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2014年1月28日 (火)

酒井桂史名作選9

 玉方銀先銀歩で、非常に大事な作品を忘れていました。

山本民雄氏作「詰パラ」1987年11月号
Photo

67角、43玉、53銀成、同歩、44銀、同玉、42飛、同銀、45飛、34玉、
42飛生、25玉、36金左、同香、34角、同玉、35銀、25玉、26金、14玉、
12飛生、23玉、32飛成、14玉、15歩、13玉、12龍
まで27手詰

 42飛、同銀のセットが誰もやったことのなかった構想。玉方銀先銀歩のまったく新しい表現です。
 コンパクトな構図も見事ですね。山本氏の他の作品を見ても、常に最小の構図を心がけていたのではないかと思います。見習いたいものです。

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『作品集』第82番「将棋月報」1926年12月
82

57金打、同成桂、同金、45玉、46金、34玉、33角成、同玉、45桂、同歩、
32と、43玉、55桂、同歩、42と、53玉、65桂、同歩、52と、63玉、
75桂、同香、62と、73玉、63金、83玉、84歩、同龍、同と、同玉、
14飛成、74角、85飛、94玉、74龍、同馬、61角、83馬、同角成、同香、
95飛、84玉、73角、74玉、64金
まで45手詰

 14龍の利きを84まで届かせて、打歩詰を回避する作品です。順次桂を打ち捨てるのが美しいですね。
 初手は、なぜ入れたんでしょうか。四桂持駒にして57金からはじめるべきだと思うのですが。
 ところで、玉方87歩が81歩だとどうなるか。これは作意の他に、85飛、94玉、14飛成、84香打、同飛、同香、同龍、同玉、87香でも詰むのです。ここから86銀合、同香、85銀合と頑張っても73銀で詰み。87歩配置なら、86香、85銀合で不詰。さすがによく読んでますね。
 52と、63玉、62と、73玉、65桂、同歩、63金以下でも詰み。
 62と以下も詰み。
 うーん、これも限定できない。

82_2

 手順前後の筋を生かした苦肉の策です。手順は限定できましたが、これでは面白くありませんね。(T_T)


『作品集』第83番「将棋月報」1931年9月
83

41桂成、同玉、49香、51玉、42香成、61玉、52成香、71玉、62成香、81玉、
72銀、91玉、81金、同金、同銀成、同玉、72成香、同玉、83歩成、61玉、
72と、51玉、62と、41玉、52と、31玉、42と、21玉、32銀、11玉、
21金、同金、同銀成、同玉、32と、同玉、23歩成、41玉、32と、51玉、
42と、61玉、52と、71玉、62と、同玉、63金、51玉、52金打
まで49手詰

 61桂成、同玉、64香も49手で詰む。
 61玉は、64香、71玉、62香成、81玉、72銀以下。
 これは見たことがあるという人が多いのではないでしょうか。
 61桂成は問題にするほどではありませんが、83成銀を置くのなら23も成銀にした方が良かったかもしれません。
 持駒金銀にものを言わせて、単騎で右へ左へ追いかけるのが鮮やか。楽しくて文句なし。
 黒川一郎氏の作品だと言われても違和感がありません。浪漫派の先駆けかな。
 なお、初手41桂成、3手目49香は、これが作意です。

 当然、思い出すのは次の作品ですね。

山田修司氏作「死と乙女」
「詰パラ」1951年10月
Photo_2

74銀成、82玉、81と、同玉、71と、同玉、73香、61玉、72香成、51玉、
62成香、41玉、52成香、31玉、42成香、同玉、43銀、31玉、32金、同金、
同銀成、同玉、24桂、41玉、32桂成、51玉、42成桂、61玉、52成桂、71玉、
62成桂、81玉、72成桂、同玉、73金、81玉、82金打、同金、同金、同玉、
94桂、71玉、82桂成、61玉、72成桂、51玉、62成桂、41玉、52成桂、31玉、
42成桂、21玉、32成桂、同玉、33銀、23玉、35桂、同歩、34金、12玉、
24桂、11玉、22銀成、同玉、33と、11玉、12桂成、同玉、23金、11玉、
22金
まで71手詰

 山田氏、このとき18歳。氏といえば構想派の巨匠ですが、初期は浪漫派の作風でした。
 酒井作をご存じなかったようです。


『作品集』第86番「将棋月報」1931年10月
86

26桂、33玉、45桂、同角、23と、42玉、54桂、同角、34桂、同と、
32と、同玉、22と、42玉、32金、51玉、63桂生、同角、62馬、同玉、
63歩成、71玉、62と、82玉、93角、91玉、92歩、同玉、39角成、94歩、
同香、81玉、71と、同玉、17馬、同龍、61飛、82玉、91飛成、72玉、
62香成、同玉、67香、同と、63歩、同玉、61龍、74玉、64龍、85玉、
86金
まで51手詰

 同とは24金まで。同龍は、24金、同龍、同銀成、同玉、23飛、34玉、35馬、同玉、26飛成、34玉、23龍、35玉、26金まで。
 23とは、42玉、54桂、同角、34桂、同と、32と以下、作意と同じに進めて57桂が邪魔になり39角成~17馬の転回ができない。
 同角は、44金、42玉、43金、同玉、44馬、42玉、54桂、31玉、22と、41玉、42歩、51玉、62馬まで。
 残念ながら、34桂の手順前後が成立。これは直しようがなさそう。

 斜めに並んだ桂三枚。趣向の香りです。
 45桂、同角と呼んで、23とは冴えています。単に23とだと、57桂があとで邪魔駒になるという深謀です。さらに34桂もと金を動かして、のちの17馬を有効にする伏線。多重伏線というのでしょうか。酒井桂史の底力を感じます。


『作品集』第89番「将棋月報」1925年12月
89

67金、同玉、94角、85馬、同角、56玉、67角、同玉、94角、85角合、
79桂、56玉、83角成、同金、46飛、65玉、57桂、54玉、44飛、同と、
46桂、43玉、52銀生、同玉、53金、51玉、61歩成、同玉、72香成、同歩、
同香成、同玉、83香成、同玉、84金、82玉、73銀成、81玉、82歩、同龍、
同成銀、同玉、83飛、71玉、73飛成、81玉、92歩成、同玉、83金、81玉、
82龍
まで51手詰

 第77番を角で表現した作品です。飛車でできることは角でもできるというわけです。
 85歩合は、79桂、46玉、83角、同金、36飛、65玉、57桂、54玉、44飛、同と、46桂、43玉、52銀不成、同玉、63金、51玉、61歩成、同玉、72香成以下。
 79桂は、46玉、83角以下、52銀不成を同馬と取られて不詰。
 85角合は生角なので、今度は79桂が成立します。
 攻方84香は歩でも良さそうですが、76香合で詰まなくなります。この辺り、何でも合駒できる第77番に比べると見劣りする感は否めません。

-----最終回に向けて、つづく-----

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