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2014年1月27日 (月)

酒井桂史名作選8

 1月25日、初天神に行きました。菅原道真の命日に当たる25日は北野天満宮の縁日ですが、特に12月25日は終い(しまい)天神、1月25日は初天神といって、露店も人出も非常に多いのです。
 じゃがバターの店があったら食べようと思ったのですが、今回は出ていませんでした。

 境内の門前でお坊さんが宮澤賢治の「注文の多い料理店」の紙芝居をやっていて、こどもがたくさん。そばで、宮澤賢治展のチラシを配っていました。賢治は熱心な法華教徒で、法華の一派である本門佛立宗のミュージアム(天満宮のすぐ近くにあります)で展示をやっていたのです。あとで見に行きました。
 宮澤賢治は学生時代に徹底的に読んだので、ネタがなくなると賢治論ブログになる可能性が。(^^; このブログの識別名「とらかまねこ」も賢治童話から来ています。

 室町時代の京都は法華の巷と呼ばれ、日蓮宗(当時は法華宗と称)が席巻した街で、一向宗との戦闘をたびたび行いましたが、延暦寺による「天文法華の乱」(1536年)で壊滅的な打撃を受けました。

Soryo_2

 境内の梅はほとんど固いつぼみでしたが、開花している梅が少しだけありました。
Hakubai

Koubai

 さて、前回のつづき。今度は攻方銀先銀歩総まくり。
 第一号は、久留島喜内、第二号は山田修司氏作(双方銀先銀歩)であることは既に述べました。

七条兼三氏作「詰パラ」1981年5月
Photo

26と左、同銀、16銀、同金、同と、同玉、17金、同銀成、同と、同玉、
28金、26玉、27銀、35玉、36歩、44玉、33角成、同香、45歩、同玉、
56と、44玉、55と上、同と、同と、53玉、54と、62玉、82龍、同歩、
63金、61玉、51と、同銀、62飛、同銀、同金、同玉、63銀、73玉、
74歩、83玉、95桂、93玉、94歩、同玉、67馬、93玉、66馬、94玉、
84馬
まで51手詰

 銀先銀歩、金先金歩、飛先飛歩の順です。
 ただし、27金でも詰むので、金先金歩は不成立です。

「詰パラ」2010年11月
Photo_2

45龍、26玉、17銀、27玉、36龍、同と、28銀、26玉、27銀打、同と、
38桂、同と、27歩、35玉、65飛、55歩合、同飛、同角、36歩、同玉、
63馬、35玉、45馬
まで23手詰

 拙作なので、控えめに。(^^;

 以上です。・・・

 ・・・出し惜しみせずに、もっと出せって? これだけしか知らないのです。他にあれば教えて欲しいです。
 なぜ難しそうな玉方が多くて攻方が少ないのか、ですか? これはね、理屈から言っても経験から言っても攻方のほうが難しいのですよ。○先○△と呼ばれる不利物(金先金銀を除く)を、二歩禁関係も含めると攻方玉方合わせて20局以上つくっている私が言うのだから間違いない。(笑) 
 銀と歩以外の駒を無視して考えると、攻方銀先銀歩の場合、持駒は銀歩です。玉方銀先銀歩では銀だけです。銀歩の持駒の方が潰れやすくて難しいのは当然ですね。持駒金銀歩で、攻方金先金歩+攻方銀先銀歩なんてできたら、これは歴史に残ります。(断言)

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『作品集』第73番
73

33飛成、同香、26角、同金、45歩、同龍、43と、54玉、55歩、同龍、
53と、64玉、65歩、同龍、63銀成、74玉、75歩、同龍、73銀成、84玉、
85歩、同龍、同と、同玉、86飛、95玉、26飛、86桂、85金、同玉、
86飛、95玉、87桂、同金、同飛、68と、85金、96玉、86金
まで39手詰

 並び歩と背後の攻駒のかたまりが、趣向を予感させます。序奏で、質駒をセットしておくのがうまい。
 楽しいということも詰将棋の大事な要素ですね。
 ところが、45歩でも34飛でも詰み。45歩だけなら手順前後ですが、34飛は余詰でしょう。なお、61香はどう見ても不要駒です。
 63とも可。
 85とも可。
 85とも可。
 86香合で41手駒余らず、変長の手順もある。

 何とかしたいですね~。

73_2

45歩、同龍、33飛成、同香、26角、同銀、43と、54玉、55歩、同龍、
53と、64玉、65歩、同龍、63銀成、74玉、75歩、同龍、73銀成、84玉、
85香、同龍、同金、同玉、86飛、95玉、26飛、68と、86銀、84玉、
74成銀、同玉、76飛、84玉、73飛成
まで35手詰

