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2014年7月22日 (火)

北川邦男好作選2

 1959年からの三年間の北川氏の活躍はめざましく、『渓流』によればこの間に73局(1960年の一年だけで31局!)もの発表作があります。生涯の発表作150局の半数近くがこの時期に集中していることになります。

第5番「近代将棋」1959年7月
005

15飛、同玉、33角、25玉、17桂、16玉、15角成、同飛、26金、17玉、
15金、18玉、17馬、同玉、16飛
まで15手詰

 塚田賞受賞作です。
 
42以遠に打つと、17同飛成と取られたときに35馬、同玉、36金、44玉で詰まなくなります。つまり、33角は44に利かせる意味があります。
 15同玉なら、26銀、16玉、25銀、15玉、16金まで2手早い。
同桂は、25金、16玉、26馬まで、これも2手早くなります。
 この作品の15金をソッポ行きという人もあるようですが、ここで36金とする手はあり得ず、飛車を取る一手なので、それは違うと思うのですが。


第9番「近代将棋」1960年3月
009

43角、17玉、16金、18玉、17金、同玉、16角成、同玉、18香、同と、
27金、15玉、25龍
まで13手詰

 盤面18桂が邪魔駒で、これがなければ初手18香で詰みます。いかにも邪魔駒然としているところが弱いですが、これだけ簡潔にできれば言うことなしですね。


第10番「詰将棋パラダイス」1960年3月
010

19銀、同馬、39銀、29玉、38銀左、同金、28銀、49金、19龍、38玉、
47角、同玉、49龍右、同桂成、37金
まで15手詰

 初手は質駒をつくっておく意味。38同銀は、同玉で持駒金だけでは詰みません。玉の退路を塞いでいる金を取らずに19馬に当てて28銀とするのがうまい。
 
49金以外では19龍引や19龍寄で詰むので分かりやすい移動合ですね。以下、退路に先着の47角も入って、冴えた作品になったと思います。

 この図を見て、すぐ思い出すのが次の作品です。

若島正氏作、原図は「枻 将棋讃歌」1982年5月、『華麗な詰将棋』1993年6月改作図
009_2

49銀、59玉、48銀右、同龍、58銀、39龍、同龍、58玉、57飛、同と、
69馬
まで11手詰

 銀捨てに対して取る駒の選択の余地があること、移動合でなく移動中合なのが大きな違いですが、手順の流れは似ていますね。


第17番「将棋世界」1960年8月
017_2

49金、29玉、39金、同玉、59飛、49角合、同飛、38玉、29角、同と、
39飛、同玉、49金
まで13手詰

 作者得意の捨合です。
 39金は、同玉、59飛、49角合で29桂がいるために詰みません。つまり
49金は邪魔駒消去です。
 
49飛金合は、同飛、38玉、39飛金、同と、28飛金まで2手早い。49銀合は、同飛、38玉、39銀、29玉、28銀上、18玉、19飛まで同手数駒余り。
 最下段は打てる合駒の種類が限られてくる(飛角金銀合しかできない)ので、合駒物はつくり易いのかもしれません。


第18番「詰将棋パラダイス」1960年11月
018
33角、同飛、31角、同玉、42銀、22玉、33銀生、13玉、15飛、同と、
23歩成、同玉、24金
まで13手詰

 単に31角と打てる形なのに、33角でわざわざ同飛と呼んで守備力を強めたように見えたのちに31角と打つのが実に味が良い。柏川流を思わせる手順です。銀不成も入って秀作だと思います。
 ただし、この図は一枚減らせます。作意不変。
 発表図から、54桂、44歩をなくして、攻方53銀と置く図も可能です。

0182

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