏が自薦された作品で、変化、紛れの記述も氏によるものです。
 不思議に思うのは、飛車による打診中合回避の近打は既に第53番にあるのに、北原氏は本局が最初の作例だと思いこんでいたフシが見られることです。


第79番「近代将棋」1969年4月

079

12香、21玉、22香、同玉、34桂、同飛、23歩、12玉、24桂、同飛、
21角、11玉、12歩、21玉、31飛成、同玉、22金
まで17手詰

 複数の香による香先香歩です。
 
12歩は、21玉、22香、同玉、34桂、同飛、23香、12玉、24桂、同飛、21角、11玉で12歩が打歩詰。
 
22玉は、11角、21玉、31飛以下。
 
22歩は、同玉以下、作意の手順をなぞって23香と打つことになり打歩詰。

 玉方15香は変長をなくすために置いた駒だと思われますが、それでも
12玉、24桂、22玉、44角、33金合でどうしても作意より2手長くなってしまうのが残念です。

 これもつくってみたいと思った主題の一つです。2枚ではなく、4枚の香を先打ちできないかと思っていました。

七條兼三氏作「詰将棋パラダイス」1978年9月

Para76803284

92飛、63玉、64香、53玉、54香、43玉、44香、33玉、34香、23玉、
24歩、12玉、22銀成、13玉、14歩、22玉、32香成、同馬、34桂、33玉、
32飛成、同玉、42香成、同金、同桂成、同玉、53角、32玉、33歩、同玉、
44角成、32玉、33金、41玉、51香成、同玉、61香成、同玉、62銀、72玉、
64桂、81玉、54馬、91玉、82歩成、同玉、73銀成、91玉、81馬、同玉、
72桂成、91玉、82成銀
まで53手詰

 先行作があってガッカリ。この図には3手目より
64歩、53玉、54香、43玉、44香、33玉、34香、23玉、22銀成、同玉、
32香成、同馬、23歩、13玉、14歩、23玉、24香、33玉、32飛成、同玉、
43角、33玉、34角成、32玉、43馬、41玉、61馬、31玉、22銀、32玉、
43香成、41玉、51香成
まで35手詰
の余詰があります。その後修正されたかどうかは分かりません。


「近代将棋」2004年7月

0005kaneko20

25桂、14玉、15香、同と、13桂成、同玉、14香、同と、25桂、同と、
14香、23玉、15桂、同と、24香、同玉、36桂、14玉、15銀、23玉、
24歩、22玉、32と、13玉、23歩成、同金、14歩、12玉、24桂、同金、
13歩成、同玉、24銀、同玉、33馬、25玉、26金打、14玉、15金、13玉、
22馬
まで41手詰

 打った香を取る術がなくて残るのではなく、すべて捨駒であること、狭い範囲で密度濃く打ち捨てることを念頭につくったものです。

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