 構図を小さくするのは私の得意技の一つです。(^^;
 角が並んでいるため86地点に二枚も利いていて、余詰防止用の駒も79銀、58とと二枚必要になっているので、角を動かして一枚節約。さらに61香を削除。
 直すべく奮闘して、86香合の変同を消しました。86銀桂香合は同手数駒余り、角合は33手になります。しかし63銀成のところ63とがどうにも直せない。しかも新たに迂回手順が。
 86飛のところ75飛、96玉、76飛、85玉、86飛が成立。
 迂回手順なんて気にしてはいけません。(←誰や、迂回手順は気になる言うてた奴は)


『作品集』第77番「将棋新誌」1926年8月
77

71飛、72龍、同飛成、67玉、76龍、同玉、71飛、72飛合、87金、67玉、
56銀、同玉、51飛、同金、48桂、同と、45角、同玉、46金、34玉、
23銀生、同玉、22桂成、同飛、13角成、同玉、15香、24玉、35銀、23玉、
13香成、32玉、22成香、41玉、31飛、52玉、53歩、62玉、51飛成、同玉、
52金
まで41手詰

 72歩合(どこに合駒しても同じ)は、87金、67玉、56銀、同玉、51飛、同金、48桂、同と、45角、同玉、46金、34玉、23銀不成、同玉、22桂成、34玉、23銀まで。72龍なら、この手順では22桂成を同龍と取れるので詰みません。
 75歩合は、同龍、67玉(75同桂は86と、77玉、87と、67玉、56銀、同玉、55飛、67玉、45角まで)、56銀、同玉、57飛、同と(同桂は45角まで)、45角以下72歩合と同じ手順で詰み。
 56銀は、持駒に桂がないので不詰。
 他合は、72歩合などと同じなので87金以下。
 86と、86金も成立。
 22とは、同玉、13角成、同玉、15香、22玉で不詰。
 22とも可。

 これぞ酒井桂史畢生の大傑作ではないでしょうか。
 3手目72飛、13手目51飛の成生非限定や22とも特に問題にするほどではありません。
 しかしは多少問題ありでしょうか。
 攻方が欲しいのは48に打つ桂です。51桂を狙って71飛と打てば、まさかよもやの72龍の移動中合。72龍のままで取った飛を有効に使える場所がないので、龍を捨ててもういちど打ち直せば、またもや72飛合。しかし今度は龍でなく飛なので22桂成、同飛、13角成を同龍と取る手がなく詰むというすばらしい論理構成で、実に独創的な作品です。また龍と飛との駒の働きの違いを知ったのであった。

77_2

 は限定したいので、直してみたら結果的に1枚減りました。さりげなく、構図も小さくなっています。(^^)
 歴史的に重要な作品なので、できれば「修正三原則」でいきたかったのですが、86金、77玉、87金と2手伸びてしまいました。


『作品集』第78番「将棋月報」1926年5月
78

12馬、36玉、37銀、45玉、34馬、54玉、43馬、63玉、52馬、72玉、
61馬、63玉、64歩、同玉、65歩、54玉、43馬、63玉、52馬、72玉、
64桂、同香、61馬、63玉、64歩、同玉、65香、54玉、43馬、同玉、
16馬、25歩合、23龍、33歩合、25馬、54玉、64金、45玉、34馬、同歩、
46歩、35玉、26龍
まで43手詰

 44馬は46玉で不詰。
 54玉は43馬、64玉、65歩以下。応手非限定。
 54玉は、64金、45玉、25龍、
35合、34龍まで。
 33香合でも同じ。これはたいした問題ではありません。
 馬の単騎追い。取れば16馬以下。実にシンプルなしくみです。収束も鮮やかですね。
 67龍は何の意味だか分かりますか? これは64歩、同玉、65金、63玉、53馬、同玉、54香、63玉、23龍、72玉、73龍、61玉、16馬までの早詰を防ぐ意味と、35飛合をさせないための配置なのです。金が出払っているのもこのためです。35飛合でも詰むのですが、作意より短くならない上にいろいろな詰め方が生じます。金合があると、これは詰みません。
 非限定を直します。

78_2

 2枚減らしました。似たような配置でも12銀、84金だと潰れます。
 54玉は、43馬、64玉、76桂、63玉、64歩、72玉、61馬、同玉、16馬、52合、42銀成、21金、52馬、72玉、73金まで。ここは限定できました。
 さらにこの図だと玉方持駒に香はないので33歩合も限定になります。8筋を銀香だけで収めた結果がたまたまこうなっただけで、決してセコイわけではありません。(^^;
 初手11馬は36玉、37金、35玉、25龍、同玉、16馬、同玉で不詰。
 作意2手目36玉のところ、21金は37金、15玉、16馬、同玉、34馬、25飛合、27金打、15玉、26金直、同飛、16歩、同飛、27桂まで。
 34馬のところ25龍は、54玉、55龍、63玉で不詰。34とを34歩にしたのがウリです。
 非限定ゼロ。我ながら完璧。(笑)
 今日はツッコミどころ満載ですので、コメント大歓迎。(^^)

-----気をよくして、つづく-----

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