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2014年7月27日 (日)

北川邦男好作選3

第21番「詰将棋パラダイス」1960年12月

021

54飛成、44銀合、35歩、同玉、65龍、同銀、25飛、34玉、35歩、同銀、
23飛成、同金、25銀
まで13手詰

 表紙コンクール首位作。
 森田正司氏が1959年9月の「詰将棋パラダイス」に発表した新手筋を銀合で実現した作品です。


第23番「詰将棋パラダイス」1961年1月

023

32銀生、51玉、54龍、53角、52角成、同玉、63龍、51玉、43桂
まで9手詰

 半期賞受賞作です。
 初手不成で動くのが良い。取れば23角成、31玉、43桂まで。
 躱す一手の51玉に、54龍のソッポ行き。邪魔駒消去です。取れば63桂から詰みますが、ここで53角の移動合が妙防です。これは退路を開ける意味ですね。55飛のヒモが付いているので同龍と取ると詰みません。疑似移動中合と呼ぶらしい。
 最後は角を捨てて63龍と入ったとき、初手が不成でなければならない意味が判明。
 うまくまとまっています。

 疑似移動中合で思い出すのは、やはり次の作品です。
若島正氏作「将棋世界」1982年5月

81990359

11金、同玉、23金、13馬、33馬、21玉、22馬、同馬、33桂、同馬、
12金
まで11手詰


第24番「詰将棋パラダイス」1961年1月

024

18香、同玉、19銀、27玉、28香、17玉、47飛、37歩合、同飛、同馬、
16馬、同玉、17歩、同玉、18香
まで15手詰

 短香二発。
 
19香は、28玉、29銀、19玉、38銀、28玉で逃れ。
 
28玉は、19銀、38玉、48馬、27玉、29飛まで。この19銀を打つための短香です。
 
27玉は、16馬、28玉、19銀、37玉、38香まで。
 29香は、17玉、47飛、37桂合(27桂合も可)で逃れ。
 
37桂合は、同飛、同馬、29桂まで。28香と打っておけば、29桂と打つ余地があるので詰むというわけです。
 わずかな駒で、よくこれだけの内容が盛り込めたものです。


第25番「近代将棋」1961年1月

025

29香、28歩合、同香、27角生、35馬、16玉、36飛、同角成、15と、同玉、
14飛、同馬、16歩、同玉、26馬
まで15手詰

 北川氏の代表作の一つ。塚田賞受賞作です。
 古今の短篇中でも上位にランクされる傑作ではないでしょうか。

 初手はいろいろありそうですが、38飛が浮いているので35馬や24飛ではうまくいきません。
 仕方なく
28香と打ってみると、26合には35馬、27歩合には35馬、16玉、36飛まで。かといって、27銀合では35馬、16玉、36飛、同銀成、15と、同玉、25馬まで。27金合は、35馬、16玉、26合、同馬、同金、同飛、17玉、16金までです。
 36に利かせる合駒は、もう移動中合27角(成っても成らなくても良い)しかありません。
 同香と取るのは、38飛をめがけて遁走されます。また、24飛は、16玉、15と、17玉、27飛、18玉で逃れ。
 そこで、やはり35馬になりますが、16玉、36飛、同馬(または同角成)、15と、同玉、14飛、同馬(失敗図)で逃れ。36が馬なので、25にも14にも利きができるために詰まないのです。

失敗図

20140727

 そこで「相当難解な手」(北川氏)29香に思いが至ります。
 
同角成は、35馬、16玉、36飛、27玉、24飛、18玉、16飛まで。
 
同とは、24飛、16玉、18飛、17合、27角まで。
 さきほどの
28香では27角成として逃れましたので、今回も27角成としてみます。以下、24飛、16玉、15と、同玉、14飛、25玉、27香、26合、24馬まで。28香と違う点は、38飛の横利きが18まで通っているかいないかです。
 ということは、いったん中合して27角という対応が考えられます。28歩合、同香、27角成ではどうか。35馬、16玉、17歩、同馬、25馬まで。これで27角成でなく27角不成でなければならないことが分かりました。
 『近代将棋図式精選』で森田銀杏氏は「短篇では初めての<成らず移動中合>」と評しています。
 中長篇では作例があったとはいえ、この手数で、簡潔な構図でしかも収束まで文句の付けようがない仕上がり具合には感服の他ありません。
 この時期の北川氏は冴え渡っている感じがします。

